2021年3月2日、LenovoはIntel第11世代Coreプロセッサ(コードネーム:Tiger Lake)と、GPUにNVIDIA T500を搭載した14インチおよび15.6インチのモバイルワークステーション「ThinkPad P14s/P15s Gen2」を発表・発売いたしました。
スペック

■ThinkPad P14s/P15s Gen2 | |
CPU | Core i7-1165G7 Core i5-1135G7 |
---|---|
GPU | NVIDIA T500(4GB) |
メモリ | 8~16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 256~512GB NVMe SSD |
画面 | 14.0インチ IPS FHD 15.6インチ IPS FHD/UHD |
インターフェース | USB Type-C(TB4)×2 USB 3.0×1 HDMI 有線LAN microSDXC オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.2 |
サイズ | 14.0インチ:329×227×18.9mm 15.6インチ:365.8×248×19.95mm |
重さ | 14.0インチ:1.47kg 15.6インチ: |


特徴
冒頭の説明の通り、「ThinkPad P14s/P15s Gen 2」はNVIDIA T500を搭載したモバイルワークステーションです。
NVIDIA T500は12nmプロセス製造なTuring世代のQuadro系GPUです。
VRAMは4GB GDDR6でCUDAコア数は896、動作周波数は1365-1695 (Boost) MHz、TGP(CPUでいうところのTDP)は18~25Wと低め、ベンチマークがないか探しましたが、記事執筆時点ではデータは見つかりませんでした。
Turing世代のQuadro一覧ではなぜかT500だけQuadroを冠していないのが謎ですが、Quadroシリーズであることには違いありません。Lenovoでは普通にQuadro T500と表記しています。
スペック的にはだいたいGeForce MX450と同じ程度となっていて、メモリが2GBか4GBかと、メモリ帯域(64GB/sか80GB/sか)といったあたりに違いがあります。
それほど強力とは言えませんが、GeForce MX450がGeForce GTX 1050 Max-Qと張り合えるくらいのスコアを出しているので、(Quadroなので最適化の方向性は異なっていますが)全体性能としては同程度か少し上くらいと思われます。
3DCGをバリバリレンダリングするには厳しいですが、写真の現像や製版、CADなどでは十分に力を発揮できるでしょう。
CPUにはTigerLake世代のCore i7-1165G7またはCore i5-1135G7を搭載します。15.6インチの「P15s Gen2」のみCore i7-1185G7が選択できます。
メモリはオンボード8/16GBに1スロット仕様、最大48GBまで対応します。
ストレージは256GBまたは512GB M.2 SSDです。
Wi-fiは当然のように802.11ax(Wi-fi 6)対応ですね。しかも拡張版のWi-fi 6E対応のIntel AX210です。WWANも搭載できるようですが、記事執筆時点ではカスタマイズできません。
ワークステーションなのでISV認証を取得しています。
ISV認証とはソフトウェアとハードウェアの互換性、安定した操作性を提供できることを認定したものです。
▲フロントです。
ベゼルはやや太めで堅牢性が優先されています。MIL-SPECに準拠した耐久テストも行われているようです。
ディスプレイは仕様上は下記のような選択肢があるようですが、記事執筆時点ではカスタマイズモデルは用意されておらず、固定となります。
14.0型FHD IPS液晶 (1920×1080)、 光沢なし、300nit
14.0型FHD IPS液晶 (1920×1080)、光沢なし、300nit、マルチタッチパネル
14.0型FHD IPS液晶 (1920×1080)、光沢なし、400nit、省電力パネル
14.0型FHD IPS液晶 (1920×1080)、 光沢なし、500nit、マルチタッチパネル、Privacy Guard
14.0型UHD IPS液晶 (3840×2160)、光沢なし、500nit、HDR
15.6型 FHD IPS液晶 (1920×1080) 、光沢なし、300nit
15.6型 FHD IPS液晶 (1920×1080) 、光沢なし、300nit、マルチタッチパネル
15.6型 UHD IPS液晶 (3840×2160) 、光沢なし、600nit、HDR
せっかくなら「IdeaPad Slim 560i Pro」のようなアスペクト比16:10で2.2Kな液晶の方がプロ向けっぽい感じになりそうですが、コストを考えるとFHDパネルになるのでしょう。

また、プロ向けらしく、オプションで「X-Rite Pantone ファクトリー・カラー・キャリブレーション」が用意されていますが、こちらもカスタマイズがないので選択不可です。
1. USB 3.2 Gen1
2. イーサネット・コネクター(RJ-45)
3. セキュリティロックスロット
4. USB Type-C 3.2 Gen2(Thunderbolt 4対応)
5. USB Type-C 3.2 Gen2(Thunderbolt 4対応)
6. ドッキングコネクタ(4.5と合わせて使用)
7. USB 3.2 Gen1
8. HDMI
9. マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
10. microSDメディアカードリーダー
インターフェースは14インチ・15.6インチで共通です。曲がりなりにもdGPUを搭載するので、右側面にも排気口が開いています。
Thunderbolt 4は2ポート、ドッキングステーションにも対応しています。
電源は65W Type-Cアダプタが付属します。内容的に90Wでも良かったんじゃないかなぁ…
▲キーボードは標準的な(そもそも標準以外がありませんが…)ThinkPadキーボードです。
14インチはテンキーなし、15.6インチはテンキーありとなります。
▲開口角は180度
▲ちょっと荒いですが底面です。
CPUファンとGPUファンで、吸気口が2か所に分かれています。
まとめ
「ThinkPad P14s Gen 2」は137,940円から、「ThinkPad P15s Gen 2」は143,737円からと、モバイルワークステーションの分類では比較的安価なスタートとなっています。
Thunderbolt 4搭載で、エントリークラスのdGPUを積んだ業務向けThinkPadと考えると少し安めかなと。
カスタマイズモデルがないのが不満と言えば不満ですが、写真家とか建築家とか、3DバリバリではないけどそこそこにGPUパワーも欲しいという層にはちょうど良さそうです。
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