2019年5月21日、NASメーカーのQNAPは、USB3.0 Type-C接続の5GBASE-T対応LANアダプター「QNA-UC5G1T」を発表しました。
米Amazon.comでの販売価格は79ドル(約8,700円)で、日本配送対応となっています。
スペック
モデル名 | QNA-UC5G1T |
メーカー | QNAP |
発売日 | 2019/05 |
価格 | 79ドル |
チップセット | AQC111U |
インターフェース | RJ-45 x1 USB3.0 Type-C x1 |
転送速度 | 5Gbps / 2.5Gbps / 1Gbps / 100Mbps |
電源 | USB給電 |
read | 428 MB/s |
write | 422 MB/s |
寸法 | 99.8 x 28 x 27.85 mm |
重量 | 0.11kg |
同梱 | USB3.0 Type-C to Type-Aケーブル(0.2m) x 1 取り付けガイド |
特徴
「QNA-UC5G1T」はチップセットにAquantiaの「AQC111U」を採用しています。
「AQC111U」は2018年6月に「AQC112U」とともに発表され、発表当時は世界初のUSB to マルチGbEコントローラーとされていました(「AQC112U」は2.5GbEまでの対応)。
「AQC111U」は4つの速度(5GBase-T/2.5GBase-T/1000Base-T/100Base-TX)に対応しており、IEEE 802.3bz規格とNBASE-T Alliance PHY仕様に準拠、レガシーイーサネットとの下位互換性を備えています。
同チップを採用した製品は、調べた範囲では国内にはなく、海外ではSpeed Dragon「CNW05A」などがありました(ただしこちらはType-C接続)。
なお、標準ではドライバがインストールされていないため、手動でインストールする必要があります。
下記サイトより、「AQC111U」とプラットフォーム(Windows/mac/Linux)を選択してドライバをダウンロードします(インストール方法は省略)。
「QNA-UC5G1T」の話に戻ると、「QNA-UC5G1T」の見た目はよくある1000BASE-T対応のLANアダプターと変わりありません。
ケーブル分離式で、本体側がUSB Type-Cとなっています。
同梱するケーブルはUSB3.0 Type-C to Type-Aなので、Type-AしかないNASや、古いPCにも接続することができます。
ケーブルを変えればUSB Type-Cにも対応するので、こういうのはありがたいですね。
手持ちのELECOM「EDC-GUA3-W」が67x20x15mmなのに対して、「QNA-UC5G1T」は99.8x28x27.85mmなのでサイズ的には一回り大きいです。
10GbEな「QNA-T310G1T」が112×27.6x56mmなので、ほぼ半分といったところでしょうか。
「QNA-T310G1T」がファン有りなのに対し、「QNA-UC5G1T」はファンレスなのもグッドです。
LED部分は2箇所で、5GbE接続時は緑、2.5GbE/1GbE/100MbE接続時はアンバー(琥珀色ですが実際はオレンジっぽい色だと思います)に光ります。
気になる転送速度ですが、QNAPラボでの実測(Windowsでの10GBファイル転送時)で、リード428MB/s、ライト422MB/sとなっています。SSDの速度に近い数字ですね。
そのまま換算すると3.4Gbpsとなりますが、そもそもUSB3.0は5Gbpsと言いながら実際は4Gbps(=500MB/s。8bitのデータを10bitに変換して転送する)なため、理論値の85%ほどの速度が出ていることになります。
Windows側でのロスを考えると、結構いい数字だと思います。
多分iPerfだと450〜470MB/sくらいは出るんじゃないでしょうか。
まとめ
がじぇっとりっぷは2.5GbEや5GbEには中途半端な速度というイメージを持っている(10GbEでいいじゃないと思ってしまうので)のですが、10GbEアダプターはどうしてもThunderbolt3接続にならざるを得ないのが唯一の難点です。
それに対して「QNA-UC5G1T」は既存のUSB3.0 Type-A端子を活用できるという点で、5GbEながらアリじゃないかと感じました。
「QNA-UC5G1T」の価格は米アマゾンで79ドル(約8,700円)、まともに速度の出る1GbE LANアダプタが2,500〜3,000円くらいするので、3倍の値段で3.5倍の速度と考えると、価格についても文句のないレベルです。
経路上のルーターなども5GbEに対応する必要がありますが、SBC(シングルボードコンピューター)と組み合わせると、高速接続なクラスターを組んだり、小型でSSD並の速度が出るNASを構築したりと、結構面白いことができそうです。
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