2018年1月28日、Raspberry Piを搭載するためのモジュールボード「Compute Module」に、最新バージョンの「Raspberry Pi Compute Module 3+(CM3+)」が発表され、同時に発売が開始されました。
スペック
比較のために前世代の「Raspberry Pi Compute Module 3」を併記します。
model | Pi CM3 | Pi CM3+ |
メーカー | Raspberry | |
発売日 | 2017/01 | 2019/01 |
価格 | 25ドル(Lite) 30ドル(4GB) | 25ドル(Lite) 30ドル(8GB) 35ドル(16GB) 40ドル(32GB) |
価格(日本円) | ||
CPU | BCM2837 (1.2GHz A53 x 4) | BCM2837B0 (1.2GHz A53 x 4) |
GPU | VideoCore IV | |
メモリー | 1GB LPDDR2 | |
サポートOS | ||
有線LAN | ||
Wi-fi | ||
Bluetooth | ||
チップ | ||
ストレージ | なし/4GB eMMC | なし/8〜32GB eMMC SD |
USB | 2.0 x 1 | |
GPIO | 48pin | |
映像 | HDMI(1.3a) MIPI-DSI x 2 (4lane + 2lane) DPI x 1 | |
カメラ | MIPI-CSI x 2 (4lane + 2lane) | |
オーディオジャック | – | |
その他インターフェース | I2C x 2 SPI x 2 UART x 2 TV DAC | |
消費電力 | ||
電源 | ||
幅 | 67.6mm | |
奥行き | 31mm | |
高さ | ||
その他 | 200pin SODIMMコネクタ |
特徴
「Raspberry Pi Compute Module」は組込み機器向けのSoM(System on Module)で、DDR2 SODIMMフォームファクターをしています。
これまでに「Raspberry Pi Compute Module(2014年6月発売)」と「Raspberry Pi Compute Module 3(CM3)(2017年1月発売)」が出ており、CM3+は2年ぶりの3代目となります。
「Raspberry Pi Compute Module 2」がないのはナンバリングを「Raspberry Pi 3」に合わせたためです。
CM3とCM3+の違いは、SoCとストレージになります。
CM3+のSoCは”BCM2837B0″で、「Raspberry Pi 3 A+」や「Raspberry Pi 3 B+」に搭載されるものと同じとなりますが、動作周波数は1.2GHzに抑えられています(元は1.4GHz)。
一番変わったところがストレージで、CM3が、なし/4GB eMMCの2モデルだったのですが、CM3+では、なし/8GB・16GB・32GB eMMCの4モデルになりました。
リリース文によると、ユーザーから最も多かったリクエストのひとつがストレージの増量だったそうです。
ヘンリー・フォードの名言「You can have any colour you want as long as it’s black(黒でさえあれば、お客様のご希望に応じます)」を引き合いに出して、「増量の範囲でご希望に応じます」と選択肢を増やすという方向に進みました。
メモリはCM3と変わらず、1GB LPDDR2のままでした。
RK3399搭載機では2GBとか4GBのメモリを搭載するものばかりなので少なく感じますが、「Raspberry Pi 3 A+」は512MB、「Raspberry Pi 3 B+」は1GBなので、特に少ないというわけではありません。
CM3+の表面です。
インターフェースは全て200pinコネクタで提供されています。
CM3+の裏面です。
上がストレージなし、下がストレージ有りです。
ストレージなしはピンだけ用意されていて、頑張れば自力で取り付けることができます。
左側のチップがメモリになります。
CM3+のブロックダイアグラムです。
電源から何からすべてコネクタからとっていることが分かります。
なお、LANチップや無線LANチップは載っていないため、通信に関してはドーターボードに依存することになります。
CM3+のリリースに合わせ、”The Compute Module Development Kit”もリニューアルされました。
キットの内容物は以下のようになっています。
ストレージなしのCM3+ Liteと32GBの2枚が入っている辺りがポイントですね。
1 × CMIO v3 breakout board
1 × CM3+/32GB Compute Module
1 × CM3+/Lite Compute Module
1 × CMCDA board (breaks in half to 1 × camera and 1 × display adapter)
2 × 22W, 0.5mm pitch, 50mm length small FFCs for the adapters
1 × USB B to USB A cable (for programming)
4 × pin header female-to-female jumper leads (20cm), to allow connecting display and camera I2C
まとめ
Raspberry Piは「私たちは営利を求めていません。子どもたちにプログラミングを教えることが目的なのです(Eben Upton)」という方針のもと低価格路線を続けており、CM3+もその例に漏れません。
CM3+ Lite:25ドル
CM3+ 8GB :30ドル
CM3+ 16GB:35ドル
CM3+ 32GB:40ドル
開発キット:150ドル?
追加の価格はだいたい安いUSBメモリやSDカードなどと同じくらいですね。
2017年、ラズベリーパイ財団創設者のEben Uptonが次期ラズベリーパイについて「Raspberry Pi 3の時代が最低でも3年、2019年迄は続く」と発言しています。
2年前の言葉なので今も有効かは分かりませんが、今年のうちに「Raspberry Pi 4」が発売される可能性はあり、当時は2019年2月ではないかと言われていました。
2018年3月の「Raspberry Pi 3 B+」でギガビットLAN(ただしUSB2.0接続なので300Mbpsくらい)と無線LAN(IEEE 802.11ac)に対応したので、残る要望でも数の多い、USB Type-Cを搭載するのではと言われていますが、現状情報は一切ありません。
「Raspberry Pi 4」にも思いを馳せながら、新しい「Compute Module」で遊んでみてはいかがでしょうか。
関連リンク
Compute Module 3+/Lite – Raspberry Pi
Compute Module 3+/8GB – Raspberry Pi
Compute Module 3+/16GB – Raspberry Pi
Compute Module 3+/32GB – Raspberry Pi
Compute Module Development Kit – Raspberry Pi
リリースノート – Raspberry Pi
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