2018年10月25日、DASUNGというE-inkディスプレイ端末メーカーから、モニターにもなるE-inkディスプレイのAndroidタブレット「Not-eReader」が、369ドルからという比較的低価格でクラウドファンディングサイトのINDIEGOGOに登場しました。
スペック
メーカー | DASUNG |
モデル名 | Not-eReader |
発売日 | 2018/10 |
OS | Android 6.0 |
CPU | クアッドコア |
RAM | 2GB |
画面サイズ | 7.8インチ |
画面解像度 | 1872 * 1404 300ppi |
アスペクト比 | 4:3 |
画面種類 | E-ink 5点マルチタッチ |
ストレージ | 64GB |
外部ストレージ | microSD |
カメラ | – |
バッテリー | 5300mAh |
センサー | – |
端子 | Type-C miniHDMI |
イヤホン端子 | ○ |
Wi-fi | ○ |
Bluetooth | ○ |
高さ | 201.8mm |
幅 | 135.8mm |
厚さ | 9.3mm |
重さ | 350g |
その他 | ステレオスピーカー root取得可 |
特徴
E-inkは電子書籍リーダー用のディスプレイとして知られており、最もメジャーな端末の一つに「Kindle Paperwhite」が挙げられます。
最近ではLenovoがキーボード部をE-inkディスプレイにした「YogaBook C930」を発表したり、Docomoが2.8インチのE-inkディスプレイスマホ「カードケータイ KY-01L」を発表したりと、電子書籍リーダー以外の使い方も増えてきました。
「Not-eReader」もその名の通り、電子書籍リーダーではなくディスプレイ/モニターとしての用途が主となっています。
「Not-eReader」の中身はクアッドコアCPUと2GBのメモリ、64GBストレージを備えたAndroid6.0なタブレットです。
5300mAhと大容量バッテリーを持ちながら重さは350gと、普通のタブレットとして見ても結構優秀な数字です。
特筆すべきはminiHDMI入力端子を備えており、PCやスマホの外付けディスプレイとして使うことができる点です。
E-inkといえば画面書き換えに時間がかかり(数年前のE-ink出始めの頃にがじぇっとりっぷが試用した時は一度の書き換えに2秒くらいかかっていました)、部分書き換えでもコマ送り状態になるものという認識で、液晶ディスプレイの代わりは到底務まらないと思っていたのですが、「Not-eReader」は非常になめらかに画面が変遷します。
上の動画を見て、知らない間にE-inkはここまで進化していたのかと、がじぇっとりっぷ自身も驚きました。
このレベルで画面が動くのであれば、確かにPCモニターとして使えますね。
上記のことを踏まえたうえで、開発元のDASUNGは「Not-eReader」の用途を5つに分類しています。
1.スマホモニター
2.子供用動画プレーヤー
3.ミニPCモニター
4.電子書籍リーダー
5.タブレット
1.スマホモニターとしての用途は、「Not-eReader」はAndroid端末のため、当たり前ですがAndroidアプリをインストールすることができます。
Wi-fiが使えるため、AirPlayに対応したアプリや画面のミラーリングアプリを使えば、目に優しいスマホディスプレイとなります。
2.子供用動画プレーヤーは、用途としては5.タブレットに含まれると思うのですが、DASUNGは切り分けています。
E-inkは液晶画面に比べて目に優しく、長時間視聴しても目が疲れにくいという特徴があるため、アニメなどの動画を長時間見続けてしまう子供用に向いています(ただし画面は白黒ですが)。
また、もともと白黒なオンライン学習ビデオの視聴にも向いています。
動画視聴用途が想定されているからか、「Not-eReader」のスピーカーは横向きにした時に下側に来る位置にあります。
3.ミニPCモニターは、がじぇっとりっぷが一番注目した点なのですが、miniHDMI入力端子(もしくはWi-fi)を使って外部ディスプレイとして使うことができます。
がじぇっとりっぷは前々から単体でタブレットとして動作し、かつ外付けモニタとしても使える端末が欲しいなぁと思っていたのですが、液晶ディスプレイ端末より先にE-inkディスプレイ端末が登場するとは思いもしませんでした。
4.電子書籍リーダーはE-ink端末としては持っていて当然の機能です。
7.8インチで解像度が1872×1404(300ppi)というのは結構な解像度です。
例えば「Kindle Paperwhite」は同じ300ppiですが、6インチのため解像度は1448×1072となっています。
逆にSONYが2018年4月に発売した「DPT-CP1」は、解像度は同じ1872×1404ですが、10.3インチと大型のため、220ppiとなっています。
10.3インチだとA4サイズの書類感覚で読むにはちょうどいいのですが、経験上漫画を読むにはちょっと大きすぎます。
高解像度の7.8インチ、そして3:2のアスペクト比というのは、電子書籍リーダーとしてもちょうどいいサイズだと思います。
5.タブレットはAndroid搭載機としては当たり前の話なので、多くを語ることはしません。
ただ、Androidバージョンがアップデートされる可能性はそんなにないんじゃないかとは思います。
最後に、プロモーション動画を見つけたので掲載しておきます。
まとめ
開発元のDASUNGは2014年3月に北京で設立された、E-ink端末専門の企業です。
これまでに13.3インチで1600×1200のE-inkディスプレイ「Paperlike」「Paperlike Pro」、2200×1650の「Paperlike 3」を発売しており、いずれもINDIEGOGOで10万ドル以上を集めています。
ただ、これまでのモデルは800ドル以上と高価で「Paperlike 3」にいたっては999ドル(約111,000円)となっていましたが、「Not-eReader」は6割のサイズで369ドル(約41,000円)と半額以下の価格になっています。
ちょっといいタブレットと同じ程度の価格帯でE-inkタブレットが買えるというのは結構インパクトが大きいです。
「Not-eReader」の目標金額1万ドルに対し、記事執筆時点で34,000ドルオーバーと、すでに目標をクリアしています。
出資締め切りは11月27日、発送は2019年3月となっています。
前述の通り外付けディスプレイとなるAndroidタブレットはがじぇっとりっぷが熱望していた商品であり、それがE-ink端末で登場したのは予想外のことでした。
これ、出資しようか本気で悩む…
関連リンク
Not-eReader: First E-ink Mobile-Phone Monitor – INDIEGOGO
DASUNG – 公式サイト
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