2020年9月29日、QNAPはデュアルコアのCeleron J4025を搭載した4ベイNAS「TS-451D2」を発売いたしました。
スペック
| 型番 | TS-451D2 |
|---|---|
| メーカー | QNAP |
| 価格 | 52,000円前後 |
| 発売日 | |
| 幅 | 160 |
| 高さ | 165.3 |
| 奥行き | 219.4 |
| CPU | Intel Celeron J4025 2.0GHz Dual-Core |
| 内部フラッシュメモリ | |
| メモリ | 2/4GB SO-DIMM DDR4 |
| 最大メモリ | 8GB(2slot) |
| ホットスワップ | ○ |
| SSD対応 | ○ |
| NIC (1GbE) |
2 |
| NIC (10GbE) |
– |
| LA/PT | ○ |
| USB2.0 | – |
| USB3.0 | 4 |
| USB type-c | – |
| eSATA | – |
| PCIe | – |
| SDカード | – |
| HDMI | 2.0 x1 |
| 4K対応 | 4K/60Hz |
| DisplayPort | – |
| S/PDIF | – |
| オーディオジャック | – |
| スピーカー | – |
| 赤外線 レシーバー |
– |
| ハードウェア 暗号化 |
○ |
| ハードウェア アクセラレーション |
○ |
| IPカメラ (無償) |
2 |
| IPカメラ (最大) |
32 |
| 仮想化 (VMWare) |
○ |
| 仮想化 (Windows) |
○ |
| 仮想化 (Citrix) |
○ |
| 仮想化 (OpenStack) |
|
| 仮想マシン (VirtualBox) |
○ |
| 仮想マシン (Docker) |
○ |
| 対応RAID | 0/1/5/6/10 |
| ファイルシステム | EXT4 |
| システム ファン |
120mm x 1 |
| ノイズレベル | 18.5dB |
| Wi-fi | |
| 消費電力 | |
| 重さ | 2.09kg |
| DTCP+ | |
| DTCP-IP | × |
| DLNA | ○ |
| iSCSIターゲット | ○ |
| iSCSI LUN | ○ |
| ユーザー数 | 4096 |
| グループ数 | 512 |
| 並列接続数 | 800 |
| 共有フォルダ | 512 |
| スナップショット | 1024 |
| read性能 | 220 |
| write性能 | 224 |
| read性能 (暗号化) |
|
| write性能 (暗号化) |
|
| 備考 | 90W電源 |
特徴
QNAPは製品を企業向け、SMB(中小企業)向け、Home向けにカテゴライズしており、さらにそれぞれでエントリー、ミドル、ハイエンドに分類しています。
おおよその分類イメージは下記のような感じです(すべてのモデルに当てはまるわけではありません)。
SMB上位:Intel Core系、PCIe×2など、ラック型が中心
SMB中位:Intel系CPU、2.5GbE、PCIeスロットなど
SMB下位:ARM系SoC、10GbE
Home上位:Intel系CPU、LANは2ポート
Home中位:ARM系SoC、LANは2ポート
Home下位:ARM系低性能SoC、メモリ固定、LANは1ポート
その分類において、「TS-451D2」はHome向けハイエンドに位置づけられています。

同じ分類にあるのはがじぇっとりっぷでも記事にしたことのある「TS-251D」などです。

Homeはミドルレンジ以下はARM系SoCとなるので、「TS-451D2」はIntel系CPU搭載機としては実質的に最下位モデルとなります。
「TS-451D2」に搭載されるCPUはCeleron J4025で、Gemini Lake Refresh世代で2.0~2.9GHzの2コア2スレッドなCPUです。
Celeron J4025:Intel ark
PassMarkスコアはマルチスレッドで2000弱とそこそこの点数を出しており、Apollo Lake世代の4コア(N3450やJ3455)とほぼ同等です。
一方で上位機種にあたる「TS-453D」に搭載される同世代で4コア4スレッドのCeleron J4125と比較すると6割程度にとどまり、コア数の差が如実に表れています。
Celeron J4025でもNASとして使う分には性能を十全に発揮できるでしょうが、デスクトップ化したり、複数のアプリを動かしたりするにはやや力不足と言えるでしょう。
メモリは2GBまたは4GBで、最大8GB(2スロット)です。
ここは毎回書いているように、仕様外ですが32GB(16GB×2)までは認識するものと思われます。
2021年12月13日追記:あくまでIntelの仕様ではCeleron J4025のメモリは最大8GBとされています。価格.comにて認識できなかったとの報告もあるので、8GB以上への増設は自己責任でお願いします。
実際、Celeron J4125を搭載する「TS-253D」でのレビューでは、32GBを認識しています。

