2021年3月23日、LenovoはThinkPadシリーズの新モデル7機種を発表、販売を開始いたしました。
今回はその中から「ThinkPad X」シリーズの中でもお手頃価格な「ThinkPad X13 Gen2」を紹介いたします。
スペック
■ThinkPad X13 Gen2 | |
CPU | Core i7-1165G7 Core i5-1135G7 Core i3-1115G4 |
---|---|
メモリ | 8~16GB LPDDR4x-4266 |
ストレージ | 128~512GB NVMe SSD |
画面 | 13.3インチ IPS WUXGA/WQXGA |
インターフェース | USB Type-C(TB4)×2 USB 3.0×2 HDMI オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.0 |
サイズ | 305.8×217.39×18.97mm |
重さ | 1.19kg~ |
特徴
「ThinkPad X13 Gen2」はLenovoの薄型、軽量ビジネスモバイルである「ThinkPad X」シリーズに属する、13.3インチノートです。
第11世代TigerLake搭載
搭載CPUは標準ではCore i7-1165G7、Core i5-1135G7、Core i3-1115G4ですが、カスタマイズでvPro対応のCore i7-1185G7、Core i5-1145G7を選択することもできます(モデルによって選択可能なCPUは異なります)。
16:10ディスプレイ
ディスプレイの選択肢は以下の3種類です。WQXGA(2560×1600)を選べるあたりがThinkPadらしいですね。そして横1366がついに選択肢から消えました。
気になるのは色域の指標が72% NTSCと100% sRGBで異なっている点。分かりにくいのでここは揃えてほしかったところです。
なお、大雑把に72% NTSC=99~100% sRGB相当と考えてください。
注意書きの通り、WQXGAを選択すると自動的にIRカメラオプションが選択されます。そしてIRカメラが付くと、WEBカメラが自動的に1080pになります。
内蔵カメラで1080pって意外とないので、WEB会議の利用がある場合はディスプレイにかかわらずアップグレードしておいてもいいと思います。
また、前世代の「ThinkPad X13 Gen1」では16:9だったアスペクト比が16:10に変更され、使い勝手が増しています。
別記事で紹介する予定の「ThinkPad X1」もアスペクト比16:10に、一方で「ThinkPad T」シリーズは16:9のままなので、上位機種から徐々に16:10にしていくか、差別化の要素の一つにするものと思われます。
なお、選択肢にはありませんが、海外ではWUXGA/500nit/プライバシーガード付きというのも用意されているようです。
前世代との比較
X13 Gen2 | X13 Gen1 | |
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CPU | 第11世代 TigerLake | 第10世代 CometLake |
メモリ | 最大32GB LPDDR4x-4266 | 最大16GB DDR4-3200 |
ディスプレイ | 13.3インチ WUXGA(1920×1200) WQXGA(2560×1600) | 13.3インチ HD(1366×768) FHD(1920×1080) |
カメラ | 720p / 1080p | 720p |
Wi-fi | Wi-fi 6E | Wi-fi 6 |
WWAN | 4G LTE/5G | 4G LTE |
バッテリー | 41WHr / 54.7WHr | 48WHr |
サイズ | 305.8×217.39×18.97mm | 311.9×217.2×16.9mm |
重量 | 1.19kg~ | 1.18kg~ |
メモリはオンボードのLPDDR4x-4266で、後からの換装はできませんが、最大32GBまでカスタマイズできるようになりました(モデルによって最大容量は異なります)。
これまで32GBを積もうとすると、より高級な機種かメモリスロット搭載機を選ぶ必要があったわけで、「ThinkPad X13」でも選択できるようになるのを待っていた人もいそうです。
ストレージは128GB~512GBのM.2 NVMe SSD、こちらも最大2TBまでカスタマイズできます。さらに、PCIe Gen4対応の高速なSSDも選択することができます。
とはいえカスタマイズ費用がバカみたいに高いので、128GBにして大幅にコストカットをするという裏技に使うほうがいいかもしれません。
Wi-fiは標準で6GHz帯対応の拡張版802.11ax(Wi-fi 6E)対応。
WWANは最上位のプレミアムモデルで選択可能ですが、高いです。えらい高いなぁと思ったら、どうも4G LTE/5G対応モデムとなるようです。そりゃ高いわけだと。
バッテリーは、標準で3セル41WHr(駆動時間17.8時間)のところ、+1,100円で4セル54.7WHr(駆動時間24時間)に変更することができます。
前世代では6セル48WHrだったので、ここはアップグレードかダウングレードか、微妙に評価しにくいところではあります。
とはいえ、よほどのことがない限り、増量しておいて損はないでしょう。
その他の特徴
変わったところではトップカバーのカスタマイズでしょうか。
PPS (ポリフェニレンサルファイド)とカーボンが選べ、カーボンだと60gほど軽くなるようです。
カラーはブラックのみ。海外ではストームグレーもあるようです。
▲これがストームグレーです。
ThinkPadのブラックと、IdeaPadのプラチナグレーの中間くらいですかね。
筐体
▲TOP画像と同じものですがフロントです。
左右ベゼルは極端に細くなっているわけではありません。
本体幅も305.8mmと、同じ13.3インチのDELL「XPS 13」(幅302mm)と比べても4mm弱幅が広くなっています。
「Gen2」では記載がありませんが、「Gen1」では”12項目の米軍調達基準に準拠”とあるので、同等のテストは行われているものと思いますし、そのための強度を保持するためと考えれば、この程度の差は許容範囲でしょう。
USB 3.2 Gen 1
セキュリティキーホール
USB 4(Thunderbolt4対応)
USB 4(Thunderbolt4対応)
イーサネット拡張コネクター
HDMI
USB 3.2 Gen 1
マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
インターフェースはUSB系が4ポート、うち2ポートがUSB4/Thunderbolt4です。
構成自体は「ThinkPad X13 Gen1」から変わっていませんが、HDMIとUSB Type-Aの位置が逆になっていたり、右側の排気口とUSBが逆になっていたりと細かい点で変更が加えられています。
▲キーボードです。
スピーカーがキーボード上部に来ています。
ファンクションキーはテレワーク寄り(F10/F11)に設定されています。
▲底面の吸気口は最低限に抑えられています。
▲天面はいつものThinkPadです。
まとめ
「ThinkPad X13 Gen2」の価格は111,936円からと、わりと抑え目のスタートです。
最安モデルでもCore i3/8GB RAM/1920×1200と使えるレベルであり、以前のようにCore i3/4GB RAM/1366×768な、実用上は微妙な見せ札的なモデルではなくなっていますし、CPUとメモリ以外はカスタマイズできます。
例えば上記スペックからWQXGA(2.5K)ディスプレイと大容量バッテリーへ変更したら120,098円ですね。
割と好きにカスタマイズできますし、vPro対応CPUも選べますし、大概のビジネスシーンに安価に対応することができる1台と言えるでしょう。
ちなみにフラッグシップ機となる「ThinkPad X1」はドッキングステーション非対応なので、ドッキングステーションを使う場合はこちらを選択することになります(もっとも最近はハブタイプが主流になりつつあるようですが…)。
コメント
4コア32GBメモリですか…不足状態を解消出来るのは何時になるのか…?