2019年5月15日、NASメーカーのASUSTORは、2ベイの「AS5202T」および4ベイの「AS5304T」を発表いたしました。
スペック
型番 | AS5202T | AS5304T |
メーカー | ASUSTER | |
価格 | 38,796円 | 55,463円 |
発売日 | 2019/05 | |
幅 | 114 | 174 |
高さ | 170 | 170 |
奥行き | 230 | 230 |
CPU | Intel Celeron J4005 2.0GHz Dual-Core | Intel Celeron J4105 1.5GHz Quad-Core |
内部フラッシュメモリ | 4GB eMMC | |
メモリ | 2GB DDR4-2400 | 4GB DDR4-2400 |
最大メモリ | 8GB(2slot) | |
ホットスワップ | ○ | |
SSD対応 | ○ | |
NIC (1GbE) | – | |
NIC (10GbE) | 2(2.5GbE) | |
LA/PT | ○ | |
USB2.0 | – | |
USB3.0 | 3(Gen1) | |
USB type-c | – | |
eSATA | – | |
PCIe | – | |
SDカード | – | |
HDMI | 2.0a | |
4K対応 | ○ | |
DisplayPort | – | |
S/PDIF | – | |
オーディオジャック | – | |
スピーカー | – | |
赤外線 レシーバー | ○ | |
ハードウェア 暗号化 | ○ | |
ハードウェア アクセラレーション | ||
IPカメラ (無償) | 4 | |
IPカメラ (最大) | 36 | |
仮想化 (VMWare) | ||
仮想化 (Windows) | ||
仮想化 (Citrix) | ||
仮想化 (OpenStack) | ||
仮想マシン (VirtualBox) | ○ | |
仮想マシン (Docker) | ○ | |
対応RAID | 0/1 | 0/1/5/6/10 |
ファイルシステム | EXT4,btrfs | |
システム ファン | 70mm x 1 | 120mm x 1 |
ノイズレベル | 18.6dB | 19.7dB |
Wi-fi | USBアダプタ | |
消費電力 | 17W | 27W |
重さ | 1.6kg | 2.2kg |
DTCP+ | ○ | |
DTCP-IP | ○ | |
DLNA | ○ | |
iSCSIターゲット | 256 | |
iSCSI LUN | 256 | |
ユーザー数 | 4096 | |
グループ数 | 512 | |
並列接続数 | 512 | |
共有フォルダ | 512 | |
スナップショット | 256 | |
read性能 | 563.22 | 564.06 |
write性能 | 561.33 | 550.62 |
read性能 (暗号化) | ||
write性能 (暗号化) | ||
備考 | 65W電源アダプタ | 90W電源アダプタ |
特徴
「AS5202T/AS5304T」の一番のウリはデュアル2.5GbE LANでしょう。
個人的には中途半端だなぁと感じなくもないですが、長らく1GbE(最近では10GbEも出始めましたが)だったLANの速度が上がることは歓迎すべきことです。
途中のハブやルーターも対応している必要がありますが、リンクアグリケーションに対応しているので、最大5Gbpsでの通信が可能です。
また、ネットワークが高速化したことで、複数の4K HDR画質でのライブストリーミングを同時にストレージに保存していく、というようなことも可能となります。
「AS5202T」「AS5304T」はCPUが新しくなり、Gemini Lake世代のCeleron J4005(AS5202T)、Celeron J4105(AS5304T)を搭載しています。
J4005は2コアで動作周波数2.0GHz、バースト周波数2.7GHzです。passmark値は1150/1560(シングル/マルチ)です。
J4105は4コアで動作周波数1.5GHz、バースト周波数2.5GHzです。passmark値は1068/2636です。
価格的にライバルとなるであろうQNAP「TS-251B」、Synology「DS218+」がCeleron J3355(2コア、2.0-2.5GHz)、4ベイは同価格帯のものがなく、一つ上の価格帯のQNAP「TS-453Be」、Synology「DS918+」がCeleron J3455(4コア、1.5-2.3GHz)となっています。
CPUに関してはライバルから頭ひとつ抜けだしていますね。
型番的には前世代となる「AS5102T/AS5104T(AS5204Tというものはありません)」は(公表されてはいませんがおそらく)Celeron J1900(4コア、2.0-2.41GHz)となっています。スペック的にはあまり変わりないように見えますが、passmark値は535/1840と、シングルスレッド性能が半分以下となっています。
メモリは標準で2GB(AS5202T)、4GB(AS5304T)となっており、最大8GB(2スロット)となっています。片方がオンボードでないのはいいですね。
最大8GBなのはCPU側の仕様が8GBとなっているためですが、実際にはもっと大容量も認識する場合が多いことが実証されており、16GBとか32GBもいけるんじゃないかなぁと思います(少なくともJ3455オンボードなマザーボード ASRock「J4105-ITX」では32GBを認識することが検証されています)。
フロントは電源ボタン、LED、ワンタッチコピー、USB 3.2 Gen1(USB3.0のことです)が並んでいます。
タイトルにあるように”eスポーツスタイル”というか、ゲーミング風のデザインとなっています。
同じ”ダイヤモンドカット”デザインを採用する「AS4002T/AS4004T」が黒に金のロゴであるのに対し、「AS5202T/AS5304T」は黒に赤のロゴ、上下に小さく赤のラインと、eスポーツのイメージである黒と赤となっています。
リアは、ファンの大きさが異なりますが、インターフェース部分は同一となっています。
同一シリーズということもありますが、マザーボードを共通化することでコスト削減も行っているのだと思われます。
“ダイヤモンドカット”なフロントパネルの下にはホットスワップ対応のトレイが隠されています。
このトレイはQNAPと同じように、左右から挟むだけで固定ができるタイプです(3.5インチのみ)。
HDMIはHDMI 2.0aに対応し、4K HDR表示が可能です。
メディア系アプリも多数用意されており、主なストリーミングサービスは一通り押さえているようです。
仮想マシンのHDMIオーディオ再生も可能とありましたが、画面表示は不可なのでしょうか?
仮想マシンといえば、「AS5202T/AS5304T」はDockerにも対応しています。
以前はDocker対応はベータ版でしたが、いつの間にか正式版になっていたようです。
バックアップについても多数の手段が用意されています。
コールドストレージ(バックアップを取ったHDDを外して保管)は、コンシューマー向けでは今のところASUSTORしか聞いたことがありません。
まとめ
「AS5202T/AS5304T」はCPUこそ最新になりましたが、進化途中というか、中途半端な印象が拭えません。
型番的な前世代である「AS5102T/AS5104T」はS/PDIFやeSATAなども持っていますし、「AS5104T」は正面上部にLCDパネルを備えています。
今時はブラウザでの設定ですし、IPだってオートスキャンするからわざわざLCDで表示する必要はありません。eSATAも結局は盛り上がらなかったので、この2つが削られたことは納得がいくのですが、せめてS/PDIF(もしくはオーディオジャックなどの音声出力)は残して欲しかったところです。
デザイン的な前世代の「AS4002T/AS4004T」はCPUこそArm系のMarbel ARMADAシリーズですが、こちらは10GbEを備えています。
Intel CPUの処理性能の高さとネットワーク性能の両立を図ろうとした結果、現時点で可能だったのが「AS5102T/AS5104T」ということなのでしょう。
「AS5202T/AS5304T」の次の世代は10GbEに対応するのでしょうが、製品発表のペースを考えると2年後とかになりそうです。
そんな「AS5102T/AS5104T」の価格は、「AS5202T」が38,796円、「AS5304T」が55,463円(いずれも税別)となっています。
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