【実機レビュー】ADATA LEGEND 970 PRO(4TB):激安だけどファンがうるさめ、ドスパラ限定Gen5 SSD

レビュー

ADATAは台湾・新北に本部を構えるDRAMメーカーです。
2001年設立の老舗で、2006年にはDRAMモジュールの販売シェアで世界2位を獲得、2017年にはSSD販売シェア世界第2位となるなど、メモリ・SSDの分野における最大手の一角を占めています。

そのADATAが2024年10月に発売したGen5対応SSDが「LEGEND 970 PRO」です。グローバルだと7月発売ですね。
SSD本体から電源を取るファン付きヒートシンクも珍しいものですが、最大のポイントはその価格。

ドスパラ限定での販売ですが、2TBで2.4万円、4TBで4.7万円という値段は、「ほんとにGen5 SSD?」って思ってしまうくらいに激安です。
そんな激安SSDが、本当にGen5クラスであるのか、実際に確認してみたいと思います。

当レビューは自腹購入品となります。
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スペック

■ ADATA LEGEND 970 PRO
容量 1~4TB
接続 PCIe Gen 5.0 x4
NVMe 2.0
読込速度 2/4TB:14,000MB/s
1TB:13,000MB/s
書込速度 4TB:11,000MB/s
2TB:10,000MB/s
1TB:9,500MB/s
コントローラ INNOGRIT IG5666
NAND Micron 232L TLC NAND
キャッシュメモリ 1~4GB DDR4-2666
耐久性 4TB:2960TBW
2TB:1480TBW
1TB:740TBW
保証 5年
ADATA LEGEND 970 PRO SLEG-970P-4TCI-DP (M.2 2280 4TB) ドスパラ限定モデル | パソコン通販のドスパラ【公式】
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本体外観

パッケージデザインはちょっとプレミアム感。
ADATAはゲーミングがXPG(MARS/GAMMIX/SPECTRIX)、一般向けがADATA(LEGEND/Ultimate)とブランドを使い分けていて、一応一般向けなのにこのキンキラぶりです。

中のスリーブはプラ製。ネジは入っていません。

本体。
ヒートシンク内にファンが埋め込まれています
裏面にはMADE IN TAIWANの文字。

ファンの電源はSSDから取られています
線が2本なので制御はなく、常時2万RPMで回り続けることになります。

また、ネジの一つが保証シールでふさがれており、ヒートシンクを外すと保証がなくなります

反対側から。

ヒートシンクを外したところ。
個人的に面白いと思ったのが、底面側に爪が付いている点。ヒートシンクを付け直す際、位置決めがとても楽でした。

上下からシリコンシートで挟まれています。

DRAMとNANDは両面実装です。

コントローラーはINNOGRIT IG5666F AA。コードネームはTacomaです。
最後の数字を見る限り、24年11週製造っぽいですね。

TSMCの12nmプロセス製造で、最大8ch、各チャネルごとに最大2400MT/sで接続します。
シーケンシャルはリード14GB/s、ライト11GB/s、ランダムはリード300万IOPS、ライト250万IOPSとされています。

ちなみにINNNOGRITのサイトを見てもIG5666は掲載されておらず、IG5666のベースとなったとされるIG5669で更新が止まっています。

メモリはSKHynix H5ANAG6NCJR-XNC。DDR4-3200の16Gb(=2GB)が表裏1枚ずつで、合計4GBとなっています。

NANDはADATA 60799FXの刻印。
表裏に2枚ずつの計4枚なので、1枚当たり8Tb(=1TB)ということになりますね。

flash idで確認すると、Micronの232層TLC NAND(B58R)ということが分かります。

ちなみにNANDの一つにはシリアルナンバーと管理用QRコードが貼られていました。

チェック環境

検証はMinisforum「BD790i」と、システムとしてWD_BLACK SN850X(4TB)を使用。
奥がシステムSSD、手前がレビューSSDです。

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ヒートシンクがゴツイですね…

CrystalDiskInfoの情報です。規格容量は4096.7GB。予備領域はないようです。
接続はGen5 x4、規格はNVMe 2.0。

NVMeのバージョンは転送速度とはあまり関係がなく、そもそもが通信プロトコルの規格名です。なので、バージョンによって使えるコマンドセットや機能に差があります。
ざっくり調べた感じだと、NVMe 2.0ではZNS Command SetやKV Comman Setが追加され、HDDをサポートするように。
NVMってNon-Volatile Memory(不揮発性メモリ)の頭文字(eはExpress)なのに、磁気ディスクをサポートとは…

