意外となかった。 MOVO Photo「SmartCine」はライトとマイクとレンズ付きのスマホカメラグリップ

クラウドファンディング

クラウドファンディングサイトのKickstarterに、本格的なマイクとリングライトと取り換え可能なレンズを備えたスマホ用ビデオ撮影キット「SmartCine」が登場しました。
SmartCine」はステレオマイク版とワイヤレスマイク版の2種類がラインナップされています。

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スペック

共通

装着可能範囲56mm〜97mm
三脚穴 1/4インチスクリュー
バッテリー リチウムイオンポリマー
3.7V 250mAh
充電時間2時間
LED稼働時間 4時間(16ルーメン)
2時間(31ルーメン)
1時間(46ルーメン)
グリップ高さ57mm〜97mm
グリップ表面ラバー

レンズ

魚眼レンズ視野180°
広角レンズ0.65倍
レンズ素材ガラス
コーティング 反射防止コーティング

ステレオマイク

マイクタイプ コンデンサーマイク
極性無指向性
周波数特性40〜18000Hz
感度 -38dB±2dB
0dB=1VIPA,1KHz
SN比74dB
出力インピーダンス600オーム
電源 内蔵リチウムイオン電池
スイッチ0dB、+10dB
フィルター ローカットフィルター
バッテリー稼働時間150時間
プラグ3.5mmジャック

ワイヤレスマイク

無線変調方式GFSK
無線周波数帯 2.4GHz (2405〜2478MHz)
周波数特性 35Hz〜14000Hz ±3dB
SN比76dB以上
ゆがみ 0.1%以下(32Ω、1KHz、65mW出力)
無線出力レベル2mW
イヤホン出力レベル32Ω、65mW
受信感度 -85dB±3dB
0dB=1VIPA,1KHz
入力コネクタ3.5mmジャック
作動範囲 50フィート(約15m)
電源DC1.5V
単三電池一本
消費電力120mA
稼働時間3時間
サイズ60×86×28mm
重量124g(電池含まず)

用語説明

オーディオ関係は用語の意味がわかりにくいものが多く、一部ではありますがスペックに記載した用語をいくつか(大雑把に)説明します。

dB(デシベル)

デシベルは実は音量を表す単位というわけではなく、対数比で表す時の単位です。
デシ・ベルです。デシは1/10を表す接頭語です。1/100がセンチで1/1000がミリですね。
ベルは底が10である常用対数によりレベル表現をする場合の単位で、1000は3ベル、10000は4ベル、というふうになります。
ただこのままだと2倍は0.3ベル、10倍は1ベルとわかりにくいため、1/10ベル、すなわちデシベルが一般的に使われています。

音量に限った話で言うと、音の強さは音圧の二乗に比例するため、20デシベルで10倍となります。
人間の聴力の限界が0dBで葉のかさかさ音が20dB、一般的な会話が60dBで目覚まし時計が80dBです。目覚まし時計は会話の10倍うるさいということですね。

ちなみにベルの語源は電話の発明者アレクサンダー・グラハム・ベルだそうです。

マイクタイプ

マイクにはダイナミックマイクとコンデンサマイクの2種類があります。厳密にはもっと種類がありますが、夜のマイクの大半がこのどちらかです。

ダイナミックマイクは振動板とコイルで音を直接電気信号に変換します。
コンデンサーマイクはその名の通りコンデンサーを内蔵し、音の信号を電圧の変化に変換したうえで電気信号にします。
コンデンサーに電気を貯めるために電源(ファンタム電源)を必要としますが、感度が高いという特徴があります。

一般的にはテレビで司会が持つ先端の丸いマイクがダイナミックマイク、レコーディングスタジオにある四角いマイクがコンデンサマイクと思えばいいでしょう。
漫才など、マイクを固定して使う場合もコンデンサマイクが使われます(コンデンサマイクは振動に弱いので固定します)。

周波数特性(frequency response)

機器が低域から高域にわたってフラットに再生できる周波数の範囲。
後ろの±で表されている部分は「許容出力変動幅」と呼ばれます。

S/N比(signal-noise ratio)

信号電力と雑音電力との比。
S/N(N分のS)との書き方から分かるように、S(signal)に対するN(noise)の割合を示しており、これが60dBだと電圧比で1000:1ということになります。
つまり、S/N比が高いほど雑音の影響が少ないということです。

特徴

SmartCine」の特徴はマイクとライトとレンズとグリップを一体化したことにあります。
SmartCine」に使われているものは、マイクもライトもレンズもグリップもそれぞれ個別ならすでにいくらでも販売されています。
既存の技術や部品を組み合わせて、新しい形を示すという意味では、イノベーションであると言えるかもしれません。

まずマイクですが、スマホのマイクは貧弱なので、外部マイクがあると音質が一気に向上します。

SmartCine」にはステレオマイクとワイヤレスマイクの2種類があります。
スマホとはオーディオケーブルで接続するため、iPhoneのようなオーディオジャックがない機種では変換アダプタが必要になります。

ステレオマイクは無指向性で、通常と同じように周辺の音を拾うタイプです。
ローカットフィルターを内蔵し、風切り音などの低い周波数の音を抑えることができます。
マイク内にブースターがあり、+10dB(3倍)まで増幅が可能です。

ワイヤレスマイクはステレオマイクの代わりに受信機が付いており、離れたところにあるマイクの音声を拾います。

ライトはLEDを36個使ったリングライトで、3段階に明るさを調整できます。
稼働時間は一番暗い(16ルーメン)ときで4時間、一番明るい(46ルーメン)時で1時間となります。
1ルーメンは「点灯したロウソクを1メートル先に置いたときの手元の明るさ」なので、その45倍はそこまで明るくありません。
常夜灯で10〜15ルーメン程度なので、45ルーメンというのは室内を歩くのに不自由はなく、自撮りすれば顔は映る、と言った程度でしょうか。
どちらかというと自撮り撮影時に逆光を抑えたり、濃い影をなくす効果としての使い方のほうが大きいかもしれません。

レンズは魚眼レンズと0.65倍の広角レンズの2種類です。
魚眼レンズ、広角レンズ、レンズ無しでの撮影比較が下の画像となります。魚眼レンズはともかく、広角レンズでもかなり広く撮影できるようになっていることが分かると思います。
なお、レンズにはレンズキャップが用意されています。

ガラス製なのでプラスチック製の安物とは違って光学的に優れ、透明度も高いために画面が暗くなりにくいという利点があります。
反面、プラスチックレンズの倍ほどの重さになるのですが、このサイズならばそれほど気にならないでしょう。

まとめ

SmartCine」はマイク・ライト・レンズ・グリップがコンパクトにまとまっており、撮影向けのスマホアクセとしては完成度が高いと思います。
個々で見るともっといいものはあるのですが、干渉しあって使えなかったなんて事例も散見されるため、確実にすべての機能が使えるというのは優位点として見れるでしょう。
あと、1/4インチネジ部に取り付けるストラップが地味に便利そうです。

顔を映すのにちょうどいいライトと高音質化を図れるマイクの付いたグリップというのは実況系のYouTuberなんかにはうってつけじゃないかと思います。

価格は最安値の50ドル(ステレオマイク)が完売で、記事執筆時点ではステレオマイクが70ドル(約7900円)、ワイヤレスマイクが140ドル(約16000円)となっています。
値段からすると全然アリですね。

ファンディング期間は2018年10月21日 00:02まで、発送は2019年1月となっています。

あとは望遠レンズとジンバル機能があれば完璧だったのですが、惜しかった…

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SmartCine – MOVO Photo

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