スタンドアロン稼働向け?格安の3G通信対応SBC「Orange Pi 3G-IOT」が登場。ついでに「Orange Pi 4G-IOT」も紹介します

2018年5月25日、Shenzhen Xunlongから3G通信対応SBC(シングルボードコンピューター)「Orange Pi 3G-IOT」が発売されました。今回は記事にしていなかった「Orange Pi 4G-IOT」と合わせて紹介します。

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スペック

model Orange Pi 3G-IOT Orange Pi 4G-IOT
メーカー Xunlong
発売日 2018/05 2018/03
価格 24.90ドル 45ドル
価格(日本円)
CPU MediaTek MT6572
(1.2GHz A7 x 2)
MediaTek MT6737
(1.25GHz A15 x 4)
GPU Mali-400 MP1 Mali-T720 MP1
メモリー 256 / 512MB DDR2 1GB DDR3
サポートOS Android 4.4 Android 6.0/8.1
有線LAN × ×
Wi-fi 802.11b/g/n 802.11b/g/n
Bluetooth 4.0 4.0
チップ
ストレージ 512MB / 4GB eMMC
microSD(最大32GB)
8GB eMMC
microSD(最大32GB)
USB 2.0 x 1 2.0 x 3
2.0 x 1(micro)
GPIO 40pin x 1 40pin x 1
映像 ZIF x 1 HDMI
LCD x 1
カメラ MIPI-CSI ZIF(25pin) x 1(最大13M)
オーディオジャック
mic x 1

mic x 1
その他インターフェース nano SIMスロット nano SIMスロット
IR receiver
電源 microUSB 5V/2A DC 5V/2A
68mm 85mm
奥行き 52mm 55mm
高さ 14mm 20mm
その他 3G対応(GSM: 850/900/1800/1900
WCDMA: B1/B2/B5/B8,
TD-CDMA,CDMA2000)
GPS
重量:25.5g
4G対応(GSM: 900/1800 (850/1900 optional)
WCDMA: B1/B8 (B2/B4/B5 optional)
TD-CDMA
CDMA2000
FDD-LTE: B1/B3/B7/B20 (B2/B4/B17optional)
TDD-LTE: B38/40/41B )
重量:43g

特徴

Orange Pi 3G-IOT

「Orange Pi 3G-IOT」の特徴はなんといっても25ドル以下という値段ながら3G通信に対応している点です。
GSMは国内では使用されていませんが、WCDMAはソフトバンクがB1とB8を、ドコモがB1を使用しています。
auはCDMA2000ですが、仕様表にはバンド番号まで書いていなかったので、非対応の可能性が高いです。

SoCの”MT6572″は2013年5月に発売された、かなり低スペックなチップです。Antutuの数字で言うと、11,000点程度のようです。
“MT6572″は2G/3G対応の通信モデムと、Wi-Fi/Bluetooth/GPS/FM対応の無線チップが統合されており、CPUに低消費電力型のCortex-A7を採用することで、低コストかつ低消費電力なSoCとなっています。
Cortex-A7はアーキテクチャ発表が2011年で、Snapdragon200シリーズなどにも採用されています。

発表当時はCortex-A7で7100ドル以下のスマホ市場を立ち上げることを目指していたということからも、どれだけ低性能かわかるかと思います。

全体のサイズは68mm☓52mmと、クレジットカード(53.98mm x 85.60mm)の横幅を2割ほど削ったくらいの大きさです。

Orange Pi 4G-IOT

「Orange Pi 4G-IOT」は「Orange Pi 3G-IOT」に20ドル追加するだけでスペックが格段に上がり、LTE対応になります。
対応バンドはB1/B3/B7/B20/B38/40/41Bとなっています。
各キャリアの使用バンドと比較すると、使えるのはB1とB3くらいです。

ドコモ:B1/B3/B19/B21/B28/B42
au:B1/B11/B26(B18)/B28/B41
ソフトバンク:B1/(B3)/B8/B41 B3はY!mobile

ただし、日本のSIMに対応しているのかも不明ですし、そもそも技適も取っていないので国内での使用はダメなのですが。

SoCの”MT6737″は2016年のQ2ころに登場した、比較的新しいチップです。アーキテクチャのCortex-A15自体の登場は、実はCortex-A7より古い2010年10月ですが、スマホの普及期と重なって、Cortex-A15はあちこちのメーカーのSoCに使われました。
“MT6737″もFREETEL Priori 4、ASUS ZenFone 3 Maxなどに採用されています。

Antutuでは3万点前後とのことなので、「Orange Pi 3G-IOT」と比較して3倍弱になります。2016年の中堅どころといった感じでしょうか。

インターフェースの配置などは以下の通り。

変な形のアンテナですが、左がWi-fi/BT/GPS用、右がGSMとあるので3G用、真ん中のラーメンどんぶりの雷紋みたいなのがおそらくは残った4G用と思われます。
電源がmicroUSBではなくバレルジャックのDC入力となっており、電源を用意するのが少し面倒になっています。

対応OSはAndroid 6.0のみでしたが、2018年5月21日にAndroid8.1のOSイメージが追加されました。

注意事項

「Orange Pi 3G-IOT」はOSイメージの公開が遅れており、公式サイトに掲載がありません。
現時点では自力で何とかするしかない状況ですので、購入するのはOSイメージが公開されてからのほうが良さそうです。

また、現状では対応OSもAndroid4.4と古く、こちらもネックとなります。

まとめ

OrangePiはXunlong Softwareが開発・発売をしており、2015年8月にRaspberry piのほぼ半額の18.15ドルで発売した「Orange Pi PC」が初代となります。
定期的に新製品を発売しており、数少ないRaspberry Piクローンの生き残りと言えます。最近ではRaspberry Piスタイルにこだわらず、超小型だったり、今回紹介したような通信モジュール付きだったりと、バリエーションを増やしています。

「Orange Pi 4G-IOT」、「Orange Pi 3G-IOT」とくれば「Orange Pi 2G-IOT」もあります。しかも10ドルです。しかし、国内では2Gはすでに停波しているため、購入しても使いどころがありません。

「Orange Pi 2G-IOT」はOSイメージが色々あるのですが、「Orange Pi 4G-IOT」「Orange Pi 3G-IOT」は前述したようにAndroidのみです。
これはArmbianの開発チームがあまり興味を示していないらしいということもあるのでしょうが、Androidはデフォルトで通信機能を備えていること、省電力機能に優れていることなどが理由になっているんじゃないかなと。まぁ勝手な推測ですが。

この手の3G/4G通信を搭載したものは需要がありまして、たとえば気温や大気物質などの環境センサをつないで、太陽電池パネルとバッテリーでのスタンドアロン稼働を可能にした環境監視装置なんていうものがあります。
Raspberry Piを使った制作事例などもありますが、3G/4Gモジュールって値段が高いんですよね…

他にも水位計や水質監視装置を繋いだ河川監視、身近なところではモーションセンサーとカメラと組み合わせた監視カメラもどきなんかもできると思います。

耐久性が未知数ですが、これだけ安いと使い捨てレベルでの運用もできるので、ぜひとも技適を取って欲しいところです。

関連リンク


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