国内販売開始! ASUS「Tinker Edge T」はNPU搭載のSBC

シングルボード

2020年1月22日、ASUSのAI推論向けSBC「Tinker Edge T」が発売されました。

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スペック

※ASUS「TinkerBoard S」のスペックを併記しています。

モデル名Tinker Edge Ttinker board S
メーカーASUSASUS
発売日2020/012018/01
価格168.35ドル$80
価格(日本円)21,600円(税抜)9800円
CPUNXP i.MX8M(4コア)
(1.5GHz A53 x 4)
Rockchip RK3288
(1.8GHz A17 x4)
GPUGC7000 Lite(1GHz)Mali-T764(600MHz)
NPUGoogle Edge TPU
メモリー1GB LPDDR42GB LPDDR3
サポートOSMendel Linux
Debian
Android
Tinker OS
Android 6
Debian 9
有線LAN1GBE x 11GbE x 1
Wi-fi802.11ac802.11b/g/n
Bluetooth4.24
チップRTL8211F-GCRTL ACL4040
ストレージ8GB eMMC
microSD
16GB eMMC
microSD
USB3.2(Gen1) x 2
3.2(Gen1) x 1(TypeC)
2.0 x 4
GPIO40pin x 140pin x 1
映像HDMI x 1
MIPI DSI x 1
HDMI(4K/30Hz) with CEC
MIPI-DSI
カメラMIPI-CSI2 x 2MIPI-CSI
オーディオジャック○(24bit/192kHz)
S/PDIF
その他インターフェース
消費電力
電源DC 12V〜19VmicroUSB 5V/2A
85.6mm85.6mm
奥行き54mm54mm
高さ21mm
その他

特徴

「Tinker Edge T」は2019年5月にi.MX8M搭載の「CR1S-CM-A」およびRK3399Pro搭載の「Tinker Edge R」とともに発表されたものです。
その後、2019年11月の「ET & IoT Technology 2019」で展示され(この時点では2019年12月発売となっていました)、ようやくの発売となりました。

ASUSは以前に「Tinker Board」「Tinker Board S」を発売していますが、名前から分かるように「Tinker Board」は単体ボードとしてのSBC、「Tinker Edge T」はエッジ端末向けと方向性がまったく異なっています。

【CES2018】ASUSのSBCが新たにストレージを搭載して「Tinker Board S」として登場!国内販売も予約中

「Tinker Edge T」はSoC(System on Chip)にNXP社のi.MX 8Mを搭載しています。
NXP社のSoCはモデル名が多くて分かりづらいのですが、i.MX 8シリーズは”8″、”8M”、”8X”の3ファミリーに分け、それぞれのファミリー内で細分化するという、階層型のモデルナンバーとなっています。

i.MX 8Mファミリーはさらに”8M”、”8M Mini”、”8M Nano”、”8M Plus”と分かれていますが、「Tinker Edge T」に搭載されているものはスペックからして”無印8M”の「8M Quad」「8M QuadLite」のいづれかと思われます。
「8M Quad」「8M QuadLite」の違いは4K60Hz表示に対応するかどうかなのですが、スペック表からは判断できませんでした。

i.MX 8M(無印)のブロックダイアグラムは以下のようになっています。

NPUにはGoogle製の「Edge TPU」を搭載しています。SoCとの接続はおそらくですがPCIe 2.0での接続です。
というか「Tinker Edge T」はGoogle謹製の「Coral Dev Board」にスペックがよく似ています。

Google謹製! 「Dev board」は機械学習用のTPUを搭載したエッジデバイス向けSBC

TPUはTensor Processing Unitの略で、名前の通りTensorFlow(正確にはTensorFlow Lite)に特化しています。
性能は0.5W/TOPSで、最大4TOPSとされています。

TensorFlowの各バージョンとの対応詳細は本家FAQを見たほうが早いです。

参考:https://coral.ai/docs/edgetpu/faq/ :Coral

「Coral Dev Board」はスピーカー端子とデジタルPDMマイクを備えていて、音声系にも強くなっていましたが、「Tinker Edge T」にはそのようなものがなく、オーディオジャックすらありません。
代わりに、独立した電源端子を持ち、最大で45Wの給電を可能とすることで複数のデバイス接続に耐えられるようになっています。

メモリは1GB LPDDR4で、ストレージは8GB eMMCです。
AI推論向けSBCってメモリ1GBが多いのはなんでだろう…?

ボードの表裏です。
表側はファンの電源ケーブルの下にMIPI-DSI端子があります。
底面側にはMIPI-CSI端子が2つと、microSDスロットがあります。

インターフェースです。USB+LAN端子がちょっと背が高いですね。
ポジティブな見方をすれば、この端子に高さを合わせればファンのための空間を確保できます。
「Coral Dev Board」は2方向にインターフェースがありましたが、「Tinker Edge T」は1方向に全てを集めているのでクラスター化がしやすそうです。

箱はこんな感じ。
ASUSらしいポップな雰囲気です。

パッケージにはバックボードとネジが含まれています。
…どう使えばいいんだろう…?

まとめ

「Tinker Edge T」は国内販売も始まっており、価格は税抜き21,600円です。海外だと168ドルです。ちょっとお高い…
ほぼ同等スペックの「Coral Dev Board」は税込20,166円(150ドル)なので15%くらい安くなっています。

ただ、「Coral Dev Board」はカメラインターフェース(MIPI-CSI)が1ポートなので、カメラと連携しての映像分析をするのであれば、2カメラ同時が可能な「Tinker Edge T」の方が向いています。

音声の「Coral Dev Board」、映像の「Tinker Edge T」と使い分けるのが用途にかなっているようです。

関連リンク

Tinker Edge T:ASUS
販売サイト:Physical Computing Lab

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