前回の記事の「MATE X」に続いて、電動自転車の話題です。
2018年8月30日、クラウドファンディングサイトのmakuakeに、株式会社ツバメ・イ-タイムの開発した電動アシスト自転車「CHOCO-NORI」が登場しました。
※2018年10月24日追記:コメントをいただきまして、makuake内の説明では「国内電動バイクメーカーが開発した」とありますが、どうも深センのONEBOTという電動バイクメーカーが発売する「Onebot ebike S6」のOEM品のようです。
「Onebot ebike S6」をベースにカスタマイズされているのかもしれませんが、残念ながら判断できる材料がありません。
※2019年6月26日追記:今更でありますが、makuakeの質問欄にて上記の回答が掲載されていました。ONEBOTのOEMではなく、同じサプライヤーから同型のフレームを調達しているということのようです。
スペック
製品名 | CHOCO-NORI(ちょこのり) |
定格電圧 | 36V |
バッテリー容量 | 5.2Ah |
バッテリー重量 | 1.3kg |
サイズ | 1345×580×1100mm |
折りたたみサイズ | 770×430×640mm |
シート調整サイズ | 760mm~920mm |
タイヤ | 16インチ |
モーター | 250W(高速ブラシレス) |
定格出力 | 250W |
ホイールベース | 935mm |
車両重量 | 18.8:kg(電池含む) |
フレーム | マグネシウム合金一体成型 (折りたたみ式) |
防水等級 | IP54 |
走行距離 | 55km(アシスト使用時) |
最大積載量 | 120kg |
アシスト上限 | 24km/h |
充電器 | ACA(100~240V対応) PSE認証済 |
充電時間 | 約3時間 |
充電温度 | 0℃~45℃ |
バッテリータイプ | リチウムイオン(LG製) |
補助システム | 3段階 |
変速 | 単速(変速機なし) |
ブレーキ | ディスクブレーキ(前・後) |
ペダル | 折り畳み式ペダル |
ショック | リアショックアブソーバー |
ディスプレイ | マルチファンクション液晶 |
ライト | LED |
生産国 | 中国 |
特徴
「CHOCO-NORI」は、国内企業が手掛けるだけあって道路交通法にも準拠し、「自転車」に分類されるために免許もナンバープレートも必要ありません。(詳しくは前回の記事参照)
※2018年10月24日追記:冒頭に追記したように、深セン企業のOEM品の可能性が高いことから、道路交通法準拠については怪しくなりました(makuake内にも「道路交通法準拠」とは記載されていませんでした)。
そして国内企業だけあって安全面や軽量化などに気が配られています。
まず、フレームはマグネシウム合金製です。
マグネシウム合金はアルミニウム合金と比較して6割から7割程度の重量で、かつ衝撃吸収性に優れています。最近ではノートPCの筐体に使われたりもしています。
前回記事で紹介した「MATE X」が29kg(14Ahバッテリー時)に対し、「CHOCO-NORI」は18.8kgと6割程度になっており、かなりの軽量化ができていることがわかります。
もちろん、欠点もあります。
マグネシウム合金の欠点は、アルミニウム合金に比べて強度が劣ることですが、あくまで同じ大きさの場合での比較であり、同じ重さの場合だと強度は高くなります。
そのため、厚みをとることで強度と軽量化の両立を実現できるのですが、「CHOCO-NORI」のような内側に空洞を持つ構造の場合、外見のサイズを保とうとすると空洞部分が小さくなる(=バッテリー容量が小さくなる)ことになります。
もともとがコンパクトな「CHOCO-NORI」なので、バッテリーは5.2Ah@36V(187.2Wh)と、「MATE X」のバッテリー14Ah@48V(672Wh)の3割もありません。
フレームの大きさも電圧も違いますし、使い方も違う(「MATE X」はフル電動可能)ので一概に比較はできませんが、もうちょっと容量が大きくてもよかったんじゃないかなぁと。
安全面では折りたたみレバーに安全ロックがついています。
安全ロックを押しながら出ないとレバーが動かない仕組みになっているので、不意にレバーが外れるという心配がありません。
