2019年4月17日、FriendlyElecが9インチのタッチディスプレイ付きのAndroidボード「Octa-Core 64-bit All-in-One Android System with 9″ LCD and Cap Touch」(以下、Smart6818 AIO)を発売しました。
スペック
model | Smart6818 AIO |
メーカー | FriendlyElec |
発売日 | 2019/04 |
価格 | 90ドル |
価格(日本円) | |
CPU | Sumsung S5P6818(8コア) (1.4GHz A53 x8) |
GPU | |
メモリー | 1GB DDR3 |
サポートOS | Android 5.1.1 |
有線LAN | 1GbE x 1 |
Wi-fi | 802.11 ac(1×1) |
Bluetooth | 4.1 |
チップ | RTL8211E AP6212 |
ストレージ | 8GB eMMC |
USB | 2.0 x 1 2.0 x 1(micro) 2.0 x 2(pin) |
GPIO | 6pin x 2 |
映像 | 45pin x 1 |
カメラ | DVP x 1 |
オーディオジャック | 4pin x 1 |
その他インターフェース | RS232(4pin) x 2 I2C(4pin) x 2 miniPCIe x 1 UART |
消費電力 | |
電源 | DC 12V(9~15V) / 2A |
幅 | 140mm |
奥行き | 90mm |
高さ | |
その他 | 9インチディスプレイ付属 235.12 x 156.4mm(LCD込) 重さ:565g(LCD込) 3軸加速度計 |
特徴
「Smart6818 AIO」は、CPU、メモリ、ストレージからなるCPUボード(いわゆるコンピュートモジュール)の「Smart6818」、インターフェース端子類の付いたキャリアボード、そして9インチディスプレイ「HD900」で構成されています。
「Smart6818」は主要チップを搭載したボードで、CPUには8コアのSumsung S5P6818を採用しています。
400MHz〜1.4GHzで動作し、アーキテクチャはCortex A53です。
FriendlyElec製品では「NanoPi M3」や「NanoPC-T3」などでも採用されており、安価ながらそこそこの性能となっています。
ベンチマークのひとつ、Geekbenchではシングル性能が600前後、マルチ性能が2000〜3000となっています。
がじぇっとりっぷでよく扱っている「Rockchip RK3399」がシングル1200強、マルチが3000弱ということを考えると、シングル性能は半分強と低めながら、マルチ性能はRK3399並ということになります。
CPUボードのインターフェエースはすべてピンで提供されています。
一方キャリアボードには結構な種類のインターフェースが用意されています。
一般的なSBC(シングルボードコンピューター)と違ってGPIOに相当するピンが分散しています。
大きな特徴としてはMiniPCIeスロットがあり、3G/4Gカードを搭載できることでしょう。
ホームユースに限らず、Wi-fiが届かないような場所で使用される工業用途も想定されているようです。
そのWi-fiも貧弱というわけではなく、802.11acに対応しています(ただしアンテナが一本のため、最高433Mbpsとなります)。
変わったところではUSB端子の後ろにブートメディア選択ピンがあります。
何もないとeMMCから、短絡してあるとmicroSDからのブートとなります。
付属するディスプレイは9インチのタッチパネルで、解像度は1280×800となります。
ベゼルはかなり太めです。
アンテナ位置が左右非対称なのがもやっとしますが、ギリギリ隠れるくらいの位置で折りたためます。
背面にキャリアボードを取り付けます。
ディスプレイの背面下部が空いており、フレキシブルケーブルで接続します。
キャリアボード側は45ピンとちょっと変則的になっており、同梱の専用ケーブルが必要となります。
これ、断線したらどうするのでしょうか…
後ろ斜めから見るとこんな感じです。
背面はアクリル板で保護されており、ケーブルが通るほどの隙間が開いています。
下側には”脚”となるスクリューナットがあり、自立が可能です。
パッケージには電源アダプタ含めて必要なものがすべて揃っています。
ちなみにアンテナは片方がWi-fi、もう片方が3G/4G用となっているので、Wi-fi版だとアンテナは1本しか同梱されません。
公式サイトに掲載されている用途イメージです。
工業用途、ホームユース、どちらにも対応できます。
絶対性能が高いとは言い切れないため、一般的なタブレットというより、制御、監視、スマートディスプレイといった、ある程度のスペックで問題ない用途が主となるでしょう。
まとめ
タイトルにもあるように「Smart6818 AIO」の価格は全部ひっくるめて90ドル(約10,000円)となっています。
4Gモジュール込みだとプラス20ドルとなります。
ディスプレイ解像度が1280×800なのが惜しいところですが、もともとゲームなどの高精細な画面が必要とされる用途には向いていないため(メモリも1GBですし)、用途を限定して使う分には問題ないと思います。
内蔵されるeMMCにはAndroid5.1がプリインストールされているので、到着したら組み立てるだけですぐ使うことができる点もいいですね。
できればAndroidバージョンがもうちょっと高いと良かったのですが…
もうひとつ問題があるとすれば、マイクとスピーカーがあるようには見えない(記述もない)ため、スマートディスプレイにして音声操作をしたい場合にはひと工夫が必要という点でしょうか。
それでも値段が値段だけに、文句は言えないですね。
関連リンク
Octa-Core 64-bit All-in-One Android System with 9″ LCD and Cap Touch – FriendlyElec
All-in-One Android Touch Screen – friendlyarm Wiki
S5P6818 Overview – Nexell
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