QNAP「TS-351」は3ベイNAS初のIntel CPU搭載で、できることが広がったものの性能が微妙

2018年10月16日、QNAPは3ベイNAS「TS-351」を発表しました。また、翌17日には販売代理店のテックウィンドが国内での取り扱いを発表し、2018年10月19日より販売が開始されました。

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スペック

型番 TS-351
メーカー QNAP
価格
発売日 2018/10
150mm
高さ 142mm
奥行き 260.1mm
CPU Intel Celeron J1800 2.4GHz Dual-Core
内部フラッシュメモリ 512MB
メモリ 2GB/4GB DDR3L
最大メモリ 8GB
ホットスワップ
SSD対応
NIC
(1GbE)
1
NIC
(10GbE)
LA/PT
USB2.0 2
USB3.0 1
USB type-c
eSATA
PCIe
SDカード
HDMI 1.4a
4K対応 ×
DisplayPort
S/PDIF
オーディオジャック
スピーカー
赤外線
レシーバー
ハードウェア
暗号化
ハードウェア
アクセラレーション
IPカメラ
(無償)
8
IPカメラ
(最大)
128
仮想化
(VMWare)
仮想化
(Windows)
仮想化
(Citrix)
仮想化
(OpenStack)
仮想マシン
(VirtualBox)
仮想マシン
(Docker)
対応RAID 0/1/5
ファイルシステム EXT4
システム
ファン
90mm x 1
ノイズレベル 21.8dB
Wi-fi
消費電力 25.63W
重さ 1.64kg
DTCP+
DTCP-IP
DLNA
iSCSIターゲット
iSCSI LUN
ユーザー数 4096
グループ数 512
並列接続数 700
共有フォルダ 512
スナップショット 256
read性能 113
write性能 112
read性能
(暗号化)
103
write性能
(暗号化)
89
備考 M.2スロット x2(PCIe)

特徴

「TS-351」の特徴はQNAPの3ベイNASで初めてIntel CPUを搭載したことにあります(とはいえまだ3モデル目ですが)。
搭載されたのはCeleron J1800で、2.41GHz(バースト時2.58GHz)のデュアルコアとなっています。

ただこのCeleron J1800、発表は2013年後半で搭載製品の登場は2014年のはじめというかなり古いCPUで、Celeronと名はつくもののAtom系の”Bay Trail-D”の下位に属しています。
“Bay Trail”といえばAtom Z3700シリーズですね。同じアーキテクチャのデスクトップ向けCPUということで、性能も想像がつくと思います。

ベンチマークのPassmark値でみると、Celeron J1800はシングル552、マルチ1025となっています。
同じ”Bay Trail”のAtom Z3740(1.33GHz)がシングル372、マルチ1062、上位のAtom Z3770(1.46GHz)がシングル473、マルチ1243です。
参考までに、最近のノートPCで主流となっているCore i5-8250Uがシングル1932、マルチ7664となっています。

こんな微妙性能なCPUを搭載する「TS-351」ですが、QNAPサイトでの分類ではHOME向けハイエンドに分類されています。
HOME向けということで主用途はデータ管理とマルチメディア、最大アクセス数も家族の人数程度なので、スペックを抑え気味にしたのかもしれません。
実際、QNAP公式サイトの製品ページでもホーム マルチメディア ハブという点を前面に押し出しています。

それでもマルチメディア用途を謳うからにはせめて4Kに対応したほうが良かったのでは?と思わなくもないですが…

なお、メモリの最大値は8GBですが、これもCPUによる制限となっています。
メモリ規格も現在主流のDDR4ではなく、DDR3Lです。DDR3は無印のDDR3(1.5V)、DDR3L(1.35V)、LPDDR3(1.2V)と電圧が別れているため、その点も注意が必要です。

筐体についてはこれまでの「TS-328」「TS-332X」とほぼ同じです。
前から見た違いはM.2 SSD用のステータスLEDの数くらいです。

背面は、どことなく端子の数が少なく見えます。
QNAPはエントリーモデルを除いて大体はLANポートが2つ以上あるのですが、「TS-351」は1ポートしかありません。
HDMIはバージョン1.4aで1080pまでの対応となります。
USBは両方ともUSB2.0です。USB3.0は前面の1ポートだけです。

HDDの搭載の仕方は他の3ベイNASと同じで、こんな形でもホットスワップに対応しているとのこと。
でも普通、ここまで開く時は自然と電源を落とすと思います…

正直ここで終わればハイエンドどころかミドル下位じゃん!となるのですが、一応ハイエンドモデルらしく、「TS-351」にはM.2 SSDスロットが搭載されています。

「TS-351」はサイドにM.2スロットを2つ備えており、M.2 SSDでRAID 1を組むことができます。
以前紹介した「TS-332X」にはM.2スロットが3つありましたが、「TS-332X」はSATA接続、「TS-351」はPCIe接続となっています。
この違いはおそらくはCPUが内部に持つインターフェースの違いからきているものと思われます。

このM.2 SSDはSSDキャッシュや”Qtier 2.0″という、階層化ストレージ機能で使うことができ、データアクセスの高速化をはかることができます。
TS-332X」の記事ではもうちょっと詳しく書いていますが、「Qtier」はアクセス頻度に基づいて定期的にデータをM.2 SSDに移動し、SSDキャッシュは頻繁にアクセスされるデータを自動的に複製するという違いがあります。

最近のQNAP製品ではM.2 SSDスロットを備えているものが増えていて、今後はネットワークの高速化(10GbE化)とで両輪を成していくんじゃないかと予想していますが、「TS-351」は前述の通り、LANポートがひとつしかありません。
拡張用のPCIeスロットがあるわけでもないですし、M.2 SSDによるアクセス高速化の恩恵はあまり大きくはなさそうです。
音楽ファイルなどサイズの小さなファイルをM.2 SSDに移すことでHDDへのアクセス頻度を減らしてHDDの寿命を伸ばす効果はあるかもしれません。

まとめ

正直そろそろ4ベイNASが出るんじゃないかと思っていたのですが、またしても3ベイでした。

CPUもかなり非力な部類になるのですが、ARM系CPUが30番台、Intel CPU(Celeron)が50番台という現在のネーミングルールだと、クラスとしてはハイエンド扱いになってしまいます。
前述の通り、M.2 SSDスロットを備えていることもハイエンドの所以のひとつではあると思いますが、足りない”格”を補うためのような感じがして、もやっとなっています。

Intel CPUであることの利点として仮想マシン(Virtual Machine)を構築できるというのがありますが、頑張って2つが限界でしょう。
Dockerであればそれなりに使えそうです。
前述のマルチメディア機能も、グラフィック機能を内蔵するIntel CPUだからできることと言えます。
でもやっぱり、もうちょっと新しい世代のCPUにしたほうが良かった気が…

価格ですが、記事執筆時点(10月19日)では販売しているサイトが見当たりませんでした。一応発売開始予定日のはずなのですが…
予想価格は37,000円となっています。

関連リンク


QNAP TS-328 (amazon)

TS-351 – QNAP
3ベイでRAID5アレイを構築できるNAS TS-351の取り扱いを開始 – TEKWIND