NAS特化型SBC。kobolの「Helios 4」は探し求めていたスペックに近い

2017年6月とこれも一年近く前のものになりますが、NAS特化型のSBC(シングルボードコンピューター)となる「Helios 4」を見つけたので紹介します。

スペック
特徴
まとめ
関連リンク

スペック

model	Helios 4
メーカー	kobol
発売日	2017/06
価格	195ドル
価格(日本円)
CPU	Marvell Armada 388(2コア) (1.6GHz A9 x2)
GPU	×
メモリー	2GB DDR3L
サポートOS	armbian OpenMediaVault Debian
有線LAN	1GbE x 1
Wi-fi	×
Bluetooth	×
チップ
ストレージ	SATA x 4 microSDXC 32MB SPI NOR
USB	3.0 x 2
HDMI	×
オーディオジャック	×
GPIO	12pin x 1
その他インターフェース	UART(microUSB)
消費電力	10W(board) 32W(HDDx4)
電源	DC 12V / 8A
幅	100mm
奥行き	100mm
高さ
その他	ケースサイズ：107 mm x 210 mm x 182 mm 70mmファン x 2

特徴

冒頭でも書いたように、「Helios 4」はNAS用途に特化したSBCです。
ボード上にはSATAが4ポートにHDD用の電源コネクタも搭載されており、入力電源は最大で12V /8AとSBCとは思えない大容量となっています。

NAS特化だけあって、ボードの構成も非常にシンプルです。
SATAポートとHDD用電源コネクタが大きく見えます。

インターフェース類は背面にまとめられているのですが、電源、USB3.0×2、1GbE、microSDXCスロット、UART(microUSB)とほぼ必要最低限にまとめられています。
HDMI等の映像インターフェースも、オーディオジャックのような音声インターフェースもない、割りきった仕様です。
流石に割り切り過ぎじゃないかと思うのですが…

搭載されているSoCの「Marvell ARMADA® 388」は、メーカーのページにも”NAS用”と明記されるくらい、NASに特化したCPU(+周辺チップ)です。
SoCの仕様を見ると、GbEは3ポートまで対応だったり、PCIeを持っていたりするので、もうちょっとインターフェースはもたせられたんじゃないかなぁと。
せめて、デュアルLANくらいは欲しかったところです。

パッケージにはボード本体だけでなく、NASケースとなるパネル群や70mmファンも含まれています。100W近い出力となるACアダプタが巨大です…
NASケースは青、緑、黒の3色があります。

組み立てるとこんな感じ。非常にシンプルというか、余計なものがないのでとてもコンパクトです。
側面にHDDが直付というのは振動がちょっと心配なので、せめてクッションとなるようなバンパーくらいはあってもよかったのではと思ってしまいます。

対応OSについては、記事執筆時点ではDebianとOpenMediaVaultのイメージが公開されています。

まとめ

「Helios 4」は一度クラウドファンディングのkickstarterでファンディング失敗となっています。目標が15万シンガポールドル(約1230万円)に対し、10万シンガポールドル(約820万円)まできていたので、需要がなかったわけではなさそうです。単に目標を高く設定しすぎたのかなと。

その後、自前でショップを立ち上げ、そちらでは第1ロットが完売となっています。
現在は第2ロットの準備中だそうです。第2ロットではケースは青のみとなり、ボード単体のプランも追加する予定とのこと。

このように珍しいNAS特化SBCの「Helios 4」ですが、唯一の問題が195USドル(約2万円)という値段です。
実のところ、少しサイズが大きくても良ければCPUオンボードのmini-ITXマザーボードが1万円程度からあります。

例えばBIOSTAR「A68N-5600」はAMD A10-4655(passmark値で2600ポイント弱という、そこそこのCPUです)を搭載して9000円強と「Helios 4」よりも安く、ちゃんとSATAも4ポート備えています。メモリだって32GBまでいけますし、PCIe x16スロットまで付いています。
正直、17cm×17cmというサイズさえ我慢できるならこちらをおすすめします(AMDだし)。

コンパクトさにどれだけ価値を見出すか。そこが分かれ目となりそうな製品です。
ボード＋ACアダプタで100ドル前後だったら全然”あり”なんですけどね…

スペック

特徴

まとめ

関連リンク

コメント