サイバー感が溢れてる。 Delux「Navee」は手首に優しい縦型エルゴノミクスマウス

クラウドファンディング

2018年9月19日、クラウドファンディングサイトのKickstarterに、ロジクールの縦型マウス「MX Vertical」にサイバー感を足したようなエルゴノミクスマウス「Navee」が登場しています。

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スペック

モデル名Navee
101mm
奥行き142mm
高さ83mm
重さ130g
DPI 600/1200/1600/4000
バッテリーリチウムイオン
800mAh
稼働時間40日
充電時間2.5時間
ボタン数6
接続方法 USBドングル(2.4GHz)
BT3.0/4.0
センサーレーザーLED
バックライトRGB(1680万色)
最大角度20°
対応OSWindows
MacOS
Linux
Android
iOS

エルゴノミクスとは

エルゴノミクスとは、厳密な定義が難しいのですが、人間が自然な動きや状態で使えるように物や環境を設計することで「効率性」と「安全性」を最大限にするための学問・研究分野のことで、日本語では人間工学と訳されます。
言葉としてはギリシャ語のエルゴン(仕事)とノモス(原理、法則)を組み合わせた造語です。

由来は2つあり、ひとつはポーランドの学者ヴォイチェフ・ヤストシェンボフスキ(Wojciech Jastrzębowski)が1857年に発表した論文「Rys ergonomii, czyli Nauki o pracy opartej na prawach zaczerpniętych z Nauki Przyrody(エルゴノミクス概説-自然についての知識から導かれる真理に基づく労働の科学)」です。
もうひとつは1949年に英国人間工学学会が設立された時に提唱された(当時は東西冷戦時代で、鉄のカーテンの向こうであるポーランド語で書かれたヤストシェンボフスキの著書は知られておらず、全く別の人物が同じ造語を作った)のが起源とされています。

「労働の科学」というタイトルの通り、「労働の効率を向上させるには(機械に限らず)あらゆる環境を最適化する必要がある」との考えが柱のようです。
例えばヤストシェンボフスキの論文は宗教的要素が多分に混じっていますが、「神によって人に与えられた力や能力を上手に使う(意訳)」といったことが書かれています。

一方アメリカでは1911年にウィンスロップ・タルボット(Winthrop Talbot)が雑誌「human engineering」を創刊、機械工学に対する分野として提唱しました。
その後第二次世界大戦中の戦闘機のコックピット設計から”human factor eingineering”として人間工学が始まり、19957年に「Human Factors Society」が設立されました。
エルゴノミクスと違う点は、「効率を上げるには”快適な操作性”が必要である」「高い労働効率には”健康”が不可欠である」「快適性と健康の大前提には”安全”がある」の三点を柱としていることです。

現在ではほぼ同一のものとみなされていますが、上記のような経緯からアメリカや航空業界ではヒューマン・ファクタ、アメリカ以外ではエルゴノミクスと呼ばれています。

ちなみに日本では1964年に日本人間工学会が設立(人間工学という言葉自体は1922年から存在)されています。

特徴

Delux「Navee」は、手首の痛みからの開放、特にCTS(Carpal Tunnel Syndrome、手根管症候群)とRSI(Repetitive Strain Injury、反復過多損傷)で悩むユーザーをターゲットとして設計されたエルゴノミクスマウスです。

ちょうど握手をするくらいの、手首に負担のかからない角度でマウスを握ることができます。
傾きは個々人の手に合わせて20度の範囲で調整できます。
ちょうど「MX Vertical」と「MX ELGO」を足したような感じですね。
角度変更は前のダイヤルで行います。

一番目立つ特徴が、頂点部分にある大きなスクロールホイールです。親指、人差し指のどちらでも操作できるようになっています。
FAQによると、スクロールホイールはクリック動作もできるようです。
一般的な左右ボタンの真ん中ではないため、しばらくはボタンと指の配置に迷いそうですね。

ボタンは左右ボタン、進む/戻るボタン、スクロール、DPI設定の6つです。
ボタンはOmron社製のマイクロスイッチ(D2FC-F-7N)が使われています。
ゲーミングマウスのシェア9割を超えるスイッチとのことで、電気的寿命は500万回とされています(この上に1000万回と2000万回のモデルがあります)。
ネットでは「交換してみた」もあるので、ハンダが使えれば交換もできるんじゃないでしょうか。

接続方法はUSBドングル(2.4GHz)、Bluetooth3.0/4.0の3通り。それぞれにデバイスを割り当てることができるため、3デバイス接続となっています。

トラッキング方式はレーザーです。
ざっと調べた感じではゲーミングマウスや高級マウスは青色LEDよりレーザーが多いようです。

DPIは600-1200-1600-4000の4段階です。最高段階だけ倍数じゃないってのはなんででしょうね?

ゲーミングデバイスっぽいサイバーなデザインだからか、内蔵RGB LEDで1680万色に光らせることができます。
ワイヤレスでこれは電池食うだけだと思いますが、

とはいえ、本物のゲーミングマウスのように重さを調整したり、スクロール負荷を調整したりといったところまではできないようです。

バッテリーは800mAhのリチウムイオン電池です。充電端子はUSB Type-Cとなっています。
2.5時間の充電で40日間の稼働となっていますが、バックライトLED込みなのかは不明です。

まとめ

ロジクールの「MX Vertical」は12000円以上という高級なマウスになりますが、「Navee」は49ドル(約5600円、Super Early Birdの価格)と半額以下になります。ちなみに送料は全世界無料とのこと。
香港の企業なので、china post辺りで発送される気がします。

記事執筆時点では目標10,000香港ドル(1277ドル)に対し達成額は58,000ドルとなっています。
目標が低すぎるので、宣伝目的がメインでしょうね。
70,000ドルを超えるとグレー&シルバーとホワイト&シルバーの2色がラインナップに追加されます。

ファンディングの締め切りは2018年10月19日、発送は2018年11月となっています。

開発企業のDELUX(多彩科技)は1994年設立の中国は深圳の企業で、ゲーミングデバイスや片手キーボードなどを発売しています。
縦型マウスも結構な数を発売しており、「Navee」はその集大成といった位置づけとなります。
延期の可能性はあれども発売されないということはなさそうなので、手首が痛いとか肩こりに悩んでいる方はいかがでしょうか。

関連リンク


ロジクール MX Vertical

Delux Navee – Best Ergonomic Mouse for Longterm Comfort – Kickstarter ※英語

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