前回の記事で「ThinkPad E485」を紹介しましたが、ThinkPadシリーズでは2018年5月14日(日本時間)のRyzen PRO製品発表時に「ThinkPad Aシリーズ」としてRyzen Mobile PRO搭載の「ThinkPad A285/A485」を発表しています。
※2018年7月23日、「ThinkPad A485」が国内で発売されました。販売ページはこちら
※2018年9月19日、「ThinkPad A285」が国内で発売されました。販売ページはこちら
スペック
メーカー | Lenovo | |
名称 | ThinkPad A285 | ThinkPad A485 |
CPU | Ryzen 7 PRO 2700U Ryzen 5 PRO 2500U Ryzen 3 PRO 2300U | |
メモリ | 4GB | 不明(4GB?) |
メモリ規格 | DDR4 | DDR4-2400 |
メモリ増設 | 最大16GB | 最大32GB |
2.5inch | × | 500GB HDD |
M.2 | 〜512GB(PCIe) | |
画面 | 12.5インチ | 14.0インチ |
解像度 | 1366*768 1920*1080 | |
ベゼル幅 | 太 | |
表面 | ||
タッチ対応 | △ | |
グラフィック | Radeon Vega 10 Radeon Vega 8 Radeon Vega 6 | |
光学ドライブ | – | |
USB2.0 | – | |
USB3.0 | 2(Gen1) | 1(3.0) 1(Gen1) |
USB3 type-c | 2 | 2(Gen1) |
USB PD | ○ | |
HDMI | 2.0 | |
LANポート | × | ○ |
wi-fi | 802.11ac(2×2) | |
Bluetooth | 4.2 | 4.1 |
office | ||
カードリーダー | microSD | 4-in-1 |
Webカメラ | 720p | |
赤外線カメラ | △ | × |
NFC | × | |
指紋センサー | ○(タッチパッド右) | △ |
Windows Hello | ○ | △ |
オーディオジャック | ○ | |
マイク | デュアル | |
スピーカー | ステレオ | |
スピーカー位置 | 底面 | 底面手前 |
サウンド | Dolby Audio™ Premium | |
バッテリー | 不明 | 48WHr |
稼働時間 | 10.2Hr | 10.7Hr |
ACアダプタ | ||
充電時間 | ||
急速充電 | 60分80% | |
幅 | 307.7mm | 336.6mm |
奥行き | 209.8mm | 232.5mm |
高さ | 17.4mm | 19.95mm |
重量 | 1.13kg(非タッチ) 1.27kg(タッチ) | 1.58kg |
開口角度 | 180° | 180° |
カラー | ブラック | ブラック |
その他特徴 | ドッキングポート スマートカードリーダー nanoSIM | ドッキングポート スマートカードリーダー |
特徴
「ThinkPad A285/A485」は同シリーズ、同時発表ながらただのサイズ違いではなく、中身は全く異なっています。
共通
「ThinkPad A285/A485」はRyzen PRO製品発表時のラインナップに並んでいたことからわかるように、Ryzen PRO Mobileを搭載しています。
Ryzen Pro Mobileは現在3モデルが発表されており、「ThinkPad A285/A485」はともに3モデルが選択できるようです。
・Ryzen 7 PRO 2700U/Radeon Vega 10 Graphics
・Ryzen 5 PRO 2500U/Radeon Vega 8 Graphics
・Ryzen 3 PRO 2300U/Radeon Vega 6 Graphics
通常のRyzen Mobileの最下位にあたる、Ryzen 3 2200U/Radeon Vega 3 Graphics に対応するPROモデルは発表されていません。
なお、前世代にあたる「ThinkPad A275/A475」に搭載されていたのは”AMD A-10 9700B/A12 9800B”と、ベンチマークで言えば半分程度のスコアのCPUでした。
もうひとつの共通項目として、ThinkPadドッキングステーションに対応していることが挙げられます。
スペック表には”Thunderbolt USB-C side mechanical docking port”と書かれていて一瞬「おっ?」となりますが、後述するインターフェース部にはThunderboltを示す稲妻マークはないんですよね…
そのThinkPadドッキングステーションはType-Cポート2つと独自規格のコネクタの計3つの端子を使って接続します。
この独自規格コネクタ(画像の一番左の角ばった端子)がThunderboltと説明されていますが、これまでRyzen Mobile搭載ノートでThunderboltが搭載された例がないので、原理的にはThunderboltと同じ仕組み(PCIeレーンに直結)なだけとかじゃないかと思っています。
まぁ本当にThunderbolt3だったとしても、独自規格なので他につなげるものがありませんが。
ThinkPad A285
「ThinkPad A285」は、「ThinkPad A275」の後継となりますが、上述の通り、CPUの性能が倍程度に上がっています。
「ThinkPad A275」ではIntel版の筐体を流用した結果、熱設計に無理があったため、「ThinkPad A285」では筐体を新規に設計しているとのこと。
このあたりが「ThinkPad A485」と大きく違ってくる原因じゃないかなと思います。
