SBC(シングルボードコンピューター)メーカーのHardkernelが2018年6月18日、32ドルのゲームボーイライクなキット「ODROID-GO」を発表、発売しました。
スペック
今回はいつもほど情報が出ていないので、公式サイトの仕様表を日本語化したものを掲載しています。
MCU | Custom ESP32-WROVER(16MiB Flash Memory) | |
CPU & RAM | 80MHz – 240MHz(Adjustable) 4MB PSRAM | |
Wi-Fi | 802.11 b/g/n 2.4GHz – 2.5GHz | |
Bluetooth | Bluetooth v4.2 BR/EDR, BLE | |
ディスプレイ | 2.4インチ 320×240 TFT LCD (SPI interface) | |
バッテリー | リチウム電池 3.7V/1200mAh ゲームプレイ時 最大10時間 | |
スピーカー | 0.5W/ 8Ω Mono | |
ストレージ | microSD | |
拡張ピンヘッダ | 10pin : I2C, GPIO, IRQ at 3.3Volt | |
ボタン | メニュー、ボリューム スタート、セレクト、A、B、十字キー | |
USB | microUSB 充電(500mA)、 USB-UARTデータ転送 | |
大きさ | 76x121x16mm(assembled) |
パッケージ
パッケージに含まれるものは以下の14種類です。
A. ODROID-GO 基盤
B. ケース(前面)
C. ケース(背面)
D. 2.4インチLCDモジュール
E. 十字キーボタンゴム
F. A/Bボタンゴム
G. スタート/セレクト/ボリュームボタンゴム x2
H. 0.5Wモノラルスピーカー
I. 10pinヘッダ
J. ネジ x10
K. LCD枠
L. ボタンセット
M. MicroUSBケーブル
N. 1200mAh Li-ionバッテリー
組立後はこんな感じ。クリア素材なのでバッテリーとかが丸見えです。
特徴
見ての通り、いわゆるポータブルゲームエミュレータです。公式では以下のゲームエミュレータをサポートすると謳っています。
・ゲームボーイ
・ゲームボーイ カラー
・ゲームギア
・NES(ファミコン)
・セガ マスターシステム
ただのゲームエミュレータであれば、古くはDINGOO DIGITAL製「A-320」あたりが有名でしょうか。
表向きはメディアプレイヤーとして売られていましたが、見ての通り、どう見てもポータブルゲーム機です。
スペック的にも今回紹介している「ODROID-GO」と同等で、バッテリーは1.5倍の1800mAhです。
2008年末頃の発売とほぼ10年前の製品なので、充電がminiUSBだったり、ストレージがminiSDカードだったりします。
最近でもスペックアップしたコピー品が出回っているようですが、本題ではないので割愛します。
話を戻して「ODROID-GO」です。microSDになっていたりWi-fiが搭載されてはいても根本の部分は10年前のポータブルゲームエミュレータと同等スペックなわけですが、そこはSBCメーカーが手掛けるだけあってそれだけではありません。
頭にヘッダピンが生えています。これはMCU(メモリコントロールユニット、要はCPU)のもつ38ピンのうち10ピンを外だししているものです。
残りはLCDとかボタンに割り当てられています。
なお、10pin目のVBUS(5V)は、USBから電源をとっている時のみ使えます。
Arduino互換のため、環境モジュールとか超音波測距計とかを繋いで使うことができます。
また、bluetooth経由でシリアル接続が可能なので、その場でプログラムの書き換えもできます。
ブロックダイアグラムを見る限り、USBからもシリアル接続できそうですが、特に記載がありませんでした。
公式サイトではこれらArduinoの使い方を学ぶ12日間のプログラムが案内されており、比較的な説明がされています。
がじぇっとりっぷ的にはこちらのArduinoがメインで、いくつかのモジュールと合わせて持ち歩くことで、ポケットサイズの簡易汎用測定器扱いができるんじゃないかなぁと。
SBCは数あれど、キットにバッテリーまで含まれているものってそんなにありませんし、ここまで低スペック・省電力なものは最近では珍しいので、何かしらの使いどころはありそうです。
まとめ
ODROID 10週年記念として登場した「ODROID-GO」ですが、教育用にも使えるゲームキット(公式がそう謳っています)です。
ゲームメインではあるのでしょうが、そこは使い方次第で、使いこなせればそこそこ有用なんじゃないかなぁと思います。
組み立て方やArduinoを使う手順などはwikiにまとめられており、読みながら実践すれば基本的な使い方は割と簡単に身につきそうです。
32ドル(約3500円)と安価ですし、遊んでみるにはちょうどいいのではないでしょうか。
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