2025年9月2日、ミニPCメーカーのGEEKOMは、クラウドファンディングサイトのKickstarterにてRyzen AI Max+ 395を搭載したミニPC「A9 Mega」のファンディングを開始しました。
9月4日までの3日間限定でSuperEarlyBird価格となっています。
GEEKOM A9 Mega-The Most Powerful Mini PC on Earth:Kickstarter
スペック

| ■ A9 Mega | |
| CPU | Ryzen AI Max+ 395 |
|---|---|
| メモリ | 128GB LPDDR5x-8000 |
| ストレージ | 2TB Gen4 SSD |
| インターフェース | Type-C(USB4)×2 Type-C(Gen2)×2 USB 3.2 Gen2×3 USB 2.0×1 HDMI 2.1×2 2.5GbE 有線LAN×2 SDXCカードリーダー オーディオジャック |
| wi-fi | Wi-fi 7/BT5.4 |
| 電源アダプタ | 330W |
| サイズ | 171×171×70.9mm |
特徴
「A9 Mega」は、国内ではGMKTek「EVO-X2」、HP「Z2 Mini G1a」、Beelink「GTR9 Pro」に次ぐ、4機種目のRyzen AI Max+ 395搭載ミニPCとなります。



ノートPC/タブレットPCまで含めると、ASUS「ROG Flow Z13 (2025) GZ302」やHP「ZBook Ultra G1a」もありますね。
CPU
「A9 Mega」のCPUは、Ryzen AI Max+ 395。
コードネームはStrix Haloで、16コア32スレッドのZen5アーキテクチャCPUに、40CU(コンピュートユニット)のRDNA3.5グラフィックスで構成されるRadeon 8060Sを内蔵しています。
また、NPUとして50TOPSのXDNA2を内蔵。全体では126TOPSとされています。
Ryzen AI 9 HX 375が16CUなので、単純計算で2.5倍のグラフィック性能となります。
Ryzen 7 8845HS(12CU)比だと、3.3倍ですね。
TDPは55W、cTDPは45~120Wです。
CPU性能はTDP55Wながら、名だたるデスクトップ向けCPUと並んでいます。
デスクトップ向けコアをモバイル向けにパッケージングしたRyzen 9 7945HXには(おそらく電力配分の関係で)やや及びませんが、モバイル向けCPUとしては圧倒的な性能と言えるでしょう。
圧巻なのが、グラフィック性能。
ざっくりですが、デスクトップ向けのRTX 3060とRTX 4060の間、RTX 4060寄りのスコアを叩き出しています。
CPU内蔵グラフィックとしては断トツの性能ですね。
さらに、Ryzen AI Max+ 395はLPDDR5Xのみの対応。換装不可のデメリットと引き換えに、256GB/sのメモリ帯域幅を実現したユニファイドメモリを採用、最大96GBまでをVRAMとして割り当てられます。
つまり、VRAM量が重要要素であるLLM(Large Language Model、大規模言語モデル)において、大きなアドバンテージを持っています。
最近はのLLMは上位モデルだと70bや120bといった、メモリを70~100GBくらい必要とするモデルも増えています。
現状でこれらの大型LLMモデルを動作させることができるのはNVIDIA H100(VRAM 80GB、約500万円)、RTX 6000 Blackwell(VRAM 96GB、約150万円)、Macbook Pro(ユニファイドメモリ128GB、約75万円)、Mac Studio(ユニファイドメモリ96~512GB、約67~150万円)、そしてRyzen AI Max+ 395搭載機だけです(もう少しするとAI特化のNVIDIA DGX Sparkが登場します)。
LLMの実測については、Beelink調べでQwen 32b Q8/LM Studioで6.23tok/sとされています。
画像生成AIはAmuseで1536×1024が1.4sとのこと。
メモリとストレージ
メモリは128GBのLPDDR5X-8000。CPU側の制限いっぱいの性能です。
上でも書いていますが、Ryzen Al Max+ 395はメモリ帯域幅を確保する(8チャンネルで動作)ために、オンボードメモリオンリーです。
ストレージは2TBのGen4 SSD。
内部的にはデュアルGen4 SSDに対応しています。
GEEKOMは基本的に2280+2242のデュアルSSDなのですが、 「A9 Mega」は筐体が大きいためか、デュアル2280となっています。
その他
無線LANはWi-fi 7(802.11be)に対応。チップは不明ですが、Bluetoothはv5.4なので、RZ717(MT7925)と予想。RyzenとIntel系Wi-fi 7チップは相性が悪いので、Intel BE200はないと思います。
有線LANはデュアル2.5GbE。
電源は330Wの電源アダプタ。
外観

本体。
「A7」などと共通する、アルミ合金製筐体です。

サイズは171×171×70.9mmで、「GTR9 Pro」の180×180×90.8mmより半回り小さくなっています。

USB 3.2 Gen2×2
Type-C(Gen2)×2
SDXCカードリーダー
電源ボタン(指紋リーダー内蔵)
オーディオジャック
Type-C(USB4)×2
HDMI 2.1×2
2.5GbE 有線LAN×2
USB 3.2 Gen2×1
USB 2.0×1
インターフェースはデュアルUSB4にデュアル2.5GbEなど。
HDMIとUSB4が左右に分かれるのがGEEKOMの特徴です。
また、前面にUSB 3.2 Gen2が4ポートもあるのがポイント。カードリーダーはSD4.0対応とあるので、UHS-IIも読めるのかな?カードリーダーはあまり言及がなく、詳細は不明です。

内部イメージと冷却。
かなり分厚いデュアルファンを採用していますが、吸気口のある底面と、ファンのあるボード上部の間が狭く、エアフローは良くありません。
力業(高回転)で吸引する形なので、おそらく騒音面では「GTR9 Pro」に劣るものと思われます。

吸気口も底面の斜めの部分だけなので、底面の大半に吸気ホールが開いていた「GTR9 Pro」と比べると、やっぱりエアフローは厳しそう…
まとめ
「A9 Mega」の価格は、9月4日まで1899ドル(約28.3万円)。9月5日以降の価格は提示されていませんが、定価は2099ドルとなっています。
配送先が地域限定となっていますが、配送対象10か国に日本は含まれています。
バッカー(出資者)が300人を超えたら、ゲーミングコントローラーがおまけで付くとのこと。
比較的コンパクトなサイズ感や3年という長期保証、330Wの電源アダプタなので消費電力的に余裕があるのはプラスポイントですし、アルミ筐体の出来の良さは「A7」で体験済みなので、そこは保証できます。
一方で、前述のように騒音面で不安があること(GEEKOM製品は全般的に割とうるさめ)、電源アダプタの画像がなく、結構な大きさのアダプタが外出しになりそうなことなどはマイナスポイントです。
個人的には静音性の高そうな「GTR9 Pro」の方が好みですが、こっちはこっちでUSBが少ないという問題が…
結局は自分の使い方に合っていそうなものを選ぶべきでしょう。
ちなみに性能とは関係ない話ですが、Ryzen AI 9 HX 370搭載の「A9 Max」と名前が紛らわしいのが個人的マイナスポイントだったり。
関連リンク
GEEKOM A9 Mega-The Most Powerful Mini PC on Earth:Kickstarter
GEEKOM A9 Mega:GEEKOM
GEEKOM A9 Max:GEEKOM



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