ブログがマニアックな方向に突き進んで抜けだせません、がじぇっとりっぷ(@gadgetrip)です。
本日の記事は2月6日に発表されたばかりの韓国Hardkernel社が開発する「ODROID-N1」です。
価格は110ドルと、がじぇっとりっぷの勝手掲載基準の100ドルを超えていますが、特徴が特徴なので記事にすることにしました。
※2018年6月25日追記:開発中止が発表されました。中止の理由はメモリ供給元のSamsungとHynixが1GB DDR3メモリチップの生産を終了したため、メモリ4GBが実現できなくなったためだそうです。
Hardkernel社は2011年よりSBC(シングルボードコンピューター)を発表しており、昨今のSBC界隈で主流のRaspberry Pi(初代は2013年)スタイルにとらわれないボードを多く発表しています(時々Raspberry Piスタイルも出していますが)。
今回発表の「ODROID-N1」も90mm×90mmと全く互換性のない形状です。
スペック
model | ODROID-N1 | ODROID-N1-Lite |
メーカー | Hardkernel | Hardkernel |
発売日 | ||
価格 | $110 | $75 |
価格(日本円) | ||
CPU | Rockchip RK3399(6コア) (2GHz A72 x2 + 1.5GHz A53 x4) | |
GPU | Mali-T860 MP4 | |
メモリー | 4GB DDR-1866 | 2GB DDR-1866 |
サポートOS | Ubuntu 18.04 Debian 9.3 Android 7.1 | |
有線LAN | 1GbE x 1 | |
Wi-fi | – | |
Bluetooth | – | |
チップ | ||
ストレージ | eMMC5.0 microSD | |
USB | 3.0 x 2 2.0 x 2 | |
HDMI | HDMI(2.0 4K) | |
オーディオジャック | – | |
GPIO | 40pin x 1 | |
その他インターフェース | SATA3 x2 | |
消費電力 | ||
電源 | DC 12V/2A | |
幅 | 90mm | |
奥行き | 90mm | |
高さ | 20mm |
特徴
冒頭でも述べたとおり、「ODROID-N1」は90mm四方と他のSBCとは異なる形状をしています。
身近なもので測ったところ、スライスチーズが85mm角、納豆の容器が100mm角だったので、だいたいそのくらいの大きさと思ってください。
mouseの「MousePro C100PV」が70mm×70mm(牛乳パックが70mm角でした)なので、それより一回り大きいですが手のひらサイズであることには変わりません。
「ODROID-N1」の一番の特徴はなんといってもSATA3ポートを2つ備えていることでしょう。
SATAポートはRK3399のPCIeに接続されており、同じSoCを搭載するRockPro64ではSATAポートではなくPCIe 4xスロットとなっています。これだけならRockPro64にSATA変換ボードを取り付ければいいようにも思えますが、「ODROID-N1」にはSATA用の電源も備えています。
現在の開発版では3.5インチHDDを動かすには電力が足りないものの、量産版では動かせるようにするということなので、ボード単体で完結したシステムが構築できそうです。
3.5インチHDDを動かすには12V/4Aが必要になるとのことなので、電源周りは変更があるかもしれません。
「ODROID-N1」に搭載されているSoCはRockChip社のRK3399で、チップとインターフェース類の接続が分かりやすく図にされています。
Hardkernel社の前機種「ODROID-XU4(2015年7月発売)」と比較してもシングルコアあたりの性能は20〜30%向上しています(XU4は8コアなので総合性能はほぼ同等ですが)。
Raspberry Pi3とは比較になりません。
ビッグコア(シングル)の比較です。「ODROID-N1」はCortex-A72、「ODROID-XU4」はCortex-A15です。
なお、Wi-fiおよびBluetoothについては言及がないので、搭載していないものと思われます。とはいえ、2.0と3.0合わせてUSBポートが4つあるので、USBアダプタで賄ってもいいと思います。
「ODROID-N1」の表と裏です。裏面にeMMCソケットとmicroSDスロットがあるのが分かります。microSDはUHS対応です。
まとめ
RockChipはgithubで自社製品向けに調整したLinuxコードを出しており、dockerを動かすこともできるようで、まさに”遊べるボード”といえます。
そんなROckChipのRK3399搭載ボードは「ODROID-N1」「RockPro64」の他にも「Firefly-RK3399」「Orange Pi RK3399」「ROCK960」など特徴のあるものが揃っています。
自作NASを作るのに良さげな「ODROID-N1」ですが、その価格は110ドルと決して安いものとは言えません。
75ドルのモデルもありますが、メモリが2GBになり、SATAポートが削除されているのであまり面白くはなさそうです。
現在はデバッグ部隊に配布されてブラッシュアップを行っている段階で、いつ発売になるかはアナウンスされていません。
3.5インチではなく2.5インチHDD/SSDを接続すれば非常にコンパクトなNASとなりそうで、今後も動向を注目したい製品ですね。
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