すさまじい高密度!CompulabのミニPC「Airtop2」は1335ドル(約15万円)でも安いと感じてしまう

PC

書いている途中で寝落ちしてました、がじぇっとりっぷ(@gadgetrip)です。

本日紹介するのは2018年2月14日にイスラエルの企業Compulabが発表したミニPC「Airtop2」です。

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スペック

メーカーCompulab
型番airtop2
価格1335ドル〜
発売日
100mm
奥行き255mm
高さ300mm
容量7.5L
CPUIntel Core i7-7700
Intel Xeon E3-1275 v6
CPU世代第7世代
グラフィックチップHD 630
NVIDIA GTX 1060 6GB
or Quadro P4000 8GB
チップセットC236
メモリインターフェイスDIMM DDR4-2400
メモリスロット4
メモリ最大64GB
ECC対応×
ストレージ×
SATAポート数4(<9.5mm)
or 2(15mm)
M.2M-Key x2
M-Key x3(オプション)
mSATA×
USB2.0(内部)×
USB2.0(外部)×
USB3.0(内部)×
USB3.0(外部)Front x 2
Rear x 6
USB type-C×
SDカード内部 x 1(microSD)
LAN1Gb x 2
Wi-fi802.11ac(オプション)
Bluetooth4.2(オプション)
D-Sub×
DVI×
HDMIRear x 1(1.4)
Rear x 1(2.0b)(GeForce1060)
4K対応
DisplayPortRear x 2(1.2)
Rear x 4(1.4)(Quadro)
Rear x 3(1.4)(GeForce1060)
シリアルポートRear x 3(RS232,mini)
S/PDIF
オーディオジャックFront x 2(in/out)
Rear x 2(in/out)
サウンドチップRealtek ALC1150
光学ドライブ×
PCI-EスロットPCIe x16 x1
eSATA×
赤外線×
Optaneメモリ対応×
最大消費電力240W
電源19-24V
ノイズレベル0dB(Fanレス)
VESA×
付属品
その他FACEモジュールで機能追加可能

特徴

Compulabは1992年に設立されたエンベデッド・システム向けコンピューター・ボードの大手メーカーであり、Intelのパートナーメンバーの一員です。CompuLabのボードは、通信システム、車載機器、ゲームシステム、医療機器、航空宇宙および海洋システム、その他無数のアプリケーションに組み込まれています。
がじぇっとりっぷでも先日にCompulabの別のミニPC「fitlet2」を取り上げています。

今回紹介した「Airtop2」はCompulabの最新モデルで、ハイエンドモデルです。

CPUにはIntel Core-i7-7700の他、Intel Xeon E3-1275Lを搭載することができます。
一番の特徴はデスクトップ向けハイエンドCPUを搭載しながらファンレスであるということでしょうか。
「Airtop2」のサイドパネルはチューブをつなげたような構造になっており、熱が加わるとチューブ内部で小さな上昇気流が発生して下から上へと空気が循環する仕組みになっています。

下記三面図で、サイドパネルがチューブ状になっているのが分かります。

この自然循環を利用してCPUの熱をうまく排熱しているわけで、Compulabでは「Natural Airflow (NAF)」と呼んでいます。

CPUはマザーボードの裏面に配置されており、サイドパネルの左右でそれぞれCPU、GPUの排熱を担当するようになっています。

また、GPUスロットはマザーボード直付ではなくフレキシブルケーブルで接続されています。GPUをサイドバネルと一緒に倒せるようにすることで、内部の作業性も確保しています。

「Airtop2」のサイズは10cm×30cm×25.5cmで容量7.5LとミニPCはとしては大柄です。だいたい最小サイズのmini-ITXケース程度といえば分かる人は分かるんじゃないかと思います。
しかし、排熱をサイドパネルに任せているからか、その中は高密度にパーツがつめ込まれています。
具体的に並べると、

2.5インチHDD/SSD:4台(9mm以下)
NVMe SSD:2台
メモリ:4枚(標準DIMM、最大64GB)
GPU:GeForce 1060(6GB)またはQuadro P4000(8GB)

といった感じです。
GPUが搭載できるmini-ITXケースは多いですが、このサイズで同時に4台もの2.5インチストレージを搭載できるものはないと思います。

その気になれば4G/LTEカードも挿せるので、単体で通信することもできます。
背面のインターフェース類もこれでもかというくらいに詰め込まれています。電源が2系統ありますが、消費電力が最大240Wなので、2系統の電源を取ることでACアダプタ稼働を可能にしているようです。

さらに、FACEモジュールと呼ばれる拡張ボードで機能を追加することができます。FACEの名の通り、前面パネルのインターフェースとなります。
選択できるFACEモジュールは7種類です。公開されている画像ではFM-AT2を搭載しています。

FM-AT2 [FMAT2] $21.00 :2x USB 3.0 | audio | micro-SD | mini-PCIe
FM-LANE4U4 [FMLANE4U4] $73.00 :4x Gbit Ethernet | 4x USB 2.0
FM-POE [FMPOE] $61.00:4x Gbit Ethernet with PoE (PSE) | 2x USB 2.0
FM-XTDM2 [FMXTDM2] $27.00 :2x mini-PCIe
FM-OPLN [FMOPLN] $95.00 :2x Optical Gbit Ethernet (SFP+) | 2x USB 2.0
FM-EBP [FMEBP] $80.00 :Gigabit Ethernet bypass
FM-SER [FMSER] $125.00 :6x RS232 / RS485

画像は上から順にFM-LANE4U4、FM-XTDM2、FM-POE、FM-OPLNです。

まとめ

正直盛りだくさん過ぎてどう紹介するのかにも悩む「Airtop2」ですが、その内容に見合うように結構なお値段となっています。
ミニマム構成ではタイトル通りの1335ドルですが、メモリもストレージも、FACEモジュールも、Wi-fiすらありません。
試しに最大構成(Xeon、mem64GB、2T SSD x4、1TB NVMe x2、Quadro P4000など)にしたところ、7821ドル(約83.6万円)となりました。
まぁ、これはやり過ぎにしろ、将来的な拡張の余地を残した構成にしても2800ドル前後(約30万円)となるので、やっぱり高いですね。

他に弱点を考えるとするならば、エアフローの確保のために大量に並べることが難しそうなことくらいでしょうか。そもそもそういう使い方はしなさそうなPCですが。

それでもこのサイズにこれだけの要素を詰め込んだPCというのは需要がありそうです。2TB x4 とか搭載しておけば、モバイルできる(重さは約10kg)スタジオPCになるので、動画編集や3Dを扱い、かつ移動を伴うようなクリエイティブな現場では需要があると思います。

関連リンク

Airtop2 – 公式サイト※英語サイト
Compulab – 企業サイト※英語サイト

追記

クラウドファンディングのkickstarterにてCore-i7 7700K + GeForce GTX 1080(8GB)を搭載した「Airtop2」の強化版「Airtop2 Inferno」がCompulabの名義で登場しています。
2480ドル(約26万5千円)からの価格となっており、構成の割に安くなっています。
追記時点では30万ドルの目標に対し44305ドル、15人がファンディングしています。
終了は2018年3月26日となっていますので、それまでには超えそうです。

Airtop2 Inferno

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