SBCは今後も伸びると思っています、がじぇっとりっぷ(@gadgetrip)です。
がじぇっとりっぷではSBC(シングルボードコンピューター)の中ではPINE64の「Rock64」推しで、SBCの新製品が出るたびに(主に価格面で)比較に出してきました。
そのPINE64から2つの新製品「RockPro64」「Pine H64」がアナウンスされました。
この記事では「RockPro64」を取り上げ、「Pine H64」は次回に取り上げます。
※2018.04.27追記:RockPro64の販売が始まりました。販売サイトはこちら
スペック
比較として「Rock64」とおなじみの「Raspberry Pi3 Model B」を併記します。
model | RockPro64 | Rock64 Media Board | Pi3 Model B |
メーカー | PINE64 | PINE64 | Raspberry |
発売日 | 2018/03 | 2017/09 | 2016/03 |
価格 | $59〜65(2GB) $79(4GB) $99(4GB+AI) | $24.95(1GB) $34.95(2GB) $44.95(4GB) | $35 |
価格(日本円) | 3780円 5400円 6480円 | 4815円 | |
CPU | Rockchip RK3399(6コア) (A72 x2 + A53 x4) | Rockchip RK3328(4コア) | BCM2837(1.2GHz 4コア) |
GPU | Mali-860 MP4 | Mali-450 | VideoCore IV 400MHz |
メモリー | 2〜4GB LPDDR3 | 1〜4GB LPDDR3 | 1GB LPDDR2-900 |
サポートOS | Android Linux | Android7.1 Debian Yocto | Linux(Debian、Fedora、Arch) RISC OS Windows 10 IoT Core |
有線LAN | 1GbE x 1 | 1GbE x 1 | 100MbE x 1 |
Wi-fi | × | × | 802.11b/g/n(2.4GHz) |
Bluetooth | × | × | 4.1 |
チップ | SMSC LAN9514 BCM43438 | ||
ストレージ | 128MB SPI Flash microSD eMMCソケット | microSD eMMCソケット | microSD |
USB | 2.0 x 2 3.0 x 1 3.0 Type-C x 1 | 2.0 x 2 3.0 x 1 | 2.0 x 4 |
HDMI | HDMI(2.0 4K/60Hz) | HDMI(2.0a 4K/60Hz HDR) | HDMI(1.4 1080p/60Hz) |
オーディオジャック | ○ | ○ | |
GPIO | 40pin x 1 | 40pin x 1 32pin x 1 | 40pin x 1 |
その他インターフェース | PCIe 4x MIPI CSI x 2 Parallel CSI SDIOソケット(Wi-Fi用) IR receiver | IR receiver | コンポジットビデオ/音声出力 |
消費電力 | 7W | ||
電源 | DC 12V | DC 5V/3A | microUSB 5V/2.5A |
幅 | 133mm | 85mm | 85.6mm |
奥行き | 80mm | 56mm | 56.5mm |
高さ | 19mm | 17mm |
特徴
「RockPro64」に使われているSoC(System on a Chipの略、CPUと周辺チップを一体化したもの)はRockchip RK3399で、最近のSBCに採用される事例が増えています。
大雑把な性能としてはSnapdragon 650クラスで、Antutuベンチマークでは74000〜75000程度となります。
「Rock64」に搭載されているRockchip RK3328は33000前後なので、2.2倍くらいになっています。
Rockchip RK3399にはAIに最適化されたRK3399Proが先日のCES 2018で発表されました。「RockPro64」の最上位モデルにはこのRK3399Proが搭載されています。
SoC(CPU)の次に大きな特徴は、SBCでありながらPCIe 4xスロットを備えていることでしょう。下の画像の左のスロットがそれです。
PCIeのバージョンは2.1で、OSが対応しているならばPCパーツが使えると思います。
ストレージはmicroSDカードとeMMCスロットの他、128MBのSPIフラッシュメモリを搭載しています。
Wi-Fi/Bluetoothはデフォルトでは搭載しておらず、別売のWi-Fiモジュールを接続する形となります(上記画像が搭載した状態です)。
USBは2.0が2つに3.0がひとつ、3.0 Type-Cがひとつの計4つです。Type-CはDisplayPort対応です。
なお、フットプリントは113mm×80mmなので、85mm×56mmのRaspberry Pi(Rock64)2枚分となっています。ピンとこない方はクレカ2枚分を想像してもらえばだいたいあってます。
まとめ
現状のSBCの中では比較的ハイエンド寄りのスペックを持つ「RockPro64」ですが、やはり一番の魅力はPCIe 4xスロットを備えていることでしょう。
100ドル以下のSBCではがじぇっとりっぷが知る限りでは初の搭載となります。
Linuxが動くので、おそらくですがPCパーツがそのまま使えると思われます。SATAの変換ボードが動くならば、USBを使うことなくNASの構築ができそうですし、10GbEボードを使って高速通信など夢が広がります。
GeForceを搭載するチャレンジャーが登場するんじゃないかと密かに期待してたりします。
価格は2GBメモリで59〜65ドル、4GBで79ドルと「Rock64」よりもかなり上がりましたが、SoCの性能とインターフェースから考えると文句のない値段です。
発売は3月15日頃です。「RockPro64-AI」のみ8月となっています。
関連リンク
New PINE64 Boards, Upcoming Hardware and Much More! – PINE64 forum
RK3399 – RockChip wiki
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