数多くのSBC(シングルボードコンピューター)を発売しているhardkernel社のODROIDシリーズですが、クラスター構築が前提な「ODROID-MC1」を紹介します。
モデル名のMC-1は”My Cluster One”の略だそうです。
スペック
model | Odroid-MC1 |
メーカー | hardkarnel |
発売日 | 2017/09 |
価格 | $48(単品) $220(セット) |
価格(日本円) | |
CPU | Samsung Exynos5422(8コア) (2.0GHz A15 x4 + 1.4GHz A7 x4) |
GPU | Mali-T628 |
メモリー | 2GB LPDDR3 |
サポートOS | |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | × |
Bluetooth | × |
チップ | Samsung S2MPS11 RTL8153 NCP380 TPS25925 |
ストレージ | microSDXC |
USB | 2.0 x 1 |
HDMI | × |
オーディオジャック | × |
GPIO | × |
その他インターフェース | UART for serial console |
消費電力 | 14W |
電源 | DC 5V / 4A |
幅 | 92mm |
奥行き | 42mm |
高さ | 29mm |
特徴
「ODROID-MC1」は単体で見ればごくごく普通のSBCというか、USBが2.0 x1とかスペック的にはもの足りなく感じる程度のモノです。
搭載するCPUも2015年に発売された「ODROID-XU4」と同じものですし(それでもRaspberry Piの4倍位の性能ですが)。
Raspberry Piなどに比べればコンパクトですが、Nano Piほどではありません。
CPUはSamsung Exynos5422です。Galaxy S5に搭載されたCPUといえば分かりやすいでしょう。古いということもわかっちゃいますが。
「ODROID-MC1」はクラスターコンピューティング最大限の処理能力を割り振るために、インターフェースは極力排除しています。
ブロックダイアグラムを見ても、寂しい状態です。
同じCPUを搭載する「ODROID-XU4」と比較すると、どれだけ少ないかがよく分かります。
下のボード詳細の写真をよく見ると、表面の左下に何やらパターンだけが残っています。
これははっきり言ってしまうと、「ODROID-HC1」からの使い回しだからです。
「ODROID-HC1」はここにSATA端子が付いており、2.5インチHDD/SSDを接続することができます。
そんな「ODROID-MC1」のもつ一番の特徴は、サイドにそびえる(?)壁でしょう。
積み上げることでクラスターが(物理的には)簡単に構築できます。
公式マガジン内では200台でクラスター構築を行った写真が軽際されています。
また、公式でクラスター構築の手順書を出したりもしています。ODROID-XU4版ですが、中身はほぼ変わらない(OSも共通)ので、ODROID-MC1でも問題ありません。
まとめ
なんというか、「ODROID-MC1」は発想は面白いのですが、紹介しておきながら微妙としか言いようがありません。
ヒートシンクを兼ねた壁というのは魅力がありますが、クラスター構築なんて六角スペーサーでも十分ですし。
「ODROID-HC1」なら2.5インチストレージの付いたクラスターが構築できますし。
ただ、ODROIDシリーズというのは公式がやたらと活発で、ODROIDマガジンというものを毎月発行していますし、あれこれの構築ノウハウも積極的に公開しています。
公式でクラスターを作るくらいなので、多少ではありますがクラスターを使って云々のノウハウも散見されます(JAVAの並列プログラミングとか)。
また、ODROIDシリーズは、公式の周辺機器も豊富に揃っています。
ケーブルやケース、ディスプレイだけでなく、気温・湿度・気圧センサーを備えたアドオンボードなどもラインナップに並んでいますし、Wiiのハンドルコントローラーっぽい何かなんてのもあったりします。
ピン配置からサンプルコードまで掲載されているので、慣れていない人にはありがたいですね。
…これ、周辺機器だけ買って、本体はRock64とか最近の別の製品を買ったほうがいい気がしてきたんですけど…ピンさえ合っていれば問題ないですし…
関連リンク
ODROID-MC1 : My Cluster One with 32 CPU Cores and 8GB DRAM ※英語サイト
ODROID MAGAZINE ※英語サイト
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