がじぇっとりっぷは現在、15.6インチのFHDモバイルディスプレイを所有しています。
ディスプレイとして使う分には不満はないのですが、以前にChromeboxのレビューをしたときにタッチ系の検証ができなかったのが残念だったので、ならばタッチ付きのモバイルディスプレイを追加しよう、ついでなら4Kを買おうと思い立って購入したのが「MG156-UT1」です。
MG156-UT1
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | UHD(3840×2160) |
色域 | AdobeRGBカバー率100% |
インターフェース | HDMI miniDisplayPort USB Type-C(データ/給電) USB Type-C(給電専用) ヘッドホンジャック |
サイズ | 360×230×6mm |
重さ | 1.0kg |
メーカー | EleDuino |
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モデル名 | MG156-UT01 |
画面サイズ | 15.6インチ |
パネルタイプ | IPS |
解像度 | 3840×2160 |
色域 | Adobe 100% |
コントラスト比 | 1400:1 |
最大表示色 | 10億色 |
リフレッシュレート | 60Hz |
輝度 | 500 cd/m2 |
色温度 | 9300K 6500K |
視野角 | 水平 89°/89° 垂直 89°/89° |
入力端子 | miniDP HDMI Type-C(映像/給電) Type-C(給電) オーディオジャック |
スピーカー | |
サイズ | 360 × 230 × 6mm |
重量 | 950g |
タッチパネル | 10点マルチタッチ |
その他 | スタンド付き |
GoodPoint
✔ 高精細な4K解像度
✔ タッチ対応
✔ スタンド内蔵
✔ 圧倒的な色域
✔ ケーブルがはみ出さない
BadPoint
✖ OSDボタンが操作しにくい
✖ (仕方ないけど)グレアパネル
✖ 割と消費電力が高い
✖ スリーブケースが使いにくい
※本機種は終売となったため、同メーカーの近い機種を表示しています。
Eleduinoとは
Eleduinoはメーカーではなく、SBC系の周辺機器を取り扱うオンラインショップです。
周辺機器の一つとしてラズパイ用ディスプレイや、ラズパイに接続できるモバイルディスプレイなども扱っていて、Amazonでの販売も行っています。
「MG156-UT1」のメーカーは中国広東省にあるDongGuan Magedok Technologyという、タッチ対応ディスプレイを主力とする企業です。
外観
外箱
「MG156-UT1」の外箱はかなり凝っていて、プレゼントで渡されても違和感がありません。
箱を開けるとディスプレイinスリーブケースがお目見え
スリーブケースをひっくり返したところ。こんな位置から中身を出すのですが、かなりきっちりなサイズなので出すのにちょっと苦労します。
そして一度出したらあまり戻したくない気持ちになるという…
このスリーブケースはただの袋状にするか、開き口をもっと端に寄せた方がいいんじゃないかと感じました。
パッケージ
パッケージ全体です。
付属品
紙類は説明書と保証書の2種類。
説明書の表紙からして日本語が少し怪しいですが…
説明書はなんと日本語オンリー。これはちょっと驚きました。
ケーブル3種類+電源アダプタ+ケーブルタイが二つ。
電源は45W出力。一応パススルーでPCにも給電できます。
が、後述しますがディスプレイ自体の消費電力が高いので、PC側は低速給電扱いになります。
インターフェース
「MG156-UT1」は他のモバイルディスプレイと違ってインターフェース類が中央に集まっています。
横にはみ出してこないのでノートの横に並べやすいという利点があります。
ディスプレイ側面の薄い範囲に無理に詰め込んでいないので、microHDMIではなくフルサイズのHDMIを搭載してきています。これはケーブルの替えが利きやすくていいですね。
一方でこの位置のヘッドホンジャックは使いにくそうです。機能が集約されているので仕方ないんですけどね。
反対側は電源ボタンとOSDボタン。右のスリットはスピーカーです。
ディスプレイ側面でなくて裏側の中央付近にボタンがあるので、操作はしづらいです。
一度設定を決めてしまえば余計なものが見えないので快適なのですが。
スピーカーについてはまぁ、おまけレベルです。
なお厚さについては、仕様では6mmとなっていますが、実測ではディスプレイ部が7.8mm、インターフェースボックス部は18.9mmでした。
スタンド
インターフェースボックスにスタンドが組み込まれています。
仕様では90度までとなていましたが、120度くらいまで開きました。
重量
重さは1052g。仕様の1000gよりわずかに重かったです。
ディスプレイ
実際に接続して表示したところ。
表面に段差がなくベゼルと一体化しているので、かなりすっきりして見えます。
Windowsからは「RTK UHD HDR」という名前で見えています。
ディスプレイ自体は10bit(10億色)の入力に対応しているようですが、標準だと8bit(1677万色)での接続となります。それでも画面はめっちゃ綺麗です。
