2018年12月11日、VAMRSが機械学習向けのRockchip RK3399Proを搭載した「TB-RK3399Pro(Toybrick RK3399Pro)」を発表、2019年1月20日に予約を開始しました。
スペック
model | TB-RK3399Pro |
メーカー | VAMRS |
発売日 | |
価格 | 249ドル(3GB) 299ドル(6GB) |
価格(日本円) | |
CPU | Rockchip RK3399 Pro(6コア) (1.8GHz A72 x2 + 1.4GHz A53 x4) |
GPU | Mali-T860 MP4 |
メモリー | 3GB/6GB |
サポートOS | Android Linux |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | ○ |
Bluetooth | |
チップ | |
ストレージ | 16GB/32GB eMMC microSD |
USB | 3.0 x 1(Type-C) 3.0 x 1 2.0 x 2 |
GPIO | 40pin x 1 |
映像 | HDMI(2.1) DP(1.2) MIPI-DSI x 1 eDP |
カメラ | MIPI-CSI x 2 |
オーディオジャック | ○ |
その他インターフェース | miniPCIe PCIe x4 RS232(pin) |
消費電力 | |
電源 | DC |
幅 | 145mm |
奥行き | 106mm |
高さ | |
その他 |
特徴
“Rockchip RK3399Pro”は多くのSBC(シングルボードコンピューター)に搭載されている”RK3399″に機械学習用のNPU(Neural-network Processing Unit)を追加したものです。
このNPUは8ビットおよび16ビット演算をサポート、TesorFlow/TensorFlow lite/Caffeに対応し、処理能力は3.0TOPSとなっています。
“RK3399Pro”のスペックシート上では2.4TOPSなのですが、アップデートされたのでしょうか?
また、”RK3399″との違いは他にもあり、USB3.0が2系統から1系統に、Type-Cも2ポートから1ポートに削減されています。
“Rockchip RK3399Pro”搭載機はこれが初ではなく、Khadas「Edge-1S」が2018年11月にクラウドファンディングで登場しています。
Pine64「RockPro64」も”RK3399Pro”搭載モデルを予告していましたが、実現しませんでした。
これはもともと”RK3399 Pro”が”RK3399″互換を予定されていたのですが、その方針が変更され、”RK3399″のチップサイズが22mm×22mmなのに対し、”RK3399 Pro”は27mm×27mmとなり、再設計が必要だったためでした。
そんな”RK3399Pro”を搭載する「TB-RK3399Pro」ですが、特徴はそれだけではありません。
まず、メモリの選択肢が他のRK3399機と違い、3GBと6GBとなっています。ストレージは3GB版は16GB、6GB版は32GBです。
メモリ6GBはがじぇっとりっぷの知る限り初となります。
“Rk3399″はメモリは最大4GBとなっていますが、明らかにオーバーしています。
NPUが512MB以上の専用RAMを必要とするために、搭載可能容量を増やしたのではないかと推測されますが、記事執筆時点で公式データシートなどは見つかりませんでした。
正直4GB以上の搭載は怪しいなぁと思うのですが、実際それで予約販売されているわけですし、同じく”RK3399Pro”を搭載し、8GBメモリを搭載する「Rock960 Enterprise Edition」の計画がありましたので、4GB以上搭載可能となる可能性は高そうです
「TB-RK3399Pro」のインターフェースです。
「TB-RK3399Pro」で不思議なのが、PCIe x4スロットとminiPCIeスロットを備える点です。
“Rk3399″はPCIe2.1が4レーン(x4)で、”Rk3399 Pro”で増えたという話は聞かないので、内部的にはx2+x2で割り振っているのでしょうか?
それ以外は標準的な”RK3399″機と変わりありません。
Wi-fiについての記載がないのですが、画像にはモジュールが載っており、アンテナ端子がひとつ付いているので、802.11ac
(1×1)ではないかと思われます。
サイズは145mm×106mmとかなり大柄です。
クレカ2枚分で大きいと言われた「ROCKPRO64」で133mm×80mmなので、更に一回り大きいですね。
パッケージには電源アダプタとアクリルケースが含まれています。
アクリル板はピンの部分が削られているので、GPIOを使用する際にも邪魔にはなりません(PCIeは延長ケーブルが必要そうですが)。
まとめ
VAMRSは「Rock960」や「Sapphire Excavator Board」を手がけたSBCメーカーで、96rocks.comの運営元でもあります。
最初の”RK3399Pro”機となったKhadas「Edge-1S」はファンディングが終了した現在もステータスが”開発中”となっており、実際に手にできる製品としては「TB-RK3399Pro」が初となりそうです。
その「TB-RK3399Pro」の価格ですが、3GBメモリ+16GB eMMCで249ドル(約27,300円)、6GB+32GBで299ドル(約32,800円)となっています。
SBCとしてみた場合はちょっと高額な部類に入りますが、機械学習系の開発用としては安いんじゃないかと思います。
関連リンク
TOYBRICK RK3399PRO BOARD IS PRE-ORDER NOW – リリースノート
Rockchip Toybrick RK3399PRO Board – 販売ページ
RK3399Pro プロダクトページ – Rockchip
Rockchip RK3399 Datasheet – Rockchip wiki ※pdf
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