2018年12月20日、QNAP株式会社(台湾)は10GbE(10GBASE-T)と4台のM.2 SSDを搭載可能なNASbook「TBS-453DX」を発表しました。
※2019年3月14日追記:2019年3月9日、販売が開始されました。販売ページ(amazon)
スペック
比較として前世代にあたる「TBS-453A」を併記します。
型番 | TBS-453DX | TBS-453A |
メーカー | QNAP | |
価格 | ¥68,696 | |
発売日 | 2018/12 | 2016/04 |
幅 | 230 | |
高さ | 25 | |
奥行き | 165 | |
CPU | Intel Celeron J4105 (1.5GHz Quad-Core) | Intel Celeron N3150 (1.6GHz Quad-Core) |
内部フラッシュメモリ | 4GB | 4GB |
メモリ | 4GB/8GB SO-DIMM DDR4 | 4GB/8GB SO-DIMM DDR3L |
最大メモリ | 8GB | |
ホットスワップ | × | |
SSD対応 | ○ | |
NIC (1GbE) | 1 | 2(+3) |
NIC (10GbE) | 1(RJ45) | – |
LA/PT | ○ | |
USB2.0 | 4 | 1 |
USB3.0 | 3 | 4 |
USB type-c | – | |
eSATA | – | |
PCIe | – | |
SDカード | – | 1 |
HDMI | 2.0 x 1 | 2 |
4K対応 | 4K/60Hz | ○ |
DisplayPort | – | |
S/PDIF | – | |
オーディオジャック | 3(in x2、out x1) | 1 |
スピーカー | ステレオ | 1 |
赤外線 レシーバー | ○ | |
ハードウェア 暗号化 | ○ | |
ハードウェア アクセラレーション | ○ | × |
IPカメラ (無償) | 4 | |
IPカメラ (最大) | 40 | |
仮想化 (VMWare) | ○ | |
仮想化 (Windows) | ○ | |
仮想化 (Citrix) | ○ | |
仮想化 (OpenStack) | ||
仮想マシン (VirtualBox) | ○ | |
仮想マシン (Docker) | ○ | |
対応RAID | 0/1/5/6/10 | |
ファイルシステム | EXT4 | |
システム ファン | 内部ファン | |
ノイズレベル | 15.8dB | 10.8dB |
Wi-fi | USBアダプタ | |
消費電力 | 13.23W | 15.2W |
重さ | 0.8kg | 0.724jg |
DTCP+ | ||
DTCP-IP | × | |
DLNA | ○ | |
iSCSIターゲット | ○ | |
iSCSI LUN | ○ | |
ユーザー数 | 4096 | |
グループ数 | 512 | |
並列接続数 | 800 | |
共有フォルダ | 512 | |
スナップショット | 1024 | |
read性能 | 817 | 110 |
write性能 | 686 | 110 |
read性能 (暗号化) | 225 | 113 |
write性能 (暗号化) | 225 | 74 |
備考 | M.2 SSD専用 NASBOOK 65W電源 | M.2 SSD専用 NASBOOK |
特徴
「TBS-453DX」はスペック表にもあるように、2016年4月に発売された「TBS-453A」の後継にあたります。
位置づけとしてはSMB(Small & Middle Business、中小企業)向けのミドルクラスとなります。
両者に共通するのは、AmazonやGoogle、Dropboxに代表されるクラウドストレージと接続することが前提となっている点です。
NASのストレージはローカルキャッシュとすることでコンパクトな本体で高速性と大容量(とセキュア)を両立するというというのがコンセプトになっています。
とはいえ、コンセプトはそのままに全面リニューアルしたようなもので、中身はかなり変わっています。
まず、CPUはBraswell世代のCeleron N3150からGeminiLake世代のCeleron J4105に変わっています。
処理性能は、Passmark値(シングル/マルチ)でいうと、472/1658から1072/2631へと大幅に上昇しました。
特にシングル性能が2倍以上に伸びており、マルチスレッド未対応のアプリの動作が相当快適になります。
次に大きいのがネットワークです。
「TBS-453A」も1GbE×5となかなかぶっ飛んだ構成でしたが、「TBS-453DX」は10GbE(10GBASE-T)+1GbEになりました。
自作有線ルーター的な使い方をしたいのであれば、「TBS-453A」の方が向いています。
「TBS-453DX」の10GbEはAquantiaと明記されているので、おそらくはQNAPの他の製品でも採用されているAQC107だと思われます。
他にもメモリがDDE3LからDDR4になってちょっと高速化したり、SDカードスロットがなくなったり、HDMIが(多分)1.4から2.0にバージョンアップしていたりと細かな違いはいくつもあります。
でも、操作感やユーザーエクスペリエンスに関わる部分は上記の2点が一番大きいでしょう。
本体の外観です。
「TBS-453A」(下の画像)がQNAPらしからぬ見た目なのに対して、「TBS-453DX」は先日記事にした「HS-453DX」やレビュー記事を掲載した「TS-251B」などに共通する、ホワイトとゴールドを基調とした上品なデザインになっています。
前面には電源とUSB3.0×2、ワンタッチコピー、音量ボタン、LEDが配置されており、「TBS-453A」と位置は同じです。
SDカードスロットがなくなったのは残念なところです。
背面はUSB2.0×4、HDMI、10GbE、1GbE、オーディオジャックと並んでいます。
「TBS-453A」は背面もUSB3.0×2だったことを考えると、USB2.0は退化しているように感じます。
Celeron J4105を採用するNUCやマザーボードではUSB3.0が4ポート搭載となっているものもあるので、背面の4ポートの内2ポートはUSB3.0でも良かったんじゃないかなぁと。
サイドです。右サイドにはUSB3.0がついています。
スリットは排気口かと思いきや、スピーカーでした。「TBS-453A」はモノクロなので片側のみのスリットでしたが、「TBS-453DX」はステレオなので、両サイドにスリットが入っています。
NASで音楽を聞く層っているのでしょうか…
底面には吸気口が開いています。
四隅のゴム足の下にネジが隠れています。
底面を開けたところです。
ノートPCなどで使われるシロッコファンとメモリスロット、M.2スロットにアクセスできます。
ここで一つ注意したいのが、「TBS-453DX」で使えるM.2 SSDはSATA規格のみとなっている点です。
PCIe(NVMe)規格のM.2 SSDを挿しても使えませんのでご注意ください。
また、上記画像ではM.2スロットのみですが、海外で見かけた画像には温度センサーがついていました。
パッケージ内容はこのようになっています。
M.2 SSD用のヒートシンクやサーマルパッドが他にはない内容ですね。
リモコンは別売になったようです。
まとめ
「TBS-453DX」に搭載されるCeleron J4105は、ASRock「J4105-ITX」にてメモリ32GB(16GB×2)を認識・動作したという実績があったりします。
「TBS-453DX」でも同じことが出来るかは不明ですが、できたら夢がありますね。
価格は国内では不明ですが、海外では4GB版が600ユーロ(約76,000円)と言われています。
「TBS-453A」も初値が76,800円だったようなので、だいたいこんなものかなぁと。
国内だと代理店分(日本語サポートとか保証とか輸入費とか)が上乗せされて85,000円付近かもしれません。
最近のQNAPは10GbE搭載モデル、搭載可能モデルを立て続けに出しており、SMB向けではエントリークラスまでほぼ10GbE化が完了しています。
「TBS-453DX」もその流れの一部と言えるでしょう。
ホーム向けにも「TS-251B」などでこの流れはきているので、引き続き10GbE化を推めて欲しいですね。
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