ベゼルは7mm。最近のノートよりはちょっと太めですが、あまり違和感はありません。
タッチ対応なのでグレアパネルとなっています。
なお、タッチ機能は静電容量式と思われ、MPP規格のスタイラスペンは反応しませんでした。
OSD
OSDは左下に表示されます。
各項目はさらに掘り下げができます。
明るさについて
「MG156-UT1」が設定できる輝度は1%~100%です。
最大輝度は500cd/m2と高く、100%は明るすぎ、50%でいい感じ、暗い部屋なら30%くらいに落とすとちょうどよかったです。
斜めの表示(輝度50%)
グレアパネルのため、斜めから見ると色褪せはないものの反射がきつく、見づらくなります。
暗いところではくっきりはっきりです。
色域・ガンマ特性
一緒に「i1Display Pro」も購入したので、ディスプレイの特性も調べていきます。
色域は…めちゃくちゃ広いです。
赤系が少し弱く、緑系が強いですね。
比率 | カバー率 | |
---|---|---|
sRGB | 151.3% | 100% |
Adobe RGB | 112.1% | 100% |
DCP-P3 | 111.5% | 93.7% |
NTSC | 107.11% | 97.2% |
sRGB比は驚異の150%超え。ここまで行くことってあるんですね…
デジタルシネマ規格のDCP-P3でもカバー率は93.7%と、非常に高いです。
※比率は単純な三角形の面積比、カバー率は各規格の三角形のどれだけを覆っているかを表します。
ガンマ補正曲線は大体まっすぐで、あまり補正されていません。
もとから自然な発色で、かなり素性のいいパネルが使われていることが分かります。
※HWiNFOを使ってもパネル型番が出てこなかったので、パネルメーカーが分かりませんでした。
ノートPCとの比較
メインノートである「IdeaPad 720S」と接続したところ(輝度は50%)
「MG156-UT1」の方がコントラストがはっきりしていて、色鮮やかに表示されています。
なかなか写真では伝えづらいのですが、青い壁の凹凸がはっきりしていて、「IdeaPad 720S」の表示がのっぺりしていたことに気付かされました。
カラーバーの表示
これも写真では伝わらないのですが、暗色がつぶれずに階調が表示できています。
消費電力について
「MG156-UT1」の消費電力は4Kということもあってかなり高めです。
同じ15.6インチでもFHD表示なLepow「Z1」と比較した表が以下。
消費電力 | 比較(Lepow「Z1」) | |
---|---|---|
非表示時 | 1.6W | |
輝度1% | 6.8W | 2.39W |
輝度50% | 10.9W | 3.61W |
輝度100% | 15.9W | 5.22W |
輝度1%でも「Z1」の100%より消費しています。
輝度100%にすると15.9Wと、下手したらCeleronデスクトップ機より上じゃないかな?というくらいの消費電力。
外部電源を繋いでいるならあまり関係はないのですが、問題はType-CケーブルでPCから給電している場合です。
消費電力が高いので、接続したPCによっては給電能力が追い付かず、輝度を上げていくと60%を超えたあたりで電源が落ちたりしました。
また、PC本体のように負荷に応じてではなく一定の電力を常に消費し続けるので、バッテリーでの駆動時間が半分以下になると思った方がいいです。
問題点について
割と雑
パネルに関してはいいことばかりなのですが、筐体のつくりは割と雑です。
例えばEMC対策と思われるシートの端っこがぺろんとめくれていました。
パネル表面も何かで拭いた跡がくっきりと。
指紋がなかっただけましかなぁと。
Windowsと接続できないパターンがある
ドライバの問題なのか、Windows機との接続で表示されないパターンがありました。
Windows | Ubuntu | |
---|---|---|
USB C to C (電源兼用) | ○ | ○ |
USB C to HDMI (外部電源) | ○ | ○ |
HDMI to HDMI (外部電源) | × | ○ |
複数のノートPCおよび複数のHDMIケーブルで検証しましたが、HDMI-HDMIでは表示できず。
残念ながら原因は分かりませんでした。
HDMIケーブルによっては挿さらない
インターフェースボックスが中央にある弊害で、端子周りが大きいHDMIケーブルだと、挿さらない場合があります
こんな感じで高さがオーバーしてしまいます。
まとめ
色域が広く、明るく、タッチ機能まで付いた4Kパネルと、「MG156-UT1」は表示に関しては文句のないモバイルディスプレイです。
なかったのは内蔵バッテリーくらいですね。
これでアンチグレアフィルムだったら言うことなしなのですが、それをしたら価格が跳ね上がってしまうことでしょう。
モバイルディスプレイの中では高価格帯な製品でしたが、買って後悔はなく、むしろ買ってよかったと思っています。
ちなみに価格表示は41,990円と高いですが、記事執筆時点では7,000円オフクーポンが発行されています。3.5万円なら悪くないし、実際に使えばそれだけの価値があると納得できるでしょう。
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