完全に見落としていたのですが、NUCサイズPCやもっと小さいPCを多く作っているZOTACから、第8世代Intel CPU(KabyLake-R)に対応したNUCサイズPC「MI640 nano/MI660 nano」が(海外で)発売されていました。
スペック
メーカー | ZOTAC | ZOTAC |
型番 | ZBOX-MI640NANO | ZBOX-MI660NANO |
価格 | 449.99ドル | 549.99ドル |
発売日 | 2018/01 | |
幅 | 127.8mm | |
奥行き | 126.4mm | |
高さ | 50.8mm | |
容量 | 0.82L | |
CPU | Intel Core i5-8250U | Intel Core i7-8550U |
CPU世代 | 第8世代 | 第8世代 |
ベース周波数 | 1.6GHz | 1.8GHz |
バースト周波数 | 3.4GHz | 3.7GHz |
グラフィックチップ | UHD 620 | |
コア/スレッド数 | 4/8 | |
TDP | 15W | |
チップセット | ||
メモリインターフェイス | SO-DIMM DDR4-2400 | |
メモリスロット | 2 | |
メモリ最大 | 32GB | |
ECC対応 | × | |
ストレージ | × | |
SATAポート数 | 1(<9.5mm) | |
M.2 | × | |
mSATA | × | |
USB2.0(内部) | × | |
USB2.0(外部) | × | |
USB3.0(内部) | × | |
USB3.0(外部) | Front x 1 Rear x 4 | |
USB type-C | Front x 2(3.1) | |
SDカード | Front x 1(SDXC) | |
LAN | 1Gb x 2(Realtec) | |
Wi-fi | 802.11ac(Intel) | |
Bluetooth | 4.2 | |
D-Sub | × | |
DVI | × | |
HDMI | Rear x 1(2.0) | |
HDMI 4K対応 | 4K/60Hz | |
DisplayPort | Rear x 1(1.2) | |
シリアルポート | × | |
S/PDIF | × | |
オーディオジャック | Front x 2(in/out) | |
サウンドチップ | ||
光学ドライブ | × | |
PCI-Eスロット | × | |
eSATA | × | |
赤外線 | × | |
Optaneメモリ対応 | × | |
最大消費電力 | ||
電源 | 65W / 19V | |
ノイズレベル | ||
VESA | 75×75,100×100 | |
付属品 | 無線LANアンテナ USBメモリ(ドライバ入) サポートDVD |
特徴
ZOTACはZBOXというミニPCのブランドを持っており、Mシリーズは更に以下の3つの大きさに分類されます。
・ZBOX Classic:188mm×188mm×44mm
・ZBOX:184.6mm×184.6mm×71.5mm
・ZBOX nano:127.8mm×126.4mm×50.8mm
「MI640 nano/MI660 nano」はそのうち、最も小さな”ZBOX nano”に属しています。
「MI640 nano/MI660 nano」の2つのモデルの違いはCPUだけで、「MI640 nano」はCore i5-8250Uを、「MI660 nano」はCore i7-8550Uを搭載しています。
その特徴は、一言で言うとインターフェースの多さ(豊富さではない)でしょうか。
※プレス向けの画像を引用・加工したのですが、製品ページ内の画像とLANポートの位置が違っています。どちらが正しいのかわからないので、プレス向けの画像で掲載しています(端子の種類・数は同じです)。
上の前面/背面の画像を見てもらえば分かる通り、USBだけで7つあります。
前面にフルサイズのSDXCカードリーダーがあるのは嬉しいポイントです。
最近はmicroSDだったりカードリーダー自体が無かったりする機種が増えている中で、SDカードリーダーは貴重です。
LANポートも2つ備えています。
Wi-fiはアンテナが1つなので802.11ac(1×1)と思われます。最大433Mbpsですね。
前面のUSB Type-Cは、公式のスペック表には3.1とのみ書かれています。端子下のプリントにもそう書かれています。
前世代の「MI527 nano/MI547 nano」ではUSB3.1 Gen2となっていたので、「MI640 nano/MI660 nano」でもUSB3.1 Gen2(最大10Gbps)であることを期待したいところです。
前世代の最上位となる「MI549 nano」はThunderbolt 3端子がありましたが、流石にそれはありません。今後の上位モデルに期待です。
米Amazonではクアッドディスプレイ可能と書かれていましたが、別の機種から流用した説明っぽかったのでちょっと怪しいです。
ただ、そもそもIntel UHD 620のHDMI出力が仕様上1.4b(4K/24Hz)なのに、「MI640 nano/MI660 nano」の仕様表ではしっかりと2.0(4K/60Hz)と書かれているので何かしらのチップが入っているようです。なので、もしかしたら本当に(USB Type-Cからの変換を含めて)クアッドディスプレイができるかもしれません。
内部はメモリとストレージでいっぱいいっぱいです。2.5インチストレージについては、仕様表にはありませんでしたがユーザーマニュアルによると9.5mm厚までとなっていました。
残念ながらM.2端子はありません。
上部はパンチ穴となっており、中にファンを搭載しています。サイドスリットから吸気するものと思われます。
同梱物はアンテナ、電源アダプタ、ドライバ(USBメモリ/DVD)、マニュアル類、VESAマウンタです。
本体とVESAマウンタがほぼ同じ大きさというのはNUCあるあるですが、マウンタが大きく見えますね。
まとめ
「MI640 nano/MI660 nano」は2018年1月には米Amazonで発売が開始されていたのですが、全くのノーマークでした。
メーカーのZOTACはミニPCを多く出す傍ら、グラフィックカードも手がけています。
なので例えばZBOX Eシリーズはちょっと大柄(225mm×203mm×128mm)ながらGeForce GTX1080(8GB)を搭載するなど、グラフィックに関してはかなり挑戦的なモデルを出したりもしています。
他にも同じくEシリーズではRyzenを採用したモデルもあり、ミニPCでRyzenを出したのも多分ZOTACが最初だと思います。
ちなみにこのEシリーズでは公式ページにディスプレイ4台対応と明記されています。
「MI640 nano/MI660 nano」も、ディスプレイ4台は分かりませんが、少なくともデュアルディスプレイまでは確実、しかもどちらも4K対応なのでクリエイター系でもそうそう足りないということはないでしょう。
一般向けのミニPCでは珍しいデュアルLANもあるので、自宅サーバーにするとか、ポートを束ねて大容量NASを内蔵ディスクのように使う(2Gbps=250MB/sなので、HDD以上SSD未満程度の速度が出せる)とか、利用場面が広がります。
価格は「MI640 nano」が米Amazonで449.99ドル、「MI660 nano」が549.99ドルです(米Amazonでは売り切れ)。
問題はZOTACのミニPCって総じて日本での取り扱いが少ないことです。
Amazonでもハイエンドかローエンド、あるいは型落ち品ばかりでメインストリームがないんですよね。公式サイトの日本語ページも半分英語のままですし。
せっかくいいものが揃っているので、もっと日本でも売りだしてもいいんじゃないかなぁ。
コメント