まるでルーター。SoridRunの「ClearFog GT 8K」は５つのLANポートにSFP+付き

更新頻度を2日に一回から上げたいです、がじぇっとりっぷ(@gadgetrip)です。

昨日の「Cubox-i」に引き続き、SoridRunの製品「ClearFog GT 8K」の紹介です。

スペック

特徴

「ClearFog GT 8K」の特徴は、なんといってもそのLANポートの数でしょう。
そのへんで売ってるルーターの中身と言われても信じてしまうかもしれません。

とはいえ、それだけじゃ特徴としては弱いです。
「ClearFog GT 8K」にはそれに加えて、そこらのルーターにないSFP+ポートが付いています。
一般にはあまり馴染みがありませんが、データセンターやサーバー系ではメジャーなポートで、一般的なLANケーブルではなく、光ファイバーケーブルをつなぎます。

また、この手のボードにしては珍しく、メモリがオンボードではなく、SO-DIMMとなっています。最大16GBまで搭載できるので、結構いろいろなことができそうです。

ストレージはeMMCで、128GBまで対応しています。
3つあるminiPCIeスロットのうちひとつはM.2変換アダプタを使うことで、M.2規格のSSDを繋ぐことができるので、ストレージに関しては余裕があります。

搭載CPUのMarvell ARMADA 8040は2016年6月に発表されたもので、アーキテクチャコアはARM Cortex-A72となっています。
SnapDragon600シリーズに使われているコアなので、性能的にはミドルレンジです。
CPUの内部コントローラー的にはSATA3.0 x4、USB3.0 x3を持っているので、頑張ればUSB3.0ポートを1つではなく2つ3つ備えたり、SATAポート(あるいはeSATAポート)を持たせることもできたんじゃないかと思うと、ちょっと残念です(そこまでしちゃうとコストに帰ってくるし、用途もブレちゃいますが)。

インターフェース類の説明画像です。残念ながら裏面の画像はありませんでした。
mini-PCIeスロットにWi-fiカードを挿せそうな雰囲気です。
GPIOもあると書いてありますが、裏面なのでしょうか…

OSにはUbuntu16.04のほか、Linux(kernel4.4x)のものが使えます。スペック表にはありませんでしたが、Yockt辺りも使えるようになるのではないでしょうか。
あとは、前世代に当たる「ClearFog」では対応していたルーター系のOpenWRTとかも対応する気がします。

まとめ

SolidRunによる「ClearFog GT 8K」の想定用途はネットワーク・セキュリティ、vCPE(virtual Customer Premises Equipment、宅内通信機器の仮想化)、NFV(Net、work Functions Virtualizationネットワーク機能の仮想化)、エッジコンピューティングとなっています。
ルーターというよりもファイアウォールとかゲートウェイとか、企業内ネットワークと外部インターネットの間に置くことが想定されているようです。

とはいえ、家庭内で使っちゃダメというわけではなく、SFP+ポートを活かして、同じくSFP+ポートを持つNASの「TS-431X」や「TS-431X2」を接続した高速ストレージ環境を作るなんてこともできるかと思います。
というか、その用途がまず浮かんだので紹介することにしたわけですが。

価格は8GBのeMMC付きで209ドルです。16GBメモリと128GB eMMC付きになると621ドルと跳ね上がるので、別途調達したほうが良さそうです。
eMMCソケットがあると思われる裏面の画像がないので想像ですが、流石に全然違う規格を使うとは思えないので米アマゾンかPINE64のサイトで購入するのが良さそうです。
国内販売を探したけれど、アマゾンで128GBが売っているくらいしか見当たらなかったです(しかも米の倍以上の値段)。まさか秋月でもおいてないとは…

関連リンク

QNAP TS-431X2(amazon)

ClearFog GT 8K – 公式ページ※英語サイト