小さいことはいいことだ、がじぇっとりっぷです。
前回、前々回と”NUC”サイズのPCを紹介してきましたが、世の中にはさらに小さなPCも存在します。
サイズが小さくなるとその分いろいろと削られていくわけですが、今回はその中でも必要なインターフェースが残っている3(+3)モデルについて紹介します。+3は未発売、もしくは海外販売です
今回の条件は以下の2点となります。
– CPUがatomシリーズではない
– USB3.0以上のポートを備える
まずはそれぞれのモデルについて説明し、最後にまとめてスペック表を掲載します。
MousePro-C100PV
マウスコンピューターは1998年に設立され、国内のBTOPC製造メーカーの中でも古参の部類になります。
国内開発・国内製造を信条としているところはドスパラに似ていますね。(一部海外生産モデルもありますが)
そんなマウスコンピューターがつい先日の2017年9月に法人向けPCとして発売したのが、「指でつまめるPC」こと「MousePro-C100PV」です。
見るからに小さいです。それでいてUSBやHDMIなど、必要なインターフェースはそろっています。まぁ、かなりみっちりと詰まっていますが。
CPUのCeleron N3350は、ベンチマークの数字上はCore2 Duo E4400に近いものです。10年前のミドルスペックと同等程度なので、性能的にはブラウザでタブを20も30も開いたまま、Officeで文書を編集する、みたいな使い方はやや厳しいかもしれません。
マウスの公式サイトでも用途の想定がコールセンター用とか受付業務用、レジ用となっているので、ブラウザのタブ10枚程度を開いてブラウザ上で作業を行う程度が書いてkに使える範囲と言えそうです。
Intel STK2M3W64CC
マウスコンピューターが「m-Stick MS-NH1」を2014年11月に発売して以来、一時期流行したスティック型PCですが、当時はCPUが貧弱で快適とは言いがたいものでした。
それから1年半近く、CPUがatom Z3735Fからatom Z8300/Z8500にアップグレードされたくらいで各社ほぼ横並びのスペックだったスティック型PCですが、IntelがハイスペックなCore-mシリーズを搭載したモデルを発売しました。それが今回紹介する「STK2M3W64CC」です。
2016年4月に発売されたもので、CPUも2世代前の第6世代に当たるものですが、現行世代のCeleronやPentiumよりも性能は高いです。
この「STK2M3W64CC」の面白いところは、サイズが小さくてUSB等のインターフェースを入れるスペースがないからと、ACアダプタにUSBハブ機能をつけてしまったところです。
ZOTAC ZBOXシリーズ
ミニPCといえば、ZOTACは外せません。最近は重量級のグラフィックボードを積んだ、ゲーミングミニPCとでも呼ぶべき分野に力を入れているようですが、超コンパクトなPCも多数だしています。
ただ、惜しむらくは国内で発売されるモデルが少なく、以下に載せる4モデルのうち、1モデルしか販売されていません。
ZBOX PI330
ZOTACのミニPCとしてまず思い浮かべるデザインがこれになります。青い丸が印象的ですね。
スペック的には1世代前のatom Zシリーズの中でも中位に当たるZ8500を搭載しています。ちょっと最初の条件に反しますが、このモデルしか国内販売していないんです…
下位のZ8300は搭載PCを私も所有していますが結構貧弱で、ブラウザでネットサーフィンくらいのゆるい使い方以上のことをしようとすると途端にもたつきます。
Z8500はそれより幾分かましで、youtubeを見たり、officeの編集をするくらいなら(同時にやろうとしなければ)平気です。ただし、このモデルはメモリが2GBしかないので、メモリ使用量でもたつくかもしれません。
ZBOX PI332
上記のZBOX PI330のメモリ4GB版です。以上です。上で述べたメモリの少なさという欠点が解消されており、快適性はかなり向上しているものと思われます。
国内での販売はなく、アメリカのAmazonでは販売されています。
ZBOX PI335
ZBOX PI332のCPUを現行のCeleron N3350に載せ替えたものです。公式サイトに記載はありませんでしたが、CPUを最新のものにしたことで4K出力対応になっていると思われます。
また、CPU内に動画の再生支援機能が備わっているので、動画についてはストレスなく見られるようになっていると思います。
ZBOX PI225
上記3モデルより一回り小さなPCです。容量で見た場合、今回紹介した6モデルの中でも最小となります。
ここまで小さくなると、すごいとしか言いようがありません。
スペック上はPI332とほぼ変わらず、サイズが小型化した分インターフェースに差が出ています。USBがtype-Cのみになっています。そしてHDMIはUSB type-Cからの変換になりました。付属の変換アダプタにはHDMIだけでなく、USB type-Aも二口付いているので、既存の周辺機器を繋ぐ際にも不便はないでしょう。
かなり気になるモデルではありますが、こちらも国内での販売はなくアメリカのAmazonで販売されています。
スペック一覧
メーカー | Mouse | intel | ZOTAC | ZOTAC | ZOTAC | ZOTAC |
型番 | MousePro-C100PV | STK2M3W64CC | ZBOX PI330 | ZBOX PI332 | ZBOX PI335 | ZBOX-PI225 |
価格 | 37,800円(+税) | 39,432円(+税) | 24,310円(+税) | 189.99ドル | 未発売 | 210.30ドル |
発売日 | 2017/09 | 2016/04 | 2016/08 | 不明 | 未発売 | 2017/09 |
幅 | 70mm | 38mm | 115mm | 115mm | 115mm | 95.4mm |
奥行き | 70mm | 114mm | 76mm | 76mm | 76mm | 63mm |
高さ | 34.1mm | 12mm | 20.7mm | 20.7mm | 20.7mm | 8mm |
容量 | 0.168L | 0.052L | 0.181L | 0.181L | 0.181L | 0.048L |
OS | Windows 10 Pro | Windows 10 Home | Windows 10 Home | Windows 10 Home | Windows 10 Home | Windows 10 Home |
