予想外だけどアリ。Hardkernel「ODROID-HC4」はHDDスタンド型SBC

シングルボード

2020年10月19日、SBCメーカーのHardkernel(本社:韓国)はSoCにAmlogic S905X3を搭載したNAS向けSBC「ODROID-HC4」を発表しました。

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スペック

CPUAmlogic S905X3
メモリ4GB DDR4-2666
ストレージmicroSD×1
SATA×2
画面HDMI2.0×1
USB2.0×1
wi-fiなし
サイズ84×90.5×25mm(ボード)
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モデル名Odroid-HC4
メーカーHardkernel
発売日2020/10
価格65ドル
75ドル(OLED込)
価格(日本円)
CPUAmlogic S905X3 (4コア)
(1.8GHz A55 x 4)
GPUMali-G31 MP2
NPU
メモリー4GB DDR4-2666
サポートOSUbuntu
有線LAN1GbE x 1
Wi-fi×
Bluetooth×
チップRTL8211F
ASM1061
ストレージSATA3 x 2
microSD
USB2.0 x 1
GPIO5pin x 1(LCD用)
映像HDMI(2.0 4K)
カメラ×
オーディオジャック×
その他インターフェースIR Receiver
UART
消費電力15.59W
電源DC 14.5~15.5V
15V / 4A推奨
84mm
奥行き90.5mm
高さ25mm
その他重さ:280g(ケース込)

特徴

「ODROID-HC2」はこれまで紹介してきたSBC(シングルボードコンピューター)とは全く毛色が違い、タイトルにもあるようにHDDスタンド型となっています。本家では”トースターフォームファクター”と呼んでいますね。

ぶっちゃけ、最初見たときは予想の斜め上過ぎて衝撃的でしたが、これはアリだ!と。
SBC好きならトップ画像だけでテンション上がると思います(断言)。

ちなみに型番の”HC”は”Home Cloud”の頭文字が由来です。

先代となる「ODROID-HC1/HC2」は、ベースは同じでHC1が2.5インチ向け、HC2が3.5インチ向けの1ベイNAS型SBCでしたが、2ベイ(?)になりました。

https://www.hardkernel.com/shop/odroid-hc1-home-cloud-one/

SoC(System on Chip)は4コアのCortex-A55なAmlogic S905X3です。S905X3は「ODROID-C4」にも使われていますね。

4GBメモリで50ドル。Hardkernel「ODROID-C4」はS905X3搭載SBC

Cortex-A55という比較的新しいアーキテクチャを採用していますが、絶対性能はそれほど高いわけではなく、Antutuで6.5万点程度です。
その代わりに消費電力が低く、常時稼働に向いています(この辺りは上の記事で詳しく書いています)。

メモリは4GB DDR4-2666なので、このクラスとしては十分でしょう。

▲S905X3のブロックダイアグラム図です。

USB3.0/PCIeがあったり、ステレオオーディオDACを持っていたりします。

▲「ODROID-HC4」ではPCIeをSATA×2に割り当てています。

オーディオ周りは使われていません。コア部分の左下にあったAI推論用のNPUも外していますね。

▲トップ画像の3.5インチだけでなく、2.5インチストレージにも対応しています。

ちなみに刺さっているHDDは12TBなので、2台で24TBです。一台3.5万円くらいするので、持つと結構緊張します。

Linux稼働であればソフトウェアRAID(RAID 0/1)にも対応しています。

▲背面はこんな感じです。

USBは2.0なのが残念ですが、SoCのインターフェースが足りていないので仕方ないですね。
HDMIは4K/60Hz出力可能ななHDMI2.0で、LANポートは1GbEです。

▲基板の表側です。

SATAポートは直付けです。間にあるのがメモリで、右上には赤外線レシーバーが付いています。

SATAの速度は、Hardkernelの計測では390~420MB/sだったとのこと。
また、LANポートでのデータ転送は安定して110MB/s前後を保てるようです。

▲SoCは基板の裏側についています。

右上がファンコネクタで、S905X3の下にあるチップがPCIe→SATA変換チップ(ASM1061)です。

▲ケースの表側についていたアドオンボードはオプションです。

RTC(Real Time Clock)と1インチのOLED(有機EL)パネルがセットになっています。
RTCなので、ボタン電池が付けられるようになっていますね。

OSはUbuntu20.04に対応し、Androidやいくつかの別ディストリビューションも今後数週間以内に対応するとのこと。

まとめ

S905Xシリーズはセットトップボックス(テレビでネット視聴するための装置、TVボックスとも)によく使われており、ストリーミングサービスの受信機兼メディアプレーヤーとしての実績が豊富です。

「ODROID-HC4」も見た目のインパクトに惑わされますが、中身だけでいえばストレージ2台収容可能なNAS兼メディアプレーヤーに分類されるでしょう。

「ODROID-HC4」の価格はケース付きで65ドル(約6,800円)、OLEDアドオンボード付きで75ドル(約7,860円)、10月27日発売予定です。

普通の2台用HDDスタンドでも4000円前後するので、NAS化できてこの値段はアリですね。

中身的にはUbuntuになるので、Webサーバーやメディアサーバー程度なら立ち上げることもできるでしょう。これでUSB3.0があって外付けUSBストレージにもなるのだったら文句なしだったんですけどね…

とはいえ今までにないタイプですし、割と実用的な製品なので、SBCというマイナージャンルながら結構人気が出る気がします。

関連リンク

ODROID-HC4:ODRPOD wiki
リリースノート:ODROID forum

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