2019年12月20日、「Banana Pi」シリーズを開発するSinoVoipは、SunPlus社のSP7021というSoCを搭載する「Banana Pi BPI-F2S」を発売しました。
どうでもいいですが、TOP画像のLANポートが透けているように見えて仕方ないです。
販売サイト:aliexpress、Taobao
スペック
model | BPI-F2S |
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メーカー | SinoVoip |
発売日 | 2019/12 |
価格 | 58ドル |
価格(日本円) | |
CPU | SunPlus SP7021(4コア) (1GHz A7 x4) |
GPU | |
NPU | |
メモリー | 128 / 512MB DDR3 |
サポートOS | Debian 10 Fedora Mate 31 |
有線LAN | 100MbE x 2 |
Wi-fi | × |
Bluetooth | × |
チップ | ST33PH2EI2C |
ストレージ | 8GB eMMC microSD |
USB | 2.0 x 2 2.0 x 1(micro) |
GPIO | 40pin x 1 |
映像 | HDMI(1.4) |
カメラ | MIPI-CSI |
オーディオジャック | × |
その他インターフェース | UART(3pin) JTAG FPGA(50pin) x 2 |
消費電力 | |
電源 | DC 12V |
幅 | |
奥行き | |
高さ | |
その他 |
特徴
「BPI-F2S」はがじぇっとりっぷがこれまで紹介してきたSBC(シングルボードコンピューター)とは趣が異なっていまして、産業向けのボードとなります。
もうちょっと詳しく言うと、開発用のLinuxと産業制御デバイスを仲介する、あるいは産業デバイスをインターネット越しに制御する、といった位置づけのものになります。
SoCのSP7021はLinux動作用のCortex-A7チップとオンボードメモリ(128MB or 512MB)、8051マイクロコントローラー、FPGAを始めとした産業向けインターフェースと電源レギュレーターを一体化した、制御系デバイスを制御するデバイスをターゲットとしたSoCです。
「Raspberry Pi」シリーズなども産業機器に組み込みはできますが、もともとは汎用向け製品であり、制御系に特化しているわけではありません。インターフェースも制御系も持っていますが、汎用系が中心です。
産業グレードの制御系というのはあまり製品がないということで、SP7021が開発されました。
要約すると、低スペックSoCにFPGA制御機能と電源レギュレーターが内蔵されたと思えばいいかと。
産業用ということで動作可能温度は脅威の-40C〜+85°Cです。でも多分他の部品がついてこれません(公式にもそう書いています)。
ブロックダイアグラムで見るとこんな感じで、単体で0.9Vから5Vまで扱えるところとか面白いです。
インターフェースも独特です。
USBやHDMI、MIPI-CSI、ラズパイ互換の40ピンGPIOなどお馴染みのインターフェースに加えて、FPGAの50ピン×2がどどんと鎮座しています。
産業向けのワンチップということもあり、基板上の部品数は少なめ(故障要因を減らす)です。
対応するFPGAボードはXilinx Artix-7で、7セグLEDボードと合わせて載せるとこんな感じになります。
パッケージには上記の2つのボードと12V電源アダプタまでセットになっているので、到着したその日からFPGA開発が可能です。
インターフェース画像では一番右のピンコネクタはありませんが、製品では付いているのでしょうか…?
Xilinx Artix-7 FPGAのスペックは以下のようになっています。
Xilinx Artix-7 XC7A100T-2CSG324C
フラッシュメモリ:32MB
ピンヘッダ:50ピン(2.54mmピッチ)×2、ブレッドボードでの使用可
電源:オンボード電圧レギュレーター付き1.8Vシングル電源
I/O:95(42+42+3+8)
動作周波数:25MHz
I2C EEPROM
サイズ:7.3×3.5cm
コネクタ:JTAG / UART
LED:1
オプション:HyperRAM(8 bis 32 MByte)またはHyperFlash
まとめ
正直なところ産業機器については不勉強なため、今回の記事は自分でも書いていてあまり理解できていません。
FPGAなんて大学時代以来触っていませんし。
当時はALTERAのボードでLチカ、7セグ、モニタ出力、ボタン入力、入力待ちループ、メモリ制御とか組んで最終的に迷路ゲーム(壁は”#”記号)を作った覚えがありますが、コードのたぐいは全部記憶から飛んでますね。
ボードも数万円していましたし、PC一台組めるじゃんとか思っていました。そしてまさか仮想通貨でFPGAが陽の目を浴びる日が来るとも思っていませんでした。
それに比べて「BPI-F2S」は58ドル(約6,300円)です。
本体にFPGAボード、7セグボード、電源アダプタまで込みでこの値段です。
人を選ぶSBCですが、刺さる人にはすごく刺さりそうではあります。
関連リンク
Banana Pi BPI-F2S:BPI wiki
リリースノート:BPI forum
BPI-SINOVOIP/BPI-F2S-bsp:GitHub
SP7021 A Linux Chip for IOT and Industrial Control Applications:SUNPLUS
PLUS1: A Linux Chip for IoT and Industrial Control Applications:Tibbo
Banana Pi BPI-F2S:aliexpress
Banana Pi BPI-F2S:Taobao
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