クラウドファンディングのIndiegogoに、モジュール式のオープンソースルーター「Turris MOX」が登場しています。
モジュールは5種類あります。
スペック
MOX A (Basic Module)
CPU | Marvell Armada 3720 ARMv8 Cortex A-53 1.2GHz dual core |
メモリー | 512MB DDR3 |
ストレージ | microSD(最大2TB、最大速度104MB/s) |
WAN | RJ-45 1GbE |
外部インターフェース | USB3.0 x1 |
内部インターフェース | 34pin GPIO 64pin PCIe(モジュール接続用) |
サイズ | 100 x 50 x 18mm |
電源入力 | 12V / 2.5A(最大3.3A) 内径2.1mm |
Wi-fi | IEEE 802.11a/b/g/n/ac Wave 2 Dual Band Wi-fi |
MOX B (PCI モジュール)
外部インターフェース | SIMカードスロット |
内部インターフェース | mini PCIe x1 64pin PCIe(モジュール接続用) |
サイズ | 100 x 50 x 10mm |
Wi-fi | Compex WLE900VX (5GHz:1.3Gbps、2.4GHz:450 Mbps) |
アンテナゲイン | 3× 2.4 GHz 3.5 dBi, 5 GHz 4.6 dBi |
対応プロトコル | 64/128 bit WEP WPA/WPA2 WPA-PSK/WPA2-PSK |
備考 | MOX Bは2つ以上の連結不可 |
MOX C (ETH モジュール)
外部インターフェース | RJ-45(1GbE) x4 |
内部インターフェース | 64pin PCIe(モジュール接続用) |
サイズ | 100 x 50 x 28mm |
備考 | MOX Dとの併用不可 |
MOX D (SFP モジュール)
外部インターフェース | SFP(2.5Gbps) x1 |
内部インターフェース | 64pin PCIe(モジュール接続用) |
サイズ | 100 x 50 x 12mm |
備考 | MOX Cとの併用不可 |
MOX E (Super ETH モジュール)
MOX Eは追加で公開されたモジュールのため、仕様表が公開されておらず、推測となります。
外部インターフェース | RJ-45(1GbE) x8 |
内部インターフェース | 64pin PCIe(モジュール接続用) |
サイズ | 100 x 100 x 28mm |
特徴
「Turris MOX」は自分でモジュールを組み合わせて作るルーターです。
OSはOpenWRT 18.5をベースとしたTurris OS 4.0を用います。将来的にはLinuxディストリビューションのサポートも考えているようです。
モジュール式という特殊な形態をしていますが、SoCもインターフェースもありふれたものなので、期待できそうです。
モジュール単体(ケース無し)だと29ドルです(MOX Eを除く)。
上の画像を見てなんとなく分かると思いますが、モジュールの基盤同士は独自仕様となる64ピンのPCIeコネクタ(Moxtet)で接続します。
内部的には2.5Gbpsでの接続となります。
いくつか制限が有り、MOX BはmPCIeスロットがPCIe信号バスを専有するため、2つ以上を連結することができません。上の画像でも右のコネクタの下1/3くらいが繋がっていないのが分かるかと思います。
なので、Wi-fiカードとM.2 SSDの同時運用ができない残念仕様だったりします。
同様にMOX C及びMOX DはSGMII信号バスを専有(真ん中付近の線が途切れて右まで繋がっていません)するため、併用することができません(MOX Bとの併用は可)。
そのため、モジュール式とは謳いながらも、実のところはベーシック部のMOX Aを含めて最大で3つのモジュールまでしかつなげません。
プランは6種類あり、以下の組み合わせとなります。
上記6種類のプランをインターフェースで見ると以下となります。
追加で公開されたMOX E(8ポートLAN)を組み合わせる場合、純粋に追加する場合は+55ドル、MOX C(4ポートLAN)からの変更では+29ドルとなります。
まとめ
オープンソースのルーターOSはいくつか種類が有りまして、Vyatta、OpenWRT、DD-WRT辺りが有名です。
家庭用のルーターでもファームウェアの書き換えでオープンソースルーター化できるものがあり、バッファローは一時期ルーターOSの1つであるDD-WRTを採用していたこともありました。
現行製品だとNETGEARのNighthawkシリーズなども書き換えができますし、Linksysに至っては製品名にWRTと入っていたりします。
一方、モジュール式のネットワーク機器といえば、CISCOなどの業務用ではあったりするのですが、一般向けというか、非業務用では珍しいんじゃないかと思います。
価格については、ボード単体が各29ドル(MOX Eのみ55ドル)、Wi-fiカード(2×2)が29ドルで各プランは以下となります。
各プランにはガワとなるMOXケース、Turris OS入りのSDカード及び電源アダプタが付属します。
Pocket Wi-fi:89ドル
Power Wi-fi:129ドル
Classic:149ドル
Wired:99ドル
Fiber:99ドル
Simple NAS:399ドル
Power Wi-fiプランおよびClassicプランに付いてくるWi-fiカード(Compex WLE900VX)は単体での販売額が40ドル(メーカー公式ショップ価格)なので、ちょっとお得感があります。
なお、25万ドルという強気の目標に対して記事執筆時点で10万ドルをちょっと超える程度の資金が集まっています。
ファンディング終了は2018年5月16日となっているので、順調に行けば目標達成しそうですが、なぜかIndiegogo内でのプロジェクト一覧に出てこないんですよね。。。
かなり癖は強そうですが、比較的安価ににオープンソースルーターを試してみるにはいいんじゃないでしょうか。
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