有言実行は大事です、がじぇっとりっぷ(@gadgetrip)です。
本日は前回の「RockPro64」に引き続き、SBC(シングルボードコンピューター)メーカーのPINE64より、「PINE H64」を紹介します。
「PINE H64」は「RockPro64」と同時にPINE64のフォーラムで発表され、2018年1月31日より販売が開始されています。
「RockPro64」とはまた性格というか方向性の違うSBCなので、これはこれで面白いと思います。
スペック
価格帯がほぼ同じ「Rock64」と、おなじみの「Raspberry Pi 3」を併記します。
model | Pine H64 | Rock64 Media Board | Pi3 Model B |
メーカー | PINE64 | PINE64 | Raspberry |
発売日 | 2018/01 | 2017/09 | 2016/03 |
価格 | $25(1GB) $35(2GB) $45(3GB) | $24.95(1GB) $34.95(2GB) $44.95(4GB) | $35 |
価格(日本円) | 3780円 5400円 6480円 | 4815円 | |
CPU | Allwinner H6(1.5GHz 4コア) (A53 x4) | Rockchip RK3328(1.3GHz 4コア) | BCM2837(1.2GHz 4コア) |
GPU | Mali-T720 MP2 | Mali-450 | VideoCore IV 400MHz |
メモリー | 1〜3GB LPDDR3 | 1〜4GB LPDDR3 | 1GB LPDDR2-900 |
サポートOS | Android Linux | Android7.1 Debian Yocto | Linux(Debian、Fedora、Arch) RISC OS Windows 10 IoT Core |
有線LAN | 1GbE x 1 | 1GbE x 1 | 100MbE x 1 |
Wi-fi | × | × | 802.11b/g/n(2.4GHz) |
Bluetooth | × | × | 4.1 |
チップ | RTL8211 | SMSC LAN9514 BCM43438 | |
ストレージ | 128MB SPI Flash microSDXC eMMCソケット | microSD eMMCソケット | microSD |
USB | 2.0 x 2 3.0 x 1 | 2.0 x 2 3.0 x 1 | 2.0 x 4 |
HDMI | HDMI(2.0a 4K/60Hz HDR) | HDMI(2.0a 4K/60Hz HDR) | HDMI(1.4 1080p/60Hz) |
オーディオジャック | ○ | ○ | |
GPIO | 40pin x 1 | 40pin x 1 32pin x 1 | 40pin x 1 |
その他インターフェース | SDIOソケット(Wi-Fi用) IR receiver mini-PCIe connector | IR receiver | コンポジットビデオ/音声出力 |
消費電力 | 7W | ||
電源 | DC 5V/3A | DC 5V/3A | microUSB 5V/2.5A |
幅 | 133mm | 85mm | 85.6mm |
奥行き | 80mm | 56mm | 56.5mm |
高さ | 19mm | 17mm |
特徴
「PINE H64」に搭載されるSoC「Allwinner H6」は、ベンチマーク的にはローエンドよりのスペックとなります。
ベンチマークの1つであるAntutuでは4万〜4万5千点なので、Snapdragon 430程度となります。単純に数値だけ見ればGALAXY S4もしくはXperia Z3クラスです。
ちなみに比較のためにRaspberry Pi3のAntutuスコアも探したのですが、どうもRaspberry Pi用には出ていないようで、見つかりませんでした。
「Rock64」のAntutuスコアは3万5千点弱なので、「Rock64」よりも多少良くなっているというところでしょうか。
「PINE H64」最大の特徴は、なんといってもmini-PCIeスロットを備えていることでしょう。
mini-PCIe規格のSSDや変換アダプタを装着することで、高速なストレージで運用したり、あるいは様々な機器を接続したりすることができます。
mini-PCIeはPCIe 1x規格なので、「Rock64」のPCIe 4xスロットほどの速度は出ませんが、本体価格が半分ということを考えれば十分だと思います。
なお、ストレージに関してはeMMCスロットもあるので、mini-PCIeスロットを使わなくてもいけますね。
USBもType-Cこそないですが、3.0ポートがあるのでこちらも便利です。
「Rock64」同様にWi-fiおよびBluetoothは備えていませんが、SDIOソケットにWi-fiモジュールを装着することができるので、mini-PCIeスロットを潰すことはありません。
まとめ
低価格でそこそこのスペックを持ち、mini-PCIeスロットという他にはない特徴を備える「PINE H64」ですが、メモリ2GB版で35.99ドルと、Raspberry Pi3(メモリ1GB)の35ドルとほぼ同価格となっています。
性能的にも「PINE H64」のほうが高く、ネットでの情報量を気にしなければRaspberry Pi3を選ぶ理由はないと思います。
そんな「PINE H64」の欠点は、mini-PCIeスロットのスペースを確保するためか、フットプリントが倍であることと、電源がmicroUSBではなくDC入力であるということです。
とはいえ、公式サイトでは対応するDCアダプタも格安で売られており、セットで注文する分には不便を感じないかと思います。
画像は左からRockPro64、Pine H64、Rock64、Pine A64-LTS、SOPine in Baseboard、Pine A64+です。
RockPro64、Pine H64がRock64(Raspberry Piと同サイズ)の2枚分ということが分かります。
関連リンク
PINE H64 wiki
PINE H64 Boards(販売ページ)
New PINE64 Boards, Upcoming Hardware and Much More! – PINE64 forum
コメント
mini-pcieとe-sataの変換プラグを別売してくれたらnas最強コスパのボードになりそうだけど、、、、、、ないよなぁ
mini-PCIe->SATA x2ならあるので、SATA to eSATAケーブルと合わせて使えばいけるのではないでしょうか。
まさかの返信ありがとうございます pine系はアクセサリが充実してるからダイレクトでコンパクトな変換を期待したいんですけどね、、、変換器も在庫があるお店がネットじゃ見当たらないし アキバ暇なときにふらついてみるしかないかなぁ