正面画像です。いかにもThinkpadらしい見た目ですが、注目すべきはカメラ部分です。
ここが新設計の影響を一番受けたところだと思いますが、赤外線カメラかThinkShutter(物理的な蓋)かの選択ができます。
Ryzen Mobile搭載ノートは総じてディスプレイのベゼルが太く、「ThinkPad A285」もその例に漏れず幅が307.7mmとなっています。
「Ideapad 720S」が305.9mmなので、13.3インチノートよりも幅があることになってしまいます。
毎度思うのですが、こればっかりはなんとかしてほしいなぁと。
- USB-C
- Thunderbolt USB-C side mechanical docking port
- USB 3.1 Gen1
- HDMI
- オーディオジャック
- スマートカードリーダー
- USB3.1 Gen1
- ケンジントンロック
- nanoSIMスロット/SDカードリーダー
インターフェースです。構成は前世代の「ThinkPad A275」からガラリと変わり、「ThinkPad X1 Carbon」に近くなっています。
HDMIのバージョンは不明ですが、1.4bか2.0でしょう。なんとなくですが、1.4bな気がします。
※2018年9月17日追記:コメントをいただきました。「ThinkPad A485」のHDMIは2.0とのこと。なお、「ThinkPad A285」は米国サイトでHDMI 1.4との記載がありました。
※2018年11月2日追記:いつのまにか「ThinkPad A285」のHDMIが2.0に修正されていました。
参考までに、上の画像が「ThinkPad A275」のインターフェースです。全然違いますね。
キーボードです。英字ですが、使いやすそうなレイアウトをしています。
「Ideapad 720S」の”コストカットレイアウト”とは大違いです。
行き場所がなかったのか、電源ボタンがヒンジのすぐそばにありますが、この位置であれば押し間違うことはないでしょう。
ディスプレイは180度開きます。裏面は吸気口(四角いスリット)とスピーカー(下部の左右にある細長いスリット)だけでシンプルです。
「ThinkPad A275」ではバッテリー交換が可能で大容量バッテリーを選択することもできましたが、「ThinkPad A285」ではそのオプションはなさそうです。
ThinkPad A485
「ThinkPad A485」は「ThinkPad A475」の筐体を流用しているため、設計が古くなっています。
そのため、カメラ部はThinkShutterのみで赤外線カメラのオプションはありません。
- オーディオジャック
- USB 3.0
- HDMI
- USB 3.1
- Ethernet RJ45
- 4-in-1 カードリーダー
- ケンジントンロック
- USB-C
- Thunderbolt USB-C side mechanical docking port
- スマートカードリーダー
サイドから見た雰囲気は「ThinkPad A275」よりは新しく「ThinkPad A285」よりは古いと言ったところでしょうか。
最近のトレンドは前半分を薄くして「ThinkPad A285」のようなくさび形もどきにするノートPCが多いのですが、「ThinkPad A485」はまだ角ばっています。
フルサイズLANポートがあるのはビジネスノートとしては正しいのですが、USBが3.0と3.1混在しているあたりがどことなく古い感じです(基盤は新規に設計していると思うのですが…)。
正面です。前述のとおりカメラ周りは赤外線カメラがないためにシンプルです。
キーボードレイアウトは「ThinkPad A285」と同じです。電源ボタンが「ThinkPad A285」よりは使いやすいところに移動しています。
キーボードの右側に指紋リーダー(オプション)があるのが見えます。
あまり見かけない位置ですが、右小指を登録しておくと、ホームポジションに手を置きながらロック解除ができそうです。
背面です。バッテリーが取り外しできるため、大容量バッテリーのオプションが用意されるものと思われます。
まとめ
それぞれ特徴のある「ThinkPad A285/A485」ですが、現在のステータスは米国サイトで”Coming Soon”となっており、発売はまだ先となります。
日本には遅れてやってくるので、年末に発売されればマシな方じゃないでしょうか。
「ThinkPad Aシリーズ」は軽量ビジネスノートと位置づけられ、現行の「ThinkPad A275」は64,519円(定価111,240円の42%オフ)から、「ThinkPad A475」は73,224円(定価122,040円の40%オフ)からとなっています。
在庫処分にかかっているような、でもLenovoなら通常営業といえそうな判断に困る割引率なので基準にしづらいのですが、「ThinkPad A285/A485」が発売されれば同じくらいの定価で20%オフ(9〜10万円)あたりが標準価格になるんじゃないかと思います。
ベゼルの太さがネックではありますが、ThinkPadドッキングステーションも使えますし、発売されれば日常用途にもビジネス用途にもおすすめできる一台となりそうです(特に「ThinkPad A285」)。
コメント
A485ですがHDMI2.0でした。
情報ありがとうございます。
記事内に追記いたしました。
A285もHDMI 2.0ではないですか?
https://www.lenovo.com/us/en/laptops/thinkpad/thinkpad-a-series/A285/p/22TP2TAA285
コメントありがとうございます。
以前はHDMI1.4と記述されていたのに、いつの間にかHDMI2.0になっていますね…記事を修正いたしました。
(なので海外のPC系ニュースブログもHDMI1.4と書かれています)