フォーマット後の容量は3815.43GB。

ADATAでは「SSD Toolbox」という管理アプリが用意されています。
だいたいの機能はメーカー問わず使える、汎用的なアプリです。

参考 SSD Toolbox:ADATA

ベンチマーク

ベンチマークはヒートシンクのない状態かつ、CPUファンの風が当たらないようにして計測しています。
自然空冷状態で、エアフローのしっかりしたデスクトップ機に比べると、若干不利な環境となります。
また、AMD系環境のため、4KランダムQ1T1がIntel系環境に比べて低く出る傾向にあります

CrystalDiskMark

CrystalDiskMarkではサイズを1GiB・64GiBにして測定。

シーケンシャルでリード13,408MB/s、ライト9,690MB/sを記録。高速ではありますが、仕様には届いていません。
ランダムリードの遅さがちょっと気になります。

64GiB時では全体的にやや落ち込んだものの、大きく下がるということはありませんでした。

4Kランダムのリードレイテンシ(1GiB時)は66.70μs。Gen4 SSDではだいたいが55μs前後だったので、2割ほど遅いです。

AS SSD Benchmark

AS SSD Benchmarkでは総合10424ポイントと、10000ポイント超え。
4K/64スレッドの速度が主な要因ですが、アクセスタイムも割と低めです。

h2testw

全域に書き込んで速度を計測するh2testwは、2.7GB/sでスタート。KIOXIA「EXCERIA PLUS G4」(3.1GB/sスタート)よりは遅いものの、Gen4 SSD(2~2.1GB/s)よりは3割ほど高速です。
「EXCERIA PLUS G4」との差はコントローラーの仕様の差(「EXCERIA PLUS G4」のコントローラーE31は4ch・3600MT/s)が理由でしょう。

1.7TB付近でスパイクが発生しますが…

その後は特に高負荷となることもなく、負荷50%前後、書き込み速度も2.0GB/s前後で安定。

最後はちょっと遅くなったものの、そのままフィニッシュしました。

トータルでは、書き込みは平均1.89GB/s、読み込みは平均1.16GB/sでした。
ファンで冷やされているためか、安定感が半端ないですね(読み込みは微妙に遅いですが)。

ATTO Disk Benchmark

ATTO Disk Benchmarkはファイルサイズが小さなファイルにおけるスループットを計測するベンチマークです。
ライトは1MB、リードは4MBからピーク速度に。他のSSDだとライト256~512KB、リード1MBくらいからピーク速度となるので、細かいファイルは苦手っぽい
まぁ、苦手と言ってもGen4 SSDの最大速度を超えているんですけど。

HD Tune Pro

HD Tune Proでは読み込みは全域ほぼフラットで、平均2,200MB/s。
ややギザギザしているものの、おおむね安定しています。

書き込みは読み込みより安定していて、おおむね3,300MB/sを維持。
グラフからも安定度の高さが伺えます。

その他の計測結果。

3DMark Storage Benchmark

3DMarkは2141ポイント。YMTC系(おおむね2300ポイント台)と比べても低いスコアです。
3DMarkはアクセスタイムが評価の中で大きなウェイトを占めているので、CrystalDiskMarkで見たようにレイテンシが高い「LEGEND 970 PRO」はスコアが低くなります

ファイル転送(書き込み)

ファイル転送は「DiskBench」を使って計測。

10GB(1GB×10)のファイル:2.896秒 (3535.912 MB/s)
100GB(1GB×100)のファイル:29.287秒 (3496.432 MB/s)
1TB(1GB×1000)のファイル:331.967秒 (3084.644 MB/s)

ファイル転送(書き込み)では10GBは3秒切り、100GBも30秒切り。どちらも「EXCERIA PLUS G4」よりやや遅いものの、Gen4 SSDと比べると高速です。
大きいのが、1TB。これまでレビューしてきた中で、1TB転送で初の3,000MB/s超えです。WD「SN850X」が2,400MB/s、MAP1602+YMTC 232LのLexar「NM790」でも2,647MB/sだったので、大幅な更新ですね。

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温度について

「EXCERIA PLUS G4」の警告温度は100度、臨界温度は110度。かなり高めに設定されています。
…いや、高すぎない?

