2022年9月22日、ASUSはRyzen 6000Hを搭載するミニPC「ASUS ExpertCenter PN53」をグローバル発表しました。
スペック

■ ExpertCenter PN53 | |
CPU | Ryzen 9 6900HX Ryzen 7 6800H Ryzen 5 6600H |
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メモリ | 16~32GB DDR5-4800 |
ストレージ | 256GB~2TB NVMe SSD |
インターフェース | Type-C(USB4)×2 USB 3.0×5 HDMI×2 2.GbE 有線LAN Configurable Port×1 オーディオジャック |
wi-fi | 802.11ax+BT5.2 |
サイズ | 120×130×58mm |
重さ | 0.9kg |
特徴
「PN53」はRyzen 5000Hシリーズを搭載する「PN52」(2022年5月発表)の後継機です。
ASUSの「PN」シリーズは40番台がIntel Celeron/Pentium、50番台がAMD Ryzen、60番台がIntel Coreと分かれていますが、正直分かりづらいです…
「PN53」はインターフェース構成や内部構成などは「PN52」と変わっていませんが、CPUおよびインターフェース規格は大きくアップグレードされています。
CPU
前述の通り、「PN53」はCPUにRyzen 6000Hを採用、Ryzen 9 6900HX、Ryzen 7 6800HまたはRyzen 5 6600Hを搭載します。
Ryzen 6000シリーズはCPU部分はZen3+で前世代からの改良にとどまりますが、グラフィック部分はアーキテクチャをRDNA2にアップデート、大幅に性能向上しています。
CPU性能はモバイルCPUの中では最高クラス、下位のRyzen 5 6600HでもPassMarkスコアが19000近くあるなど、コンシューマ向けとしては十分を通り越した性能です。
TDP35WのハイパフォーマンスCPUなので、グラフィックもTDP15WのRyzen 6000Uシリーズを上回るスコアで、Ryzen 7 6800HはほぼGTX 1050と同等の性能となっています。
GPUコアが半分のRyzen 5 6600HでもCore i7-1165G7と同等。
Ryzen 6000シリーズ搭載機の記事を書くたびに思うのですが、強すぎでは…?
というか、モバイル向けGPUのGeForce MX450/550のいらない子っぷりがひどい…
メモリとストレージ
通例に従えば「PN53」はベアボーン(メモリ・ストレージ・OSなし)と完成品で展開されます。
メモリは2スロットのSO-DIMM DDR5-4800。DDR4は使えないので注意が必要です。
最大で32GB(16GB×2)とされていますが、サポート外ながら64GB(32GB×2)もできると思います。
ストレージは256GBから2TBのPCIe Gen4 SSD。
M.2 SSDは2スロットで、どちらもPCIe Gen4対応。さらに2.5インチ(9.5mmまで)も搭載できるのでトリプルストレージが可能です。
「PN52」もトリプルストレージ対応でしたが、M.2 SSDはPCIe Gen3までの対応だったので、アップグレードされています。
その他
無線LANは802.11ax(Wi-fi 6E)にBluetooth5.2。
日本では2022年9月2日に電波法が改正され、Wi-fi 6Eの”E”部分である6GHz帯が解放されました。
記事執筆時点では6GHz帯を使えるモバイル機器はありませんが、Intel AX211などはハードウェア的には対応しているため、ソフトウェアアップデートでの対応が進むものと思われます。
「PN53」は電波法改正後の製品となるので、国内発売するとしたら、6GHz帯が使える状態での販売…になるといいなぁ…
こればかりはメーカーの方針次第なので、何とも言えません。
有線LANは2.5GbE。これは「PN52」からは変わっていません。
電源アダプタはRyzen 5モデルが120W、Ryzen 7/9モデルが150W。
Type-C端子によるUSB PD給電(最大100W)にも対応しています。おそらくですが、USB PDでの給電時は性能上限に制限がかかる形になると思います。
外観
正面です。
「PN」シリーズは「PN52」「PN63」からデザインが変更され、シックな雰囲気になっています。
インターフェースです。
Type-Cは「PN52」では前がUSB 3.2 Gen1、後がUSB 3.2 Gen2でしたが、前後ともにUSB4に変更されました。
この変更によってリアだけでなくフロントも映像出力(DP1.4)に対応しました。
なお、USB PDに対応しているのは背面端子のみとなります。
映像出力はHDMI×2にConfigurable Port(HDMI, VGA, DisplayPort, COM)、それにType-Cとなります。
8Kまたはクアッド4Kまで可能です。
Configurable Portは国内販売時はだいたい固定されていて、おそらくですがDisplayPortになるでしょう。
まとめ
「PN53」は発表されたばかりで、記事執筆時点では海外でも未発売、価格も不明です。
参考までに「PN52」のRyzen 5モデル(ベアボーン)が460ドル、Ryzen 7モデル(同)が630ドル、Ryzen 7モデルの完成品が850~900ドルです。
内容のアップデートが結構頑張っているので、値段は少し上がるかもしれません。
ASUSはグローバル発表から国内発売まで間が開くことが多く、「PN53」が国内発売されるとしても来年でしょう。
というか、「PN52」もまだ国内発売されていないし…
関連リンク
ASUS ExpertCenter PN53:ASUS
ニュースリリース:ASUS
コメント
NTT-Xに6月30日発売で販売ページ来てますね。
https://sp.nttxstore.jp/_NGX_01_01?SK=4&ZM=1&FREE_WORD=&MKRCD=&PAGE=1&SIZE=27&SPID=&SPCID=&SPCC=&PATTERN=1&MKRCNT=0
https://sp.nttxstore.jp/_II_AZ16457805
Ryzen 5 7535Hで8.5万らしいですが
アイドル一桁Wでちょっとしたゲームできるなら
NASと普段使い兼用マシンとしてほしいかも……(PN51買ったばかりですが)
情報ありがとうございます!
まだまだ先ですねぇ。