ネットワークは最近トレンドとなっている2.5GbEはなく、1GbE×2どまりです。
最下位クラスだからと言われてしまえばそれまでですが、拡張用のPCIeスロットも持たないモデルなので、せめて1ポートだけでも2.5GbEに対応してほしかったところです(そうなると他のモデルとの兼ね合いが難しくなるんですけどね)。
ちなみにQNAPでは製品比較を簡単に行うことができます。
一例として、最近発売された4ベイモデルを比較したリンクを置いておきます。

ここからは「TS-451D2」の外観です。

▲フロントです。
基本デザインは他の4ベイNASと共通で、HDDベイは鍵付きタイプとなっています。

▲背面です。
背面のUSBは3ポートとちょっと多くて、上部にはHDMIが付いています。
「TS-451D2」の数少ない長所の一つがこのHDMIで、4K/60Hz出力に対応しており、ディスプレイやテレビに接続して、高画質なマルチメディアプレーヤーとして使うことができます。

▲ボードのある左サイドには吸気口が開けられています。
他のモデルと同じ構造ならば、底面側にも吸気口が開けられているでしょう。
ソフトウェア面では、「TS-451D2」はIntel CPUなので、仮想マシンを扱う「Virtualization Station」やDockerを扱う「Container Station」をインストールすることもできます。
が、前述のとおり処理性能は高くないので、これらを使う場合はほどほどに留めるべきでしょう。
というか、複数アプリを起動させたり、仮想マシンを使いたければ、素直に上位の「TS-453D」を買った方がいいですね。
まとめ
「TS-451D2」は発売されたと言っても実はまだ各ショッピングサイトにラインナップされておらず、実際の販売価格が分かりません。市場想定価格は52,000円となっています。
この値付け、なかなかに絶妙だったりします。
最近発売された4ベイモデルをざっくり比較するとこんな感じです。(AlpineはARM系SoCです)
| CPU | LAN | 映像出力 | PCIe | 価格 | |
| TS-453D | Celeron J4125 | 2.5GbE×2 | ○ | ○ | 67,000円前後 |
| TS-431KX | Alpine AL214 | 10GbE×1(SFP+) 1GbE×2 |
× | × | 60,000円前後 |
| TS-431P3 | Alpine AL314 | 2.5GbE×1 1GbE×1 |
× | × | 60,000円前後 |
| TS-451D2 | Celeron J4025 | 1GbE×2 | ○ | × | 52,000円前後 |
| TS-431K | Alpine AL214 | 1GbE×2 | × | × | 40,000円前後 |
ちょうど空白だった価格帯を埋めています。
安価にマルチメディアプレーヤー兼用NASが欲しければぴったりですが、転送速度が欲しくなると足りないという、まさに帯に短し襷に長しといったところでしょうか。
まぁすべて、「TS-453D」を買えば解決する話なんですけどね(笑)







コメント
IntelはこのCPUの最大メモリは8GBとしてます。
価格コムでも16GBはダメだったと報告もあるので、ご注意ください。
https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/products/sku/197307/intel-celeron-processor-j4025-4m-cache-up-to-2-90-ghz/specifications.html
https://bbs.kakaku.com/bbs/K0001304326/SortID=24351364/
コメントありがとうございます。
追記にて自己責任の旨を追加しました。
ただ、アーキテクチャ面ではJ4125とは変わらないはずなので、この辺りはグレーゾーンな話ですね。