CES直前! モバイル向けRyzen 5000シリーズの分かっている情報まとめ

毎年1月にラスベガスで開催されている「CES」が、今年は2021年1月11日~1月14日(現地時間)の期間でオンライン開催されます。

ここ数年、AMDはCESで新APU(AMDでのグラフィック内蔵CPUの呼び名)を発表し、今年もモバイル向けAPUを発表するものと目されています。

ただ、その内容はかなりの部分がリークされており、おおよそのスペックは把握できるようになっています。

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現在判明していること

モバイル向けRyzen 5000シリーズで判明していることは以下の通り

・”H”シリーズと”U”シリーズで展開
・”U”シリーズはZen2(Lucienne)とZen3(Cezanne)が混在
・Zen2(Lucienne)もSMT(Intelでのハイパースレッディング)対応
・製造プロセスは7nm
・CPUソケットはZen2と同じFP6
・コア/スレッド数は変わらず、最大8コア16スレッド
・GPUは”Vega 20″シリーズで変更なし
・GPUは最大8CU
・PCIeレーンが12から20に増加(Zen3)
・L3キャッシュは最大16MBに倍増(Zen3)
・L3キャッシュの分ダイサイズが10%ほど大きくなる(156mm2 → 175mm2)

▲画像はvideocardz.comより引用

ダイサイズが大きくなる=コスト増=高価格という図式から、エントリー/ミドル向けの低価格APUとしてZen2(Lucienne)が用意されたと言われています。

Zen2(Lucienne)はL3キャッシュについてはRyzen 4000シリーズのZen2(Renoir)から変わらず、最大8MB(4MB×2)となっています。

なお、コードネームのCezanneはRenoir(ルノワール)と同時期の、フランスの画家ポール・セザンヌにちなみ、Lucienneはフランスの画家Lucienne Bisson(ルノワールの隠し子)にちなんでいます。

Zen2(Lucienne)はRenoir Refreshとされ、Zen2(Renoir)の改良版に当たるので、このようなコードネームが付いたものと思われます。

スペック

Cezanne-H

モデル コア/スレッド数 ベースクロック Boostクロック GPUコア数 GPUクロック L1キャッシュ L2キャッシュ L3キャッシュ TDP
Ryzen 9 5980HX 8 (16) 16MB 35-45W
Ryzen 9 5900HX 8 (16) 3.3 GHz 4.7 GHz 8 512KB 4MB 16MB 35-45W
Ryzen 9 5900H 8 (16) 3.3 GHz 4.65 GHz 8 512KB 4MB 16MB 35-45W
Ryzen 9 5900HS 8 (16) 3.2 GHz 4.5 GHz 8 512KB 4MB 16MB 35-45W
Ryzen 7 5800H 8 (16) 3.1 GHz 4.45 GHz 512KB 4MB 16MB 35-45W
Ryzen 5 5600H 6 (12) 3.1 GHz 4.1 GHz 384KB 3MB 8MB 35-45W

Cezanne

モデル コア/スレッド数 ベースクロック Boostクロック GPUコア数 GPUクロック L1キャッシュ L2キャッシュ L3キャッシュ TDP
Ryzen 7 5800U 8 (16) 2.0 GHz 4.4 GHz 8 2000 MHz 512KB 4MB 16MB 10-25W
Ryzen 5 5600U 6 (12) 2.3 GHz 4.3 GHz 7 1800 MHz 384KB 3MB 12MB 10-25W
Ryzen 3 5400U 4 (8) 2.6 GHz 4.0 GHz 6 1600 MHz 256KB 2MB 8MB 10-25W

Lucienne

モデル コア/スレッド数 ベースクロック Boostクロック GPUコア数 GPUクロック L1キャッシュ L2キャッシュ L3キャッシュ TDP
Ryzen 7 5700U 8 (16) 1.8 GHz 4.3 GHz 8 1900 MHz 512KB 4MB 8MB 10-25W
Ryzen 5 5500U 6 (12) 2.1 GHz 4.0 GHz 7 1800 MHz 384KB 3MB 8MB 10-25W
Ryzen 3 5300U 4 (8) 2.6 GHz 3.85 GHz 6 1500 MHz 256KB 2MB 4MB 10-25W

性能について

全体的な性能は不明ながら、一部のAPUについてはベンチマークスコアが発見されています。

例えば一例として、GeekBench5では多数のスコアが発見されており、かなりの情報を得ることができます。

Search Results for Ryzen 9 5900HX
Search Results for Ryzen 9 5900H
Search Results for Ryzen 7 5800H
Search Results for Ryzen 5 5600H
Search Results for Ryzen 7 5800U
Search Results for Ryzen 7 5700U
Search Results for Ryzen 5 5500U

Ryzen 4000シリーズとスコアを比較するとこんな感じです。

CPU GeekBench 5
Ryzen 9 5900HX(8C/16T) 82191472
Ryzen 9 5900H(8C/16T) 93251520
Ryzen 7 5800H(8C/16T) 76001450
Ryzen 9 4900HS(8C/16T) 70291091
Ryzen 7 4800H(8C/16T) 66301092
Ryzen 7 5800U(8C/16T) 64501421
Ryzen 7 5700U(8C/16T) 67001170
Ryzen 5 5600H(6C/12T) 60001370
Ryzen 7 4800U(8C/16T) 58401023
Ryzen 5 5500U(6C/12T) 56001100
Ryzen 5 4600H(6C/12T) 4817999
Ryzen 7 4700U(8C/8T) 4765971
Core i7-1165G7(8C/8T) 46581409

上段:マルチスレッド、下段:シングルスレッド

緑がZen3、ピンクがZen2(Lucienne)としています。

同じZen2でもRyzen 7 4700UとRyzen 7 5700Uではシングルスレッド性能が2割ほど伸びている上に、SMT技術でスレッド数が倍になっているので、マルチスレッド性能は4割向上しています。

そしてZen2とZen3の比較として分かりやすいRyzen 7 5700UとRyzen 7 5800Uでは、シングルスレッド性能がさらに2割向上しています(マルチスレッドが伸びてないのは個体差か検証機の冷却能力などの差と思われます)。

これまでIntelに後れを取っていたシングルスレッド性能は第11世代Tiger Lake(Core i7-1165G7)に追いつき、4コア8スレッドまでしかないTiger Lakeをマルチスレッド性能では周回遅れにしています。

まとめ

Ryzen 5000シリーズはRyzen 3000 → 4000(Zen+ → Zen2)の時ほどインパクトのある変化ではありませんが、着実に性能を伸ばしています。

グラフィック面では動作クロックが上がるくらいでアーキテクチャの変更はなく、現状のPCIe x8接続がx16接続に変更されるかどうかが焦点になっています。

AMDはデスクトップ向けCPU/APUにおいて2016年からソケットAM4を採用しており、現在ではそのピンの数がボトルネックになっていると言われています。

2021年後半に発表が予想されているRyzen 6000シリーズ(コードネーム:Rembrandt)でソケットAM5、DDR5へと変更されるタイミングでグラフィックも”NAVI 2″になると言われているので、Tiger Lakeに追い抜かれたグラフィック性能に追いつく or 追い抜き返すのは2022年の話になりそうです。

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