2019年1月19日、SBC(シングルボードコンピューター)メーカーの一つであるShenzhen Xunlong Softwareが、「AllWinner H6」を搭載したSBC「Orange Pi 3」を発売しました。
スペック
model | Orange Pi 3 |
メーカー | Xunlong |
発売日 | 2019/01 |
価格 | 29.9ドル(1GB mem) 34.9ドル(2GB mem) |
価格(日本円) | |
CPU | AllWinner H6 V200(4コア) (1.8GHz A53 x 4) |
GPU | Mali-T720 MP2 |
メモリー | 1GB/2GB LPDDR3 |
サポートOS | Android 7.0 Ubuntu Debian |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | 802.11ac (1×1) |
Bluetooth | 5.0 |
チップ | RTL8211 AP6256 AXP805 |
ストレージ | microSD 8GB eMMC(オプション) |
USB | 3.0 x 4 2.0 x 1 |
GPIO | 26pin x 1 |
映像 | HDMI(2.0a 4K/60Hz) |
カメラ | |
オーディオジャック | ○ mic x 1 |
その他インターフェース | mPCIe IR receiver |
消費電力 | |
電源 | DC 5V/2A |
幅 | 90mm |
奥行き | 64mm |
高さ | |
その他 | 重量:75g |
特徴
「Orange Pi 3」には中国広東省珠海市の珠海全志科技股份有限公司(Allwinner Technology Co. Ltd.)が開発しているH6プロセッサが搭載されています。
アーキテクチャとしてはCortex A53を4コア搭載しており、Rockchip社の「RK3328」やAmlogic社の「S905X」と同じ構成となります。
とはいえ、動作周波数は「AllWinnner H6」のほうが高く、グラフィックチップも新しい物を使っているので、全体性能としては「RK3328」や「S905X」よりやや高くなっています。
要は「Rock64 Media Board」相当ということです。
「AllWinnner H6」の構成図です。
注目するのは左下で、PCIe2.0の記載があります。
とはいっても1レーンのみなので、PCIe2.0 x1スロットかminiPCIeまでとなります。「Orange Pi 3」ではminiPCIeスロットを採用しています。
そんな「AllWinnner H6」を搭載した「Orange Pi 3」ですが、大きさは90mm×64mmとクレジットカード(85.60mm×53.98mm)からはみ出す程度の大きさとなっています。
はみ出すといっても画像を見ての通り端子部分がカウント外なので、実際は一回り大きいくらいになりそうです。
「Orange Pi 3」のユニークな点はタイトルにもあるとおり、USB3.0が4ポートあることです。
これはボード上にUSB3.0のハブ用チップを搭載することで実現しています。そのため、全ポート同時に5Gbpsでの送受信が行えるわけではありません。
それでもHDD(100〜150MB/s=800〜1200Mbps)を4つ繋いでも全てフル速度でデータのやり取りが可能です。
ネットワークには有線はギガビットLANポート、無線は802.11 ac対応です。アンテナが1本なので、最大433Mbpsですね。
最近はアンテナ2本の最大866Mbpsも増えてきていますが、そうしなかったのはコストとの関係でしょうか?
eMMCはオプション(+5ドル)となっています。
8GBということでOSを入れるには十分ですが、データはmicroSDカードかUSBストレージに入れる必要がありそうです。
eMMCの上にはmPCIe(miniPCIe)スロットがあり、Wi-fiカードやmSATAボードなどが使えそうです。
GPIOはRaspberry Pi互換の40pinではなく、26pinとなっています。
何気にMIPI CSI/DSIを持っていないので、カメラはUSBのみとなります。というか、USBがいっぱいあるから無理に入れなかったんじゃないかと思います。
変わっているのが電源で、DCジャックとmicroUSBの両対応となっています。
ちなみに画像の上側にIR(赤外線)レシーバーが付いているので、水平に置いた場合はHDMIなどの端子類が背面になるのでしょうか。
まとめ
USB3.0が4ポートあるSBCとしては他に「NanoPi M4」がありますが、「NanoPi M4」は「RK3399」を搭載しており、相応の価格(65ドル〜)がします。
それに対して「Orange Pi 3」はメモリ1GBでは半額以下の29.9ドル(約3,300円)、2GBモデルでも34.9ドル(約3,800円)、8GB eMMC付きは+5ドルと、セルフパワータイプのUSBハブくらいの値段となっています。
ACアダプタ(もしくはUSB充電器)は別売りですが、USB HDDをNAS化するのであれば、これ以上の選択肢はないと思います。
コメント
>変わっているのが電源で、DCジャックとmicroSDの両対応となっています。
microUSBでは?
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。microSD給電はおかしすぎますねw