【レビュー】 QCY ArcBuds:音は価格なりだけど怖いくらいにANCが効く、安価なワイヤレスイヤホン

レビュー

がじぇっとりっぷはこれまでいろいろなイヤホンを試してきました。
今回は当ブログ初登場となるQCYから「ArcBuds」です。

サンプルを提供いただいたQCY様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

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QCY ArcBuds

GoodPoint
強力なノイズキャンセリング
実測8時間弱の再生時間
カスタマイズ項目の多いアプリ

BadPoint
音域がやや狭い
技適の表示法が怪しい
LDAC非対応

レビュー公開に当たり、QCY様より既存の30%オフクーポンと併用できる、5%オフクーポンコードをいただきました。

クーポンコード:XVOL9ZMY
クーポン期限:9月4日 23時59分

スペック

モデルArcBuds (HT07)
チップWuqi WQ7003AR
Bluetoothバージョンv5.2
対応プロファイルHFP, A2DP, AVRCP
対応コーデックSBC, AAC
ドライバー径10mm
再生周波数20Hz~20kHz
ANC機能-45dB
バッテリー容量本体:43mAh
ケース:350mAh
バッテリー駆動時間約8時間
約7時間(ANC)
バッテリー駆動時間
(ケース込)
約32時間
約28時間(ANC)
充電時間約2時間
充電端子USB Type-C
防水&防塵規格IPX5
重量本体:片方4.4g
ケース込:約36g

QCYとは

QCYは2009年に設立したイヤホン・スピーカーの専門メーカー、Dongguan Hele Electronics Co., Ltd.のブランドです。
TWS(完全ワイヤレスイヤホン)の分野では世界4位のシェア(2020年Q1)を誇っています。

パッケージ

内容物
・イヤホン本体
・充電ケース
・USBケーブル
・イヤーパッド(3種3セット)
・ユーザーマニュアル

操作について

左側右側
電源オン充電ケースを開ける
電源オフ充電ケースに入れる
音楽
1回押す
2回押す再生・一時停止
3回押す音声アシスタント次の曲
通話
電話に出る1回押す
電話を切る1回押す
着信拒否1.5秒長押し
その他
ANC切り替え1.5秒長押し
ゲームモード1.5秒長押し
リセット充電ケースに入れた状態で
5回タッチ

操作は他メーカーとかなり違います
本体では音量変更ができないので、接続デバイス側で変更する必要がある点はちょっと微妙ですが、代わりに1回タップは割り当てがなく、誤操作の可能性を減らしています

本体操作に電源オン/オフがないのも割り切っていますね。

面白いのがリセット方法。
ケース側の物理ボタンが不要となり、その分ケースのコンパクト化に寄与しています。

使ってみた

接続について

「ArcBuds」の対応コーデックはSBCとAAC。高音質コーデックのLDACは非対応です。
Xperia 1 IIへの接続ではAACとなりました。

アプリについて

スマホアプリとして「QCY」が用意されています。
ユーザー登録なしでも全機能使えるのは、素晴らしいですね。

主画面は3つで、イコライザーの他にタップ操作もカスタマイズできます
イコライザーでは各プリセットの設定内容が分からないのが惜しいところ。

住所ばれに繋がるので画像は掲載しませんが、「イヤホンを探す」機能も組み込まれています。

かけ心地

「Arcbuds」のイヤーチップは、他機種と同様にS・M・Lの三種類。
がじぇっとりっぷは普段はMサイズで試しているのですが、他機種より少し大きいのか、一時間程度で耳が痛くなり。Sサイズに変更したら快適になりました。

Budsタイプの悩みの種が、向きが分かりにくいこと。
しかし「Arcbuds」はロゴが向きの目安となるので方向を間違えることなく装着できます。

正位置にくると耳たぶの上にちょこんと乗っかる感じで、割と安定します。

音質について

「Arcbuds」のドライバー径は10mm。

音質については、一言で言うと「四千円台の音」ですね。
傾向としてはシャリ弱めのドンシャリ。高音成分が弱めなせいか、全体的に薄っぺらいというか深みが足りない感じです。

10mmと口径の大きいドライバーなので低音は割とドンドン鳴ります。
流石に腹に響くとまではいかず、せいぜいが肩まで響くくらいですが。
イコライザーで”ロック”にすると低音が強調され、ヘヴィメタルも違和感なく楽しめます。

中音はフラット。
低音よりも遠い位置に感じますが、埋もれすぎるということもなく、普通に聞けます(“ロック”にするとやや埋もれ気味になります)。
特に濁りもなく、数年前のイヤホンに多かった「ヴェールの向こうで鳴らしたような」感はありません。

高音は伸びがいまいち。
中音同様に濁りはないものの、抜けるようなクリアさはなく、高周波成分がバッサリカットされている印象です。
個人的な事情ではありますが、最近はLDAC対応で音域が広い(~40kHz)イヤホンばかり使っていたせいか、音域が余計狭く感じます。

