性能を引き出せ! QNAP「TS-251D」はGemini Lakeになってパワーアップ

NAS

2020年1月21日、QNAP(台湾)はホームユース向けの2ベイNAS「TS-251D」を発表しました。
内容からしてがじぇっとりっぷでも以前にレビューした「TS-251B」の後継モデルとなります。

[レビュー] QNAP「TS-251B」を試用してみました [ハードウェア編]

※2020年3月26日追記:2020年2月28日に発売しました。

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スペック

※比較として「TS-251B」のスペックを併記します。

型番TS-251DTS-251B
メーカーQNAP
価格33,000円(2GB)
発売日2020/012018/08
105
高さ226
奥行き168
CPUIntel Celeron J4005
2.0GHz Dual-Core
Intel Celeron J3355
2.0GHz Dual-Core
内部フラッシュメモリ4GB
メモリ2/4GB SO-DIMM
DDR4
2/4GB SO-DIMM
DDR3L-1866
最大メモリ8GB(2slot)
ホットスワップ
SSD対応
NIC(1GbE)1
NIC(10GbE)オプション
リンクアグリケーション/
ポートトランキング
USB2.03
USB3.02
USB type-c
eSATA
PCIe1(2.0 x4,ロープロ)1(2.0 x2,ロープロ)
SDカード
HDMI2.0 x11.4b x1
4K対応4K/60Hz4K/30Hz
DisplayPort
S/PDIF
オーディオジャック3(in x2/out)
スピーカー
赤外線レシーバー
ハードウェア暗号化
ハードウェア
アクセラレーション
IPカメラ(無償)8
IPカメラ(最大)128
仮想化(VMWare)×
仮想化(Windows)×
仮想化(Citrix)×
仮想化(OpenStack)×
仮想マシン
仮想コンテナ(Docker)
対応RAID0/1
ファイルシステムEXT4
システムファン70mm x 1
ノイズレベル16.7dB
Wi-fiUSBアダプタ
消費電力15.25W
重さ1.48kg1.53kg
DTCP+
DTCP-IP×
DLNA
iSCSIターゲット
iSCSI LUN
ユーザー数4096
グループ数512
並列接続数800
共有フォルダ512
スナップショット1024
read性能982647
write性能892519
read性能(暗号化)615
write性能(暗号化)320
備考65W ACアダプター
read/writeは10GbE時

特徴

「TS-251D」は、QNAP内の分類でホームユース・ハイエンドに属する2ベイNASです。

前述の通り、「TS-251B」の後継に当たりますが、主な変更点はCPUがApollo Lake世代のCeleron J3355からGemini Lake世代のCeleron J4005に変わったこと、CPU変更に伴うスペックアップです。

型番TS-251DTS-251B
CPUIntel Celeron J4005Intel Celeron J3355
メモリ2/4GB SO-DIMM
DDR4
2/4GB SO-DIMM
DDR3L-1866
PCIe1(2.0 x4,ロープロ)1(2.0 x2,ロープロ)
HDMI2.0 x11.4b x1
4K対応4K/60Hz4K/30Hz
オーディオジャック3(in x2/out)
スピーカー
read性能(MB/s)982647
write性能(MB/s)892519

スペック表から変更点抜粋

ただ、このスペックアップがかなり大きいです。

メモリ

メモリはDDR3L-1866からDDR4-2400になり、入手性が良くなりました。
また、動作クロックが向上した分、速度も早くなっています。

DDR3は駆動電圧でDDR3(1.5V)、DDR3L(1.35V)、LPDDR3(1.2V)と大きく3つに分かれており(ECC対応などを除く)、互換性のあるメモリとないメモリが入り混じっていました。
DDR4はデフォルトで1.2Vであり、規格としてはLPDDR4(1.1V)やLPDDR4X(0.6-1.1V)もありますが基本的にはオンボード向けであり、メモリ単体で販売されるところは見たことがありません。つまり、買ったら使えなかったということがDDR3に比べ大幅に減っています。
また、DDR3では主流は8GBまでで16GBは少量しか流通しておらず高額、DDR4は32GBまで販売されており、16GBメモリでも1枚6千円台から販売されています。

