2019年10月15日、Lanovo印のSBC(シングルボードコンピューター)「Leez P710」が中国のショッピングサイトAliExpressに登場しました。
最初は「は?Lenovo?」となりましたが、本当にLenovoでした。
スペック
model | Leez P710 |
メーカー | Lenovo |
発売日 | 2019/10 |
価格 | 140.79ドル |
価格(日本円) | |
CPU | Rockchip RK3399(6コア) (2.0GHz A72 x2 + 1.4GHz A53 x4) |
GPU | Mali-T860 MP4 |
NPU | – |
メモリー | 2/4GB LPDDR4-1866 |
サポートOS | Android 9 Ubuntu Debian他 |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | 802.11 ac |
Bluetooth | 5.0 |
チップ | AP6256 |
ストレージ | eMMC microSD |
USB | 3.0 x 1(Type-C) 3.0 x 1 2.0 x 2 |
GPIO | 40pin x 1 8pin x 2 |
映像 | HDMI(2.0a 4K/60Hz) MIPI-DSI x 1 |
カメラ | MIPI-CSI x 2 |
オーディオジャック | ○ |
その他インターフェース | M.2 Key-B Serial |
消費電力 | |
電源 | 5V / 3A(Type-C) |
幅 | 85mm |
奥行き | 85mm |
高さ | 15mm |
その他 |
特徴
「Leez P710」の初出についてLenovoのサイトを見てみると、どうも一番最初は2019年2月に開催されたMWC(Mobile World Congress)まで遡れるようです。
当時のニュースを探すと、海外でほんのちょっとだけ記事がありました(ほぼ中国語)が、展示写真があったのは探した範囲では1記事のみでした。
完全に5GとかAIとかのメイントピックに隠れてしまっていますね。
ボードの構成はRK3399のインターフェースをフルに活用した形となっています。
面積を広くとっているので、チップの配置もゆったりとしています。
電源とかWi-fi、MIPI端子などイラストで説明しており、パット見でもわかりやすくなっています。
USBは3.0+3.0 TYpe-C、2.0×2と、RK3399の全ポートを使用、電源はUSB Type-Cで兼用しています。
Wi-fiがAP6256なので、最大433Mbpsなのがもったいないですね。
USBサイドを側面から見るとこんな感じです。
高さは2ポート分の15mmとなっていますが、RK3399はヒートシンク必須のSoCなので、あまり高さを抑える意味はありません。
そのヒートシンクをつけたところの画像です。
思ったほど大きくはありません。
画像が小さいですが、裏側にはLTE用のM.2 Key-BスロットとSIMスロット、microSDスロット、eMMCスロットがあります。
サイズ感はこんな感じです(といってもイマイチわかりませんが)。
85mm四方って最近のノートのメインボードより小さいかなってくらいのサイズですね。
パッケージは同梱品に応じて何種類かあります。
これはノーマルというか、同梱なしモデルです。アンテナとヒートシンクのみとシンプルです。
4Gモジュール同梱モデルもあります。
他にも電源同梱、電源とカメラ同梱、10.1インチタッチディスプレイ同梱などがあります。
OSはDebian 9、Ubuntu Classic 18.04、Ubuntu Core、Android 9、Jide RemixOS、PheonixOS、Windows10 IOT、Android 8/7/6/4.4、Chromium OS、FreeRTOS、LibreElec/OpenElecが対応しているとのこと。
ようは、RK3399をサポートしたOSならOKってことですね。
サポートというかマニュアル類はなんとgithubでした(大半はbaiduへのリンクですが…)。
参考:Leez P710 ・ leezsbc/resources:github
用途についても一応書かれており、顔認証、広告ディスプレイ、スマート決済、自動販売機、サービスロボットなどが挙げられています。
スタンドアロンで完結できるものもありますが、基本的には通信ありきの用途です。
さらに言うと販売サイトの説明には「様々な業種のAIアプリケーションに対応(意訳)」とあります。
この想定用途と、差し替えできる4Gモジュールという点、MWCで公開されたことなどを考慮すると、5Gに向けた布石というか、高速通信可能なAIエッジ端末のリファレンスボードというのが「Leez LP710」の立ち位置なんじゃないかなぁと。
まぁ、あくまで推測でしかありませんが。
まとめ
ASUSが「TinkerBoard」を発売している以上、LenovoがSBCを発売してもおかしくはありません。
85mm四方というのはSBCとしてはやや大柄ではありますが、その分スペースにゆとりがあると言い換えることもできます。
価格は同梱品によって140.79ドル(約15,600円)から257.66ドル(約28,600円)です。
ディスプレイ同梱モデルが高いだけで、4Gモジュール同梱モデルでも176.79ドル(約19,300円)です。
配送はデフォルトで無料となっています。
RK3399機としてみれば平凡というか4G向けのM.2 Key-Bスロットくらいしか特徴のない機種ですが、今後Lenovoがどう舵を切っていくのかという視点で見れば、ひとつのターニングポイント的な機種になるかもしれません。
関連リンク
Leez P710 ・ leezsbc/resources:github
Leez:Lenovo
Leez SBC P710:AliExpress
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