高音にやや難があるものの、普通に使っている分には気にもならず、オールジャンルに使えます。

総評としては、「Amazon Echoシリーズのように、カジュアルに音を楽しむのに向いている」となります。

音質はデバイス側のチップや再生ソフトなど、視聴環境によっても大きく変化します。また、聴き手の好みやジャンルによっても左右されます。
あくまでもレビュー者の個人的感想である点にご注意ください。

ノイズキャンセリングについて

ぶっちゃけ、ノイズキャンセリング(ANC)機能が「Arcbuds」の最大の売りだと思います
仕様上の性能は最大-45dB。対象周波数は不明。アプリから効き具合を調整できます。

実際に使ってみたところ、最大風量の扇風機の音が消えました。耳を澄ますと風切り音の高周波成分だけがうっすらと聞こえてくる程度。
音楽再生中のスピーカーの前に立つと、ボーカルもギターも消えてハイハットがシャン、シャンと鳴るだけに。

もちろん車の音、電車の音はがっつり消えます。
効果最大のまま外でオンにしたら事故りそう…

正直、ここまで強力だと思っていなかったのでびっくりしました。

音域について

音域調査ではスマホアプリの「周波数ジェネレータ―」を使用します。

低音は100~200Hzくらいが強く出ています。
7,700Hzを過ぎたあたりから減衰が始まり、10,000Hz(10kHz)付近ではかなりの小音量。12,000Hz(12kHz)を過ぎた頃には鳴っているかどうか分からないくらいに微かな音です。

音質の項で述べた「高周波成分がバッサリカットされている印象」というのも、音域調査で裏付けが取れた形になりますね。

再生時間について

音量を70%くらい(うるさすぎずちょうどいい音量)、ANCはオフに設定して再生時間を計測してみました。

※QCYアプリでの表示を基準としていますが、そもそも参考値であるとの注意書きがされています。
 途中経過(残量%)は実際と多少ずれているものと思われ、そのため10%消費当たりの時間にかなりのブレがあります。確実に信用できるのは停止までの時間です。

残量経過時間
90%1時間40分
80%2時間40分
70%3時間
60%4時間
50%4時間40分
40%5時間30分
30%6時間
0.26時間40分
10%7時間
アナウンス7時間40分
停止7時間51分

満充電から電源が落ちるまでの時間は7時間51分。
仕様上の動作時間は約8時間なので、ほぼ仕様通りということになります。

ついでに急速充電も測ってみました。
バッテリー不足で電源が落ちた状態から、5分充電した状態が以下。

おそらく実際は20%もないでしょう。
試したところ、条件を変えないままで40分で電源が落ちました。
もっと音量を落とした状態であれば、謳い文句の「5分充電するだけで、最大60分間の再生が可能」も達成できそうです。

外観

外箱はワンポイントでポップカラーを使うスタイル。
欧米系が好みそうなデザインです。

中は2段式のプラスチックトレー。
イヤホン本体はケースに入っていません。ここ、ポイントです。

パッケージ内容。

マニュアルは中国語と英語。日本語マニュアルはAmazonの商品ページ内にリンクがあります。
付属のマニュアルよりも細かく、いかにも日本式なマニュアルとなっているのですが…いわゆる中華フォントなのが惜しいところ。

ケース

ケースは楕円型で、直立はしません。
トップにQCYのロゴが印刷されています。

充電端子(Type-C)は背面。

認証情報はケース内側に印刷されています。
ケースのバッテリーは350mAhって書かれてますね。
そして、技適番号が見当たらない…

Amazonの販売ページによると技適番号は216-230037となっていますが、本体や箱に非記載は違反な気が…

※現在はパッケージを修正し、技適番号が記載されたものに変更されているとのことです。

参考 技術基準適合証明等を受けた機器の検索 (216-230037):総務省

本体

本体はコロンとしたBudsタイプ。
ロゴのおかげで装着向きを間違うことがありません。

保護シールが端子を避けている…?保護シールの意味は…?
前述の通り、イヤホンがケースから出た状態でパッケージングされていることから端子の保護が不要なのでしょうが…このシール、要らないのでは…?

ロゴの上にはLED、ロゴの下には通話マイク用の穴(赤枠で囲ったところ)が開いています。

赤枠で囲った部分がノイズキャンセリング用のマイクです。

透過イメージだとこんな感じですが、そこはフィードフォワードマイクでなくてLEDな気が…

ノズル部分のメッシュがめっちゃ細かい!
多分今まで見てきた中で一番細かいです。

重さはイヤホンが両方合わせて9.4g、ケース込みで34.5gでした。

まとめ

「Arcbuds」の実売価格は四千円前後。
音質は価格なりですが、ノイズキャンセリングが強力なので、作業集中用にしてもいいくらいです。

低価格だけあってLDAC非対応だとか物足りないところはありますが、アプリからのカスタマイズ性も高く、トータルで見るとコスパは悪くないと思える一台です。

レビュー公開に当たり、QCY様より既存の30%オフクーポンと併用できる、5%オフクーポンコードをいただきました。

クーポンコード:XVOL9ZMY
クーポン期限:9月4日 23時59分

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