2021年9月30日、香港に拠点を置くARPARA GLOBAL TECHNOLOGY. LIMITEDは、クラウドファンディングサイトのCAMPFIREで、高精細で軽量なVRゴーグル「arpara VRヘッドセット(モデル名:VRG9080)」のファンディングを開始いたしました。
スペック
特徴
VRヘッドセットは大きく「スタンドアロン型」「PC接続型」「スマホ型」の3つに分類されます。
ざっくりとした違いは以下のような感じです。
スタンドアロン型 | PC接続型 | スマホ取付型 | |
---|---|---|---|
代表的な機種 | Oculus Quest 2 Pico G2 4K Lenovo Mirage Solo | HTC VIVEシリーズ Valve Index Pimax Visionシリーズ | エレコム VRG-X01PBK |
特徴 | バッテリー内蔵 6DoFモデルもあり | PCと接続して使う PC向けアプリが使える トラッカーなどアクセサリ多し | 本体は安い 最もお手軽 コンテンツ視聴向け |
メリット | ケーブルレス スマホ・PCに依存しない | 高画質 対応アプリが多い | 自前のスマホで気軽に試せる |
デメリット | バッテリーが短め 対応アプリが多くない | 高性能PCが必要 本体も高額になりがち だいたい有線 | 操作はほぼ不可 |
「VRG9080」はこのうち「PC接続型」に分類されます。
スタンドアロン型の「arpara all-in-one VR headset」も開発しているようですが、登場はまだ先になるようです。
5K解像度
「VRG9080」の解像度は片目当たり2560×2560、両目では5K×2.5Kとなります。
スクリーンには1.03インチのマイクロOLEDを採用、3514PPIという高密度のため粒状感がなく、色域は127%sRGB、コントラスト比は1000000:1とOLEDゆえの性能で再現性が高いのが特徴です。
リフレッシュレートは120Hzなのでちらつきや残像感も少なくなっています。
一方でFoV(Field Of View、視野角)は95度とやや狭めです。
ざっくりしたイメージだと、27インチディスプレイを30cmくらいの距離で見たときの画面の範囲くらいです。
表示領域内に集中する分にはいいかもしれませんが、周辺視野が狭いため、窮屈感があるかもしれません。
まぁ、一度あたりの画素密度と引き換えですね。
超軽量200g
VRヘッドセットの重要な要素が重量です。
頭に装着するという関係上、あまりに重いと疲れやすく、また重量バランスが悪いと首に負担がかかります。
スタンドアロン型は500g前後が多いものの、バッテリーを後頭部に設置するなどして負荷を減らす工夫がされているものも多いです。
一方、PC接続型は300gから600g前後と幅広く、バッテリーのように後頭部に配置できるものがない分クッションなどで工夫しています。
そんな中「VRG9080」は根本的な部分、重量そのものが200gと超軽量です。
ヘッドストラップの形状も工夫されていて、装着感を向上させています。
頭頂部を通るストラップがないのは、軽量機ならではですね。
センサーは3DoF
HMDにつきものなのが「DoF(Degree of Freedom、自由度)」です。
3DoFは頭の上下、左右、傾きの3軸に対応、6DoFは頭に加えて体の上下・左右・前後、つまり移動に対応します。
つまり、3DoFは360°の映像鑑賞向け、6DoFはVR空間内での行動向けということです。
6DoFは本体に1取得センサーを内蔵したインサイドアウト方式と、室内にベースステーションなどのポジショントラッキングキットを設置して相対位置を取得するアウトサイドイン方式があります。
「VRG9080」は本体が3DoFに対応し、アウトサイドイン方式で6DoFに対応します。
ただし、arparaではポジショントラッキングキットは用意しておらず、互換性のある市販品(NOLO、HTC、Valve)を用いることになります。
まぁ、この製品を買うような層は、既にポジショントラッキングキットを所有している人が大半でしょう。
その他
「VRG9080」のレンズは-1D-5Dの度数、56mm-72mmの瞳孔間距離の間で調整できます。残念ながら乱視には対応していないようです。
音声はデュアルチャンネル指向性ステレオを搭載しており、バイノーラル方式の立体音響に対応しています。
また、あまり言及されていませんが、一部のスマホについては直接接続が可能で、スマホ向けVRを楽しむことができます。
オプションについて
arparaでは電力供給ができない、直接接続非対応スマホとの接続用に「MIRROCAST」というアダプタを用意しています。
「MIRROCAST」は7000mAhのバッテリーを内蔵しており、「VRG9080」で最大3時間のコンテンツ再生を行えるほか、パススルー給電にも対応しています。
「ヘイローストラップ」は標準の差し込み式のストラップではなく、調整の行いやすいダイアル式のストラップです。
「arpara トラッカー」は前述の6DoF対応時に、市販のポジショントラッキングキットと接続するのに使用します。
その他
本体とは直接の関係はありませんが、arparaではソーシャルVRプラットフォーム「arparaland」を展開しています。
アバターカスタマイズ機能や空間デザインツール、ソーシャル機能、VR会議機能などを備えており、NFTを活用したデジタル資産構想も盛り込まれているのだとか。
…言っちゃ悪いのですが、そこはかとなくセカンドライフ臭がするのが…
まとめ
「arpara VRヘッドセット」のファンディング価格は、記事執筆時点では以下のようになっています。
・本体:65,741円(33%オフ)
・プロフェッショナルモデル(arparaトラッカー+3.5mのType-Cケーブル):78,368円(40%オフ)
・デラックスモデル(arparaトラッカー+DP1.4ケーブル):79,461円(39%オフ)
AliExpressなどで販売されているものが高値で売られていることで悪評の立っているCAMPFIREでのファンディングですが、この製品に関してはメーカーが直接ファンディングを行っているので、上乗せはされていません。
「VRG9080」はJD.comで3,999元(約69,000円)なので、むしろ安くなっています。
内容的にも数年前の低スペックヘッドセットを使っている人の買い替えあたりには良さそうですが、”初めてのVR”にはちょっと向かないかもしれません。
いや、すでにハイスペックPCを持っているとかならありですが、最初は「Oculus Quest 2」辺りから入るのが無難でしょうね。
関連リンク
arpara: 軽量 5K マイクロOLED VRヘッドセット:CAMPFIRE
arpara 5K VR头显 3DVR眼镜 非VR一体机:JD.com
arpara VR:メーカーページ
コメント
特徴の表に記載の内容、PC接続型とスタンドアロン型が逆になっていませんか?多分・・
コメントありがとうございます。
見事に逆でした。修正いたしました。
特徴の表の「PC接続型」と「スタンドアロン型」の列が逆ですね。
コメントありがとうございます。
見事に逆でした。修正いたしました。