温度はHWMonitorと、HWiNFOの2種類で調査。
どちらも3種類の温度センサーが見えていますが、うち二つは同じ温度を指しているので実質2種類です。

センサー上は最大62~63度。さすが、ファン内蔵ヒートシンクなだけあります。
その代わり、ファンはずっと小さくチィーという感じの高周波音を撒き散らしていて、オープンフレームだと耳に障ります。
現代の、複数ファンを組み込むデスクトップ機であれば、そこまで気にならないのかも。

サーモグラフィーで見ると最大でも40度台でした。

ファンをオフってみた

オープンフレームでベンチマークしている関係で、ファンが耳障りなので電源を引っこ抜いた状態でも計測してみました。

ベンチマークを複数回行ってみると、リード9,100MB/s、ライト6,700MB/sまで低下。

コントローラの温度は最大73度まで上昇。

サーモグラフィーで見ると最大76.2度。コントローラーの実温度は80度を超えているでしょう。
というか、温度が低く見えるセンサーってどうなの…?

さすがに95度とか100度まで達するような状況はレアでしょうが、ファンを止めて運用する場合、環境や状況次第ではSSDの寿命に影響しそうです。
いやまぁ、メーカー非推奨行為をするわけだし、完全に自己責任なんですけどね。

まとめ

「LEGEND 970 PRO」はINNOGRITのフラグシップコントローラーを搭載し、実測でもリード13GB/s台の高速なSSDです。
ただし、2025年に入って増えてきた6nmプロセスではなく、旧来の12nmプロセスで製造されているため、発熱面がやや不利となっています。

発熱問題はメーカー側も承知しているようで、同じIG5666を搭載するTeam「T-FORCE GE PRO」は、ごついヒートシンクがセットになっています。

コントローラーの特性か、細かいファイルよりも大きなファイルの方が得意なようで、Gen5 SSDなのにアーカイブ向きというのはちょっとちぐはぐで、個人的には面白かったり。
細かいファイルが苦手と言ってもGen4 SSD並みには速度も出ていますし、ゲームデータ置き場に使っても、メインSSDに使っても活躍はしそうです。

「LEGEND 970 PRO」は国内ではドスパラ専売で、1TBが15,280円2TBが23,980円4TBが47,480円
Gen5 SSDとしては最安クラスです。

記事執筆現在(2025年9月)の4TB Gen4 SSDの最安値はほぼ3万円ですが、TLC NANDに限定すると3.3万円くらい。
価格は1.5倍弱で、ピーク速度は約2倍というのは、コスパとして悪くないとは思います。

関連リンク

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おまけ

fid情報のテキスト版。スクリーンショットじゃなくてテキストでシェアして!って書かれていたので。

v0.141a
OS: 10.0 build 26100 
Drive   : 1(NVME)
Scsi    : 1
Driver  : W10
Model   : ADATA LEGEND 970 PRO                    
Fw      : 0502055M
Size    : 3907018 MB [4096.8 GB]
LBA Size: 512
AdminCmd: 0x00 0x01 0x02 0x04 0x05 0x06 0x08 0x09 0x0A 0x0C 0x10 0x11 0x14 0x80 0x81 0x82 0xF2 0xFC 0xFD 0xFE
I/O Cmd : 0x00 0x01 0x02 0x09
Ctrl/DID: 0000
F/W     : 0502055M
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Bank11: 0x2c,0xd3,0x8,0x32,0xe8,0x30 - Micron 232L(B58R) TLC 1024Gb/CE 1024Gb/die
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00 00 30 35 | 30 32 30 35 | 35 4d 00 00 | 00 00 00 00
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Super blocks        : 567
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All:    190

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