サスペンションは後部のみです。
内部にはバネが入っています。
ブレーキは前後ともディスクブレーキです。これも最近では増えて来ましたね。
「マルチファンクションディスプレイ」はハンドル左部についています。
時速、走行距離、バッテリー残量、の確認のほか、アシストモードの切り替え、ライトのON/OFFが行えます。アシストは3段階です。
海外では大型ディスプレイだったりUSBチャージャーがついていたりというのが流行っていますが、日本はこういった”小さなコントローラー”が主流のようです。
地味にいいなぁと思ったのが、キャスターです。
ちょっとピンぼけしていますが、上の画像のペダルの根本から生えているやつです。
折りたたんだ時にタイヤとこのキャスターで3輪状態となり、持ち運びが楽になります。
大抵の折りたたみ自転車はここがスタンドになっているので、これは考えたなぁと。
折りたたみ時にはタイヤ同士がマグネットでくっつく仕組みになっています。
真ん中の銀色部分ですね。
動画で見ると結構がっちりくっついているので、上記のような運び方をしてもパカパカと開くことはなさそうです。
また、これも地味にありがたいのが、前方ライトと前後のフェンダー(泥除け)が付いている点です。
あとは後付でもいいから前カゴなり後部キャリアなりをつけられるようになっていればよかったなぁと。
結局自転車って買い物に使うことが多いので、荷物を載せる場所がないのは残念な点です。
もうひとつ要望を上げるとしたら、ライトは自動点灯だと良かったんじゃないかなぁと。
タイヤは16インチで幅は1.95インチとなります。
スポークの素材は不明ですが、市販のタイヤを使っているため、パンクしても自転車屋で修理できるとのこと。
(ノーパンクタイヤにできないかと思い調べましたが、そもそもノーパンクタイヤは空気の代わりにウレタンを積めるので重く、クッション性が悪いために乗り心地が悪い上に、重量でタイヤがすり減りやすいとマイナス面が大きく、こまめに空気圧をチェックするほうが何倍もいいようです)
なお、変速はなく、単速となります。
まとめ
開発元の株式会社ツバメ・イ-タイムは、山口県岩国市に本拠を置く、2014年設立の電動バイクメーカーです。
同じく山口で展開するガソリンスタンドのツバメ石油が母体というか、同じ社長による運営となっています。
以前にもmakuakeで「e-ANBAI」という電動アシスト自転車を販売しており、そちらはサドルポールにバッテリーを内蔵するという、盗難防止にもなりそうな、なかなか奇抜なものでした。
「CHOCO-NORI」は最近流行り(と、がじぇっとりっぷが勝手に思っている)のフレーム内蔵バッテリーとなり、デザインもより優れたものになりました。
その「CHOCO-NORI」の価格はブラックが早割(30%オフ)の枠が残っていて117,600円(記事執筆時点で残り20台)、ホワイトが特割(25%オフ)の126,000円です(記事執筆時点で残り34台)。
10台限定のピンクは売り切れとなっています。
もともと税込149800円で市販予定であり、正式販売前の販促という位置づけから、台数はそれほど多くありません。
安く、人より早く欲しいと思う方はお早めにどうぞ。
コメント
この自転車昨年購入しました(中国にて)現状制御は道交法に準拠には対応できていないのでは!!アメリカではus$695~で売っていました
コメントありがとうございます。
道交法準拠のくだりはファンディングページのFAQの「Q.電動アシスト自転車に乗る際には免許は必要ですか?」を根拠にしています。
グローバルにバイクを販売する会社は仕様を各国の道路交通法に合わせることが多い(自国外に販売基盤を持たないクラウドファンディングオンリーなところは投げっぱなしが多いですが…)ので、仕様を変えている可能性もあります。
また、調べ方が足りないのか、昨年時点で販売している実績を見つけることができませんでした。
「CHOCO-NORI」の国内での商標出願は2018年6月26日となっており、これ以前に同名で販売することはなかったと思われますが、別の名前で売られていたのでしょうか?
追伸
データ有りました昨年9月の物です
URLありがとうございます!
拝見したところ、たしかに同じものですね…
記事内に追記させていただきました。
情報ありがとうございました。