スペック上というか、Celeron J4005の仕様上はメモリは最大8GBとなっていますが、Apollo Lakeの時と同様に非公式ながらメモリ16GBで稼働させた話や、BTOで32GBを搭載させるモデルなんかも散見されます。

「TS-251D」で16GBや32GBができるかは不明ですが、できたらいろいろなアプリを同時に起動させておいたり、仮想マシンをインストールしてメディアプレイヤー兼リビングPCにしたりと、やれることは多そうです。

PCIe

「TS-251D」は「TS-251B」に引き続き、ロープロファイルながらPCIeスロットを備えていますが、PCIe2.0 x2からPCIe2.0 x4になりました。
PCIe2.0は1レーン当たり片方向0.5GB/s(=4Gbps)なので、x2(2レーン)だと最大8Gbpsでした。その結果、10GbEカードを使ってもせいぜい650MB/sまでしか出ず、性能を最大限に発揮できているとは言いがたい状況となっていました。

QNAPにはQM2-2S10G1TA(M.2 SATA SSD+10GbE)およびQM2-2P10G1TA(M.2 NVMe SSD+10GbE)という他で見たことのない変態的な拡張カードがあるのですが、10GbEだけでも足りていない状況ではどうなるかは言わずもがなですね。

拡張カード (インタフェースカード)
システムのパフォーマンスを向上し、アプリケーションの完全なポテンシャルを解放

ところが「TS-251D」は帯域が2倍のx4(4レーン)で片方向最大16Gbpsとなり、10GbEカード使用時の転送速度が最大982MB/sまで改善しています。

帯域にはまだ余裕があるため、M.2 SSD+10GbEカードを使っても現実的な速度が出るでしょう。
ちなみにM.2 SSD増設カードを使うと、「TS-251D」でもSSDキャッシュを使うことができるようになるので、実転送速度の改善につながります。

グラフィック

グラフィックはUHD 500からUHD 600になりました。性能は大雑把に2割増しくらいです。
グラフィックが更新されたことで、HDMIは1.4bから2.0になり、最大4k/30Hzから最大4K/60Hzになりました。
元の性能的にゲームは厳しいですが、ストリーミング鑑賞や映画鑑賞などは可能なので、画面の滑らかさがアップします。

外観

外観については、「TS-251B」をほぼ踏襲しています。筐体サイズはまったく同じです。

前後のインターフェースです。

比較として、「TS-251B」のインターフェースも掲載します。
大きな違いはオーディオジャックとスピーカー穴がなくなった点ですね。

なくても問題ないといえば問題ないのですが、NAS+TV+サウンドバーみたいな環境が構築しにくくなりました(まぁ、やる人は滅多にいないでしょうが)。

前面のLEDは表記がすっきりしてアイコンになったのですが、これは良し悪しというか、ひと目では分かりにくくなったので普通に前の表記でよかったんじゃないかなぁと。

カバーの色がブラウンからブルーになったのは、ポップさが増して好印象です。

サイドや内部のHDDトレーは「TS-251B」から変化はありません。

まとめ

「TS-251D」は「TS-251B」の後継として、もう一歩と感じていた点が綺麗に改善されています。

CPU性能も上がっていますし、性能を使い切るにはメモリを8GBくらいに増やして、拡張カードも挿した上で、仮想マシンを立ち上げたり複数のアプリを動かしたりするくらいしないといけないでしょう。
無理にそこまでしなくても余裕があるのはいいことですし、あれこれ動かさずにゆるゆると回せば消費電力も低いですし、言うことなしです。

今のところ国内発売のアナウンスはありませんが、日本語の製品ページが作られていること、先代の「TS-251B」は発売されていたことから、そう遠くないうちに発売されるものと思います。

なお、海外での価格ですが、米Amazonでメモリ2GBモデルが299ドル(約32,400円)、メモリ4GBモデルが339ドル(約36,800円)で発売されています。
在庫処分と思われる「TS-251B(2GB)」が262ドルなので、価格帯はほぼ変わらないと思っていいでしょう。

※2020年3月26日追記:2020年2月28日に発売し、価格は37,000円弱でした。

「TS-251B」はかなりの人気を誇ったモデルだったので、改良された「TS-251D」もまた人気のモデルになるでしょうね。

関連リンク

TS-251D:QNAP
ニュースリリース:QNAP(英語)

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