USB電池。USBで直接充電できる単3形/単4形リチウムイオン電池についてあれこれ

2020年1月20日、BLUEDOT株式会社(千葉)は、USB充電式リチウムイオン単3形電池「BMB-MR3、BMB-MRU3」と単4形電池「BMB-MR4」の系3機種を発表しました。

USB充電式電池は以前より気になっていたので、ちょうどいい機会ということでまとめてみました。

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特徴

USB充電式電池は一般的な充電池と違って充電器を必要とせず、電池本体にUSBケーブルを接続する、あるいは電池自体をUSBポートに挿して充電します。

上の画像ではいま販売されているタイプがちょうど揃っていますね。
USB端子の大きさの都合上、直接USBポートに挿すタイプは単3形のみです。
今後、Type-C規格がこなれてきたら、単4形にもUSBポートに挿すタイプが登場するかもしれません。

電極素材には一般的なニッケル水素もありますが、リチウムイオンを使用しているものが主流です。
むしろ、リチウムイオンでないとUSB充電式の良さを活かせません。

容量的にはリチウムイオン単3形電池で1200〜1700mAh程度です。
エネルギー密度的にはニッケル水素の1.5倍くらいなのですが、充電回路や端子を内蔵する分不利になっています。
充電器を使うニッケル水素電池では1900〜2400mAh辺りが主流ですが、3000mAhなんて製品もあるので、表示容量でもWhrで表す実容量でもかなり負けていますね。

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海外では充電器方式で3000mAhという製品もあるようですが、探した限りでは国内では見当たりませんでした。

リチウムイオン電池のメリット

リチウムイオン電池は、最近ではノーベル賞で話題になりましたので、基礎知識的なものをテレビで見た方も多いかと思われます。

リチウムイオン電池の内部電圧は3.6〜3.7Vで、これを降圧して1.5Vに下げ、乾電池と同じ使い勝手を実現しています。
リチウムイオン電池を乾電池にするメリットは、元の電圧が高く、電池切れ時でも2.3〜2.5Vあるので、容量を使いきるまで安定して1.5Vを出力し続けることができることにあります。

現在の充電池の主流であるニッケル水素電池は満充電時こそ1.4V程度まで出ますが、その後すぐに1.25〜1.30Vまで降下します。
しばらく電圧をキープしたあと、1.2Vを切った辺りからググッと電圧が一気に下がり、1.0Vを切ると充電時期(電池切れ)となります。

機器設計は1.1V付近を最低電圧値に想定して設計・開発することが多いそうで(電卓や時計などでは0.8Vまで使えるものもあるとか)、ものによっては1.2Vくらいで動かなくなるものもあり、実際に使えるのは電池容量の半分〜8割程度ということもあるようです。
この点では最後まで使い切れるリチウムイオン電池が有利です。

また、気温によっては電圧降下が起こり、場合によっては半分程度の時間で1.0Vを割ることもあります。

気温による電圧降下は、リチウムイオン電池ではニッケル水素電池ほど大きくはありません。また、電圧降下が起きても1.5V以上を保てるため、低気温でも容量いっぱいまで使い切ることができます。
なので寒冷地ではむしろ容量の少ないUSB充電式電池の方が長持ちするかもしれません。

もうひとつのメリットが充電時間が比較的短いことです。

充電池大手のPanasonicでは、急速充電の定義を「満充電まで5時間以下」としています。8〜10時間かけてゆっくり充電するのが、ニッケル水素充電池に優しい方法とされています。
電流を上げて短時間で充電ができる充電器もありますが、相応の負荷がかかり、電池の寿命を短くします。
がじぇっとりっぷが所有する充電器は単3形4本を30分強で充電しますが、電池寿命は半分になると言われています(現在は廃盤)。
半分でも250回なので、十分といえば十分なんですけどね。

リチウムイオン電池は発火・爆発の恐れがあるため急速充電はNGですが、1時間で90%、2時間で100%が標準とされています。
これが通常充電なので、寿命が短くなるということもありません。

電気自動車のリチウムイオン電池は種類が違うので急速充電が可能で、最近のスマホのバッテリーもこちらの種類が使われるようになっています(その代わりサイクル寿命が短いです)。

リチウムイオン電池のデメリット

リチウムイオン電池のデメリットで一番に挙げられるのは安全性でしょう。
バッテリーの発火・爆発はたびたびニュースにもなっています。
とはいっても現在は保護回路もしっかりしているので、よほどの高温下に長時間放置でもしない限りは大丈夫です。

もいひとつの問題として、バッテリーが膨らむ現象があります。
これは内部の電解質がガス化して体積が膨張することで発生するもので、最近では電解質の種類を買えることで解消されつつあります。

また、意外ではありますが、リチウムイオン電池は電池切れ状態だけでなく満充電状態での放置にも弱いです(保存劣化といいます)。
リチウムイオン電池を保存するときは半分充電くらいがベストとされています。

あと、根本的な問題として、ちょっとお高めというのも挙げられますね。

販売されている機種

Amazonでそれなりに評価されているものをピックアップしてみました。

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注意点

現在販売されているUSB充電式リチウムイオン乾電池のほとんどは海外製です。

海外製の電池を使用する上での注意点として、サイズがあります。
円筒形電池はJISおよび国際規格(IEC 60086)では以下のように定められています。
正式に規格で定められているのは上限のみで、下限は参考値となっています。

R6(単3形):高さ/49.2mm~50.5mm、直径/13.5mm~14.5mm
R03(単4形):高さ/43.3mm~44.5mm、直径/9.5mm~10.5mm

一般的にはだいたい中間の高さ/50.0mm、直径/14.0mm付近で製造されますが、海外製品では容量確保のためだとか、エネルギー密度が低くて安い素材を使ったりとか、様々な理由で、規格上限ギリギリのサイズを攻めてくることがあります。

一応規格内ではあるので基本的に問題になることは少ないのですが、時折電池ケースの幅に収まらない場合があります。
高さについてはそもそも接点はバネなので、問題になることがほぼありません。

充電器式はないのか

国内での話と限定しますが、充電器方式の1.5V出力充電池は販売されていません。
3.7V出力のもの奈良販売されています(普通は大型の16500や26500サイズですが、14500という単3形、10440という単4形のものもあります)。

そもそも充電器に求める出力電圧が異なっているので、ニッケル水素電池用の充電器ではリチウムイオン電池は充電できません。
逆にリチウムイオン電池用の充電器でニッケル水素電池を充電してしまうと、発火・爆発の危険もあります(普通は保護回路や判別回路が付いていますが)。

現状だと、下手に混ぜるよりも、充電器を使うニッケル水素充電池、USBで充電するリチウムイオン充電池と住み分けるのが最適解なのでしょう。
そのうち、両対応の充電器が普通になる時代が来るんじゃないかと思います。

まとめ

リチウムイオン電池は現在でも盛んに研究が行われており、大容量化、充電時間の短縮、発熱・発火問題などが取り組まれています。

現時点ではニッケル水素電池にも満たない容量ですが、将来的にはリチウムイオン電池の方が大容量になるでしょうし、出力電圧の点からも将来は主流の座を奪うのではないでしょうか。

“少し未来”の電池、試してみるのもいいかと思います。

関連リンク

プレスリリース:BLUEDOT
USB充電式リチウムイオン単3形/単4形電池 先割販売中:BLUEDOT