2018年4月12日、Banana Piで知られるSinovoipからやたらとインターフェースが豪華な「BPI-W2」が発売されました。
スペック
model | Banana Pi W2 |
メーカー | Sinovoip |
発売日 | 2018/04 |
価格 | |
価格(日本円) | |
CPU | Realtek RTD1296(4コア) (1.4GHz A53 x4) |
GPU | Mali T820 MP3 |
メモリー | 2GB DDR4 |
サポートOS | Android CentOS Debian Ubuntu Raspbian OpenWRT |
有線LAN | 1GbE x 2 |
Wi-fi | × |
Bluetooth | × |
チップ | |
ストレージ | SATA x 2 8GB eMMC 5.0 microSD(256GBまで) |
USB | 2.0 x 2 3.0 x 1 Ttpe-C x 1 |
HDMI | HDMI(1.4) HDMI in |
オーディオジャック | ○ |
GPIO | 40pin x 1 |
その他インターフェース | M.2 x 1 PCIe1.1/SDIO x 1(Key E) PCIe2.0 x 1(Key E) miniDP x 1 SIM x 1 |
消費電力 | |
電源 | DC 12V/2A (外径5.5mm 内径2.1mm) |
幅 | 148mm |
奥行き | 100.5mm |
高さ | – |
特徴
「BPI-W2」は昨日紹介したルーターボードの「BPI-R2」と同じ大きさ(148mm×100.5mm)で、はがき(148mm×100mm)とほぼ同じ大きさです。
その面積の中にminiPCIeスロットがふたつにM.2スロットが1つ、SATAが2つとこれでもかというくらいにインターフェースが搭載されています。
このSATAインターフェース、SBCに搭載されているのは初めて見る電源一体型で、HDDとかSSDがそのまま挿さるタイプなんですよね。
Centuryの”裸族のお立ち台”シリーズのように使っちゃうんでしょうか…
miniPCIeスロットは、PCIe 2.0とPCIe1.1/SDIOという、変則的な形になっています。これはSoCが内部的にそれしか持っていないからです。
PCIe1.1は片方向2.5Gbpsなのですが、8b/10bエンコード方式のために実質2.0Gbpsとなります。これでもWi-fiには十分なので、事実上Wi-fiカード専用と言ってもいいかもしれません。
PCIe2.0は片方向5.0Gbps(実質4.0Gbps)なので転送速度的に問題はないのですが、key E仕様(2242/2260)なので対応カードが少ないです。
裏面にあるM.2スロットはSSDを中心に対応カードは多いのですが、2242サイズなのでこちらも選択肢は多くありません。頑張って横向きにして2280サイズが装着できていたならば、選択肢が相当増えたのですが…
さらにHDMI入力という珍しい端子まで備えています。
HDMI入力は、要はディスプレイ側のHDMI端子のことで、「BPI-W2」の場合、PinP(Picture in Picture、画面内の小画面)で、他のPCなどから出力されたHDMI画像を表示することができます。
下の画像はAndroid 6.0上でHDMI入力画像をPinP表示しているデモとなります。
ただ、この機能、タブレットとかだったら非常時のディスプレイ代わりに重宝するんですけど、「BPI-W2」にはディスプレイがないので、使いみちに困ります。
しばらく考えて出た答えが”ゲーム実況”だったんですけど、表示が結構遅延しそうな気がするので、やっぱり使いようが無い気が…
SoCはRealtek RTD1296。SBCでRealtekはあまり見かけないのですが、NASでは2017年9月に発売したSynologyのDS-218やDS-418が同じSoCを搭載しています。エントリー寄りのミドルクラスのNASと同等性能ということですね。
「BPI-W2」の別の長所は対応OSが多いことです。
公式サイトではAndroid 6.0、CentOS、Debian、Ubuntu、Raspbianの動作画面が掲載されている他、OpenWRTも対応OSのリストに入っています。
まとめ
あれこれありすぎて使い方に悩む「BPI-W2」なのですが、公式での謳い文句は”highly integrated multimedia network router(高度に統合されたマルチメディアネットワークルーター)”だったりします。
カテゴリとしてはルーターらしいです。ルーターなのか…
とりあえず、デュアルLANとSATAが2ポート、M.2があってminiPCIeが2つもあって、USB3.0まで付いて93ドル(aliexpress価格)と考えると、そんなに高くはないと思います。
自宅サーバーやNAS用途だとデュアルLANとSATAはありがたいですし、HDMIとストレージはメディアサーバー向きです。USBカメラを繋いで監視サーバーにするというのも1つの手です。
ルーターというカテゴリながら、どのインターフェースを使うかを決めれば結構使い勝手はいいかもしれません。
でもやっぱりHDMI-inの使い道が思いつかない…
関連リンク
Banana Pi BPI-W2 – メーカー製品ページ
Banana Pi BPI-W2 – gitbooks ※英語サイト
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