2019年9月27日、小型PCメーカーのShuttleはNUCより一回り大きいサイズの小型ベアボーンPC「NC10U」を発表しました。
また、2019年8月7日にはファンレスでスリムなベアボーンPC「DS10U」を発表しました。
スペック
メーカー | Shuttle | |
型番 | DS10U | NC10U |
価格 | ||
発売日 | 2019/08 | 2019/09 |
幅 | 165mm | 142mm |
奥行き | 200mm | 142mm |
高さ | 39.5mm | 42mm |
容量 | 1.3L | 0.85L |
CPU | Intel Core i7-8565U Intel Core i5-8265U Intel Core i3-8145U Intel Celeron 4205U | |
CPU世代 | 第8世代 Whiskey Lake | |
ベース周波数 | 1.8GHz 1.6GHz 2.1GHz 1.8GHz | |
バースト周波数 | 4.6GHz 3.9GHz 3.9GHz – | |
グラフィックチップ | UHD 620 UHD 620 UHD 620 UHD 610 | |
コア/スレッド数 | 4C/8T 4C/8T 2C/4T 2C/2T | |
TDP | 15W | |
チップセット | ||
メモリインターフェイス | SO-DIMM DDR4 2400 | |
メモリスロット | 2 | |
メモリ最大 | 32GB | |
ECC対応 | × | |
ストレージ | × | |
SATAポート数 | 1 | 1(<15mm) |
M.2 | 1(Key-M 2280) 1(Key-E 2230) | |
mSATA | × | |
USB2.0(内部) | × | |
USB2.0(外部) | Front x 4 | Rear x 2 |
USB3.0(内部) | × | |
USB3.0(外部) | Front x 2(Gen2) Rear x 2(Gen2) | Front x 1(Gen1) |
USB type-C | × | Front x 1(Gen1) |
SDカード | Front x 1(SDXC) | Front x 1 |
LAN | 1Gb x 2 Intel i211 / i219LM | 1Gb x 1 Intel i211 |
Wi-fi | 802.11ac Realtek RTL8211CE | 802.11b/g/n Realtek RTL8188EE |
Bluetooth | 4.2 | |
D-Sub | Rear x 1 | × |
DVI | × | |
HDMI | Rear x 1(2.0a) Rear x 1(1.4,Celeron) | |
4K対応 | 4K/60Hz 4K/24Hz | |
DisplayPort | Rear x 1 | |
シリアルポート | Rear x 1 | Side x 1 |
S/PDIF | × | |
オーディオジャック | Front x 2(Headset/Mic) | Rear x 1 |
サウンドチップ | Realtek ALC662 | Realtek ALC662 |
光学ドライブ | × | |
PCI-Eスロット | × | |
eSATA | × | |
赤外線 | × | |
Optaneメモリ対応 | – | |
最大消費電力 | ||
電源 | 65W / 19V 12V可 | 65W / 19V |
ノイズレベル | ||
VESA | 75×75,100×100 | |
付属品 | ||
その他 | SIMアダプタ(オプション) |
特徴
「NC10U」と「DS10U」はサイズもコンセプトも違いますが、同世代のベアボーンということでCPUやインターフェースに共通点が見られます。
CPUはどちらもIntel第8世代後期のWhiskey Lakeで、Core i7からCeleronまで選択できます。
グラフィックはCPU内蔵のものになりますが、UHD 630はHDMI2.0aに対応しており、HDMIで4K/60Hzの出力が可能です。
Celeron 4205UのみUHD 620でHDMI1.4のため、4K/24Hzとなります。
NC10U
「NC10U」はShuttleのXPCシリーズの中でもXPC nanoに属しており、142mm角とNUCより一回りい大きいサイズのミニPCです。
このサイズそのものは2016年の「NC02U」から変わっておらず、インターフェースの並びも同じであることから、筐体そのものは同じものを使用していると思われます。
インターフェースはやや貧弱な部類に入ります。
フロント部はType-A/Type-CともにUSB3.1 Gen1ですが、リアはなぜかUSB2.0です。
HDMIとDisplayPortのデュアルディスプレイに対応しています。
ちょっと変わっているのがサイド部で、わかりにくいですがシリアルポートがあります。
ShuttleのミニPCはシリアルポートが残っていることが多いような気がします。
内部はNUCに比べて余裕があり、32GB(16GB×2)までのメモリ、M.2 SSD(SATA/PCIe x4両対応)、15mm厚までの2.5インチストレージに対応しています。
Wi-fiはM.2 Key-Eを採用しており、あとからのアップデートが容易に行なえます。
NUCだと交換不可の超小型なチップを採用していることが多いので、この辺りはサイズに余裕のあるモデルならではですね。
反対側も空きますが、ファンがあるだけです。エアフローのためか多少の空間的余裕がありますね。
パッケージにはVESAマウンタなどが含まれます。ネジやらドライバーCDやら、一昔前の古き良きベアボーンパッケージといった感があります。
なお、電源アダプターは65Wです。
DS10U
「DS10U」は200×165mmと、NUCとは言いがたいサイズのファンレスミニPCです。Shuttleでの分類もXPC nanoではなく、XPC slimとなります。
どちらかというとファンレス静音を活かしたデジタルサイネージなどの業務用途向けで、24時間稼働にも対応しています。
付属の電源アダプタは19Vですが、12Vにも対応するということで、使える電源の幅が広いのも特徴です。
もちろん通常のPCと同じように使用することもでき、VESAマウンタを取り付ければモニタの裏に設置することも可能です。
インターフェースはUSB Type-Cこそないものの、USB3.1 Gen2に対応しています。このあたりはComet LakeまたはIce Lake世代機になった時に一新されそうです。
HDMI/DisplayPort/VGAのトリプルディスプレイに対応しており、この辺りも店頭広告向けです。
「NC10U」と同様にシリアルポートもあるので既存(というか古めの)業務用機器にも対応できます。
内部はメンテナンスのしやすい構造となっています。
カバー全体を外さなくとも蓋を外すだけでストレージとメモリ、Wi-fiカードにアクセスできる構造となっています。
もちろんカバー全体も外すことができますが、特にアクセスできる内容が増えるわけではありません。
まとめ
Shuttleは自作PC界隈ではかなりの古株で、設立は1988年、日本でも2000年前後には販売されていた記憶があります。
当時はミニPCといえばキューブ型、キューブ型といえばShuttleといった具合で、2005年のMac mini登場、AopenなどのMac miniクローンが台頭するまではミニPC界隈はShuttleの独壇場でした。
がじぇっとりっぷもAthlon対応の「SK43G」(当時はAthlon ThunderbirdとカノープスのFirebird R7(ヒートシンク)で焼き鳥(笑)なんてのが流行っていて、コア欠けして本当の焼き鳥になるユーザーも続出していました)や、BTXフォームファクタの「SB86i」などを組み立てた覚えがあります。
Mac mini登場以降は国内市場での存在感は薄れつつもコンスタントに新製品を発売しています。
ただ、新製品が発表されても国内向けは発売されたりされなかったりで、今回紹介した「NC10U」は不明、「DS10U」は完成型の「DS1000U」という形で販売されています。
ちなみに「DS1000U」はCeleron 4205U/4GB MEM/128GB SSD(2.5″)/OS無 という組み合わせで税別51,300円となっています。
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