CPU | Celeron N3350 | Core m3-6Y30 | Atom Z8500 | Atom Z8500 | Celeron N3350 | Celeron N3350 |
CPU世代 | Apollo Lake | Skylake | Cherry Trail | Cherry Trail | Apollo Lake | Apollo Lake |
Passmark値 | 1119 | 3051 | 1692 | 1692 | 1119 | 1119 |
ベース周波数 | 1.1GHz | 0.9GHz | 1.44GHz | 1.44GHz | 1.1GHz | 1.1GHz |
バースト周波数 | 2.4GHz | 2.2GHz | 2.24GHz | 2.24GHz | 2.4GHz | 2.4GHz |
グラフィックチップ | Intel HD 500 | Intel HD 515 | Intel HD Gen8 | Intel HD Gen8 | Intel HD 500 | Intel HD 500 |
コア/スレッド数 | 2C/2T | 2C/4T | 4C/4T | 4C/4T | 2C/2T | 2C/2T |
TDP | 6W | 4.5W | 2W | 2W | 6W | 6W |
チップセット | ||||||
メモリ | 4GB LPDDR4-2400 | 4GB LPDDR3-1866 | 2GB LPDDR3 | 4GB LPDDR3 | 4GB LPDDR3 | 4GB LPDDR3 |
メモリスロット | なし(オンボード) | なし(オンボード) | なし(オンボード) | なし(オンボード) | なし(オンボード) | なし(オンボード) |
メモリ最大 | 4GB | 4GB | 4GB | 4GB | 4GB | 4GB |
ストレージ | 64GB eMMC | 64GB eMMC | 32GB eMMC | 32GB eMMC | 32GB eMMC | 32GB eMMC |
SATAポート数 | – | – | – | – | – | – |
M.2 | – | – | – | – | – | – |
mSATA | – | – | – | – | – | – |
USB2.0(内部) | – | – | – | – | – | – |
USB2.0(外部) | Front x 1 | – | – | – | – | – |
USB3.0(内部) | – | – | – | – | – | – |
USB3.0(外部) | Front x 1 | Side x 1 ACアダプタ x 2 | Side x 2 | Side x 2 | Side x 2 | – |
USB type-C | – | Rear x 1(電源用) | Rear x 1(3.0) | Rear x 1(3.0) | Rear x 1(3.0) | Side x 2(3.0) |
SDカード | Side(microSDXC) | Side(microSDXC) | Front(microSDXC) | Front(microSDXC) | Front(microSDXC) | Rear(microSDXC) |
LAN | Rear 1Gb x 1 | – | Rear 1Gb x 1 | Rear 1Gb x 1 | Rear 1Gb x 1 | |
Wi-fi | 802.11ac (2×2, Intel 3165) | 802.11ac (Intel 8260) | 802.11ac | 802.11ac | 802.11ac | 802.11ac |
Bluetooth | 4.0 | 4.2 | 4.0 | 4.0 | 4.2 | 4.2 |
D-Sub | – | – | – | – | – | – |
DVI | – | – | – | – | – | – |
HDMI | Rear x 1 | Rear x 1(1.4b) | Rear x 1(1.4b) | Rear x 1(1.4b) | Rear x 1(2.0) | – |
4K対応(HDMI) | 4K/30Hz | 4K/30Hz | – | |||
DisplayPort | – | – | Rear x 1(1.1a) | Rear x 1(1.1a) | Rear x 1(1.2) | – |
4K対応(DP) | – | × | × | – | ||
シリアルポート | – | – | – | – | – | – |
S/PDIF | – | – | – | – | – | – |
ライン出力 | – | – | Rear x 1 | Rear x 1 | Rear x 1 | – |
サウンドチップ | – | – | – | – | – | – |
光学ドライブ | – | – | – | – | – | – |
PCI-Eスロット | – | – | – | – | – | – |
eSATA | – | – | – | – | – | – |
赤外線 | – | – | – | – | – | – |
Optaneメモリ対応 | – | – | – | – | – | – |
最大消費電力 | – | |||||
電源 | 24W/12V | 20W/5V | 15W/5V | 15W/5V | 20W/5V | 15W/5V |
ノイズレベル | – | |||||
VESA | 75mm,100mm | |||||
付属品 | VESAマウントキット | USBハブ機能付きACアダプタ | VESAマウントキット | VESAマウントキット | VESAマウントキット | USB-C to HDMI&USB type-Ax2 変換アダプタ |
その他 | 1年保証 3年まで延長可 24×365電話サポート |
まとめ
今回、6モデルを取り上げましたがいかがだったでしょうか。
がじぇっとりっぷ的におすすめはintel STK2M3W64CCです。値段もこなれてきていますし、性能も抜群。ぶっちゃけ、がじぇっとりっぷのメインノートより性能は上だと思います。
超小型PCの分野は、今後も発展を続けると思います。
ただ、最近はWindowsではなくAndroidを搭載した超小型PCとかモジュール化とか、単に小さなパソコンを作るという時代ではなくなっているように感じます。
しかし、形はどうあれ小さくて高性能というのはワクワクするもので、今後もがじぇっとりっぷでは取り上げていきたいと思います。
関連リンク
超小型パソコン MousePro C100シリーズ
インテル® Compute Stick STK2m3W64CC 製品情報
ZOTAC ZBOX Pシリーズ
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