特にRockChip信者というわけではありません、がじぇっとりっぷ(@gadgetrip)です。
ここのところ「RockPro64」「ODROID-N1」とRockChipのSoC「RK3399」を搭載したSBC(シングルボードコンピューター)を立て続けに取り上げてきましたが、本日の記事もその流れの上にあるものです。
これまで取り上げたSBCは133mm×80mm(RockPro64)、90mm×90mm(ODROID-N1)とやや大振りなサイズ(それでも手のひらサイズですが)だったのに対し、「rock960」は84mm×54mmとRaspberry Pi(85.6mm×56.5mm)とほぼ同じ、クレジットカードサイズ(国際規格で85.60mm×53.98mm)となっています。
スペック
model | rock960 | Pi3 Model B |
メーカー | 96boards | Raspberry |
発売日 | 未定 | 2016/03 |
価格 | $99(2GB) $139(4GB) | $35 |
価格(日本円) | 4815円 | |
CPU | Rockchip RK3399(6コア) (2GHz A72 x2 + 1.5GHz A53 x4) | BCM2837(1.2GHz 4コア) |
GPU | Mali-T860 MP4 | VideoCore IV 400MHz |
メモリー | 2GB/4GB LPDDR3 | 1GB LPDDR2-900 |
サポートOS | Ubuntu Yockt Armbian Android 7.1 | Linux(Debian、Fedora、Arch) RISC OS Windows 10 IoT Core |
有線LAN | × | 100MbE x 1 |
Wi-fi | 802.11ac 2×2 | 802.11b/g/n(2.4GHz) |
Bluetooth | 4.1 | 4.1 |
チップ | AP6356s | SMSC LAN9514 BCM43438 |
ストレージ | 16GB eMMC(2GB) 32GB eMMC(4GB) microSD | microSD |
USB | 2.0 x 1 3.0 x 1 3.0 x 1(type-C) | 2.0 x 4 |
HDMI | HDMI(2.0 4K/60Hz) | HDMI(1.4 1080p/60Hz) |
オーディオジャック | × | |
GPIO | 40pin x 1 60pin x 1 | 40pin x 1 |
その他インターフェース | M.2 M-key(PCIe 2.1) | コンポジットビデオ/音声出力 |
消費電力 | 7W | |
電源 | DC8-18V(12V/2A) | microUSB 5V/2.5A |
幅 | 84mm | 85.6mm |
奥行き | 54mm | 56.5mm |
高さ | 17mm |
外観
ボード上の構成です。「RK3399」がやたら大きく見えます。LANポートはなくなっていますがWi-fi/BTは搭載しています(それも802.11ac 2×2)ので不便はあまりないと思います。
ドキュメント内で公開されていた、パッケージ同梱物一覧です。製品発送時も同じ内容になるとは限りませんが、USB以外の電源を使うSBCで電源アダプタが付いてくるのはありがたいですね。
ケースを組み立ててみたものです。ヒートシンク部の穴がなんとも言えません。
まとめ
「rock960」を開発する96boardsは、以前にも「HiKey 960」という、Huawei「Kirin 960」をSoCに採用したSBCを発表しています(239ドルと高額だったのでがじぇっとりっぷでは取り上げていませんが)。
「RK3399」搭載SBCとしては現状最もコンパクトな「rock960」ですが、PCIe x4スロットを備えていたり、SATAポートを備えていたりするような尖った仕様はありません。
その代わり、60pinのハイスピード拡張コネクタを備えており、4L-MIPI DSI, USB, I2C x2, 2L+4L-MIPI CSIに対応しています。
MIPI(Mobile Industry Processor Interface)はモバイル機器内の相互接続規格で、主にカメラ接続(Camera Serial Interface = CSI-2)とディスプレイ接続(Display Serial Interface=DSI)用の規格となっています。
調べた限りでは96boardsの他のSBCに搭載されている同じ60pinスロットが1レーン辺り1.2Gbpsで、「rock960」も変わらないものと思われます。この理屈で行くとDSIは4レーンで最大4.8Gbpsとなります。
なお、Raspberry Piにも搭載されている40pinのGPIOはSPI/I2C/UARTという3つの規格に対応しており、最大転送速度は100Mbps程度のようです。そのため「rock960」ではロースピード拡張コネクタと表現されています。
また、公式サイトでは拡張ボード群もアナウンスされています。
価格についてですが、海外のブログに書かれていたもので、公式にはTBD(To Be Determined =現在未決定だが、将来決定する)となっています。
現在は開発中の段階で、公式サイトにて予約を受付中となっています。
比較対象に上がる製品が尖った仕様を備えるためにスペックに対する魅力はどうしても高いものとはならないのですが、コンパクトさと60pinコネクタを活かした使い方を考えるのであれば、悪くない製品となりそうです。
コメント