最近ガジェットらしいものを扱っていない気がします、がじぇっとりっぷ(@gadgetrip)です。
本日紹介するのはAtom Eシリーズを搭載したCompulabのミニPC「Fitlet2」です。
このPC、実は発売は2017年11月でして、リリース情報を”後で読む”に放り込んだまま忘れ去っていました。
“後で読む”を整理していた際に記事を見つけて、見てみたら面白いPCだったのでこうして記事にした次第です。
スペック
メーカー | Compulab | ||
型番 | fitlet2 E3950 | fitlet2 E3930 | fitlet2 J3455 |
価格 | 183ドル | 154ドル | 161ドル |
発売日 | 2017/11 | ||
幅 | 112mm | ||
奥行き | 84mm | ||
高さ | 24/35mm | ||
容量 | 0.226/0.33L | ||
CPU | Intel Atom x7-E3950 | Intel Atom x5-E3930 | Intel Celeron J3455 |
CPU世代 | Apollo Lake | ||
ベース周波数 | 1.6GHz | 1.3GHz | 1.5GHz |
バースト周波数 | 2.0GHz | 1.8GHz | 2.3GHz |
グラフィックチップ | HD 505 | HD 500 | HD 500 |
コア/スレッド数 | |||
TDP | 12W | 6.5W | 10W |
チップセット | |||
メモリインターフェイス | SO-DIMM DDR3 1866 | ||
メモリスロット | 1 | ||
メモリ最大 | 16GB | ||
ECC対応 | × | ||
ストレージ | × | ||
SATAポート数 | × | ||
M.2 | Key M Key E | ||
mSATA | × | ||
USB2.0(内部) | × | ||
USB2.0(外部) | Rear x 2 オプションで追加可 | ||
USB3.0(内部) | × | ||
USB3.0(外部) | Front x 2 | ||
USB type-C | × | ||
SDカード | Front x 1(microSD) | ||
LAN | 1Gb x 2(Intel i211) オプションで追加可 | ||
Wi-fi | オプション | ||
Bluetooth | オプション | ||
D-Sub | × | ||
DVI | × | ||
HDMI | Rear x 1(1.4) | ||
4K対応 | 4K/30Hz | ||
DisplayPort | Rear x 1(miniDP1.4) | ||
シリアルポート | Rear x 1(RS232,mini) | ||
S/PDIF | × | ||
オーディオジャック | Front x 2(in/out) | ||
サウンドチップ | Realtek ALC1150 | ||
光学ドライブ | × | ||
PCI-Eスロット | × | ||
eSATA | × | ||
赤外線 | × | ||
Optaneメモリ対応 | × | ||
最大消費電力 | |||
電源 | 9-36V | ||
ノイズレベル | 0dB(Fanレス) | ||
VESA | 75×75,100×100 | ||
付属品 | |||
その他 | Extentionカードで機能追加可能 |
インターフェース
特徴
「Fitlet2」はガワがニ種類ありまして、箱型の「Low power housing」は高さ25mm、上部がヒートシンク状になった「Performance housing」は高さが34mmとなります。
フットプリントが112mm×84mmと、NUCの規格(マザーボードのサイズが101.6mm×101.6mm)よりも小さくなっています。
搭載するCPUはAtom x7-E3950/x5-E3930およびCeleron J3455です。これらのCPUは2016年10月に発表された「Apollo Lake」世代ののIoT向けSoC(CPU本体に加えて周辺チップセットも内包したチップセット)となっています。
SoCとインターフェースの接続は以下のようになっています。
その性能はPassmarkのスコアでいうと以下のようになります(数値はシングルコア性能、マルチコア性能の順)。
Atom x7-E3950(1.6GHz):709、2034
Atom x5-E3930(1.3GHz):557、811
Celeron J3455(1.5GHz):781、2138
Atom x5-z8300(1.44GHz):389、1202
一見Celeron J3455が一番良いように見えますが、Celeron J3455はデスクトップ向け、Atom x7-E3950は組み込み向けと方向性が違います。
一番大きな違いは耐熱性で、J3455が105℃までに対し、x7-E3950は110℃までとなっています。
また、グラフィックも違っていて、J3455はHD500、x7-E3950はHD505です。HD505はユニット数がHD500の1.5倍となっているのでグラフィック面ではAtom x7-E3950のほうが上と言えます。
今回はスロットがひとつしかないので関係はありませんが、Atom x7-E3950は4枚までのメモリに対応していることも違いです(Celeron J3455は2枚まで)。
「Fitlet2」はマザーボードの裏面にM.2 M-keyスロットとM.2 E-keyスロットが並んでいます。ここに直接Wi-fi/BTカードやSSDを接続してもいいのですが、拡張ボード(公式サイトではFACET-Cardと呼んでいます)を使うことで使い方を大きく変えることができます。これが「Fitlet2」の一番大きな特徴でしょう。
拡張ボードは今のところ4種類あります。
・dual Gbit Ethernet
・4x USB 2.0
・miniPCIe + micro SIM + M.2 E-key + M.2 M-key 2280
・M.2 B-key + micro SIM + M.2 E-key + M.2 M-key 2280
dual Gbit Ethernetボードを用いるとLANポートが2つ追加されます。LANポートの追加位置は側面になります。E-keyスロットを使うので、Wi-fiカードは使えなくなります。M-keyスロットは使わないのでM.2 SSDは使えます。
4x USB 2.0はそのままです。こちらもE-keyスロットを使うので、Wi-fiカードは使えなくなります。
miniPCIe + micro SIM + M.2 E-key + M.2 M-key 2280は、画像はありませんが、E-key、M-key両方を使ったボードです。ボード上にもE-key、M-keyがあり、miniPCIeとmicro SIMが追加される形になります。
miniPCIeにモデムカードを接続することで3Gや4G(LTE)対応(ただし公式サイトで販売されているのはアメリカ・ヨーロッパ地域向けのバンド対応版)となります。
4Gのバンドについては書き始めると記事1つ分になってしまいますので省略します。
M.2 B-key + micro SIM + M.2 E-key + M.2 M-key 2280は、同じくE-key、M-key両方を使ったボードです。ボード上にE-key、M-key、B-keyの3つのスロットがあるので、Wi-fiに加えてストレージが二枚追加できるようになります。
まとめ
コンパクトかつそこそこのパワーを持ち、拡張ボードのFACET-Cardを使うことで機能の方向性を変えることができる「Fitlet2」ですが、基本価格は意外と低く、154ドルから183ドルです。
ここにメモリやSSD、FACET-Card(33ドル均一)、Wi-fiカード、モデムカードなどを買い足していくとそこそこの値段にはなります。
電源はかなり許容範囲が広く、入力電圧は9V〜36V(通常は20Vまで)となっています。
適用温度も広く-40℃〜85℃と、PCとは思えないくらいに広いです。
※構成にもよります。
過酷な環境でも使えることにはメーカーも自信を持っているようで、「Fitlet2」は5年保証とかなり長くなっています。
かなり面白いPCと言えるので、人とは違ったミニPCと言えるのでを探していて、個人輸入も問題ないという方は検討してはいかがでしょうか。
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