2019年5月20日、ZOTACはXeonとQuadroを搭載したミニPC(というよりむしろワークステーションですが)「ZBOX QX」シリーズを発表いたしました(本当は「Qシリーズ」なのですが、違う系統も含まれるので、ここでは「QX」シリーズとしています)。
グラフィックボードの違いで「QX3P5000」と「QX3P3000」の2モデルがあります。
スペック
メーカー | ZOTAC | |
型番 | ZBOX QX3P5000 | ZBOX QX3P3000 |
価格 | ||
発売日 | ||
幅 | 225mm | |
奥行き | 203mm | |
高さ | 128mm | |
容量 | 5.85L | |
CPU | Intel Xeon E-2136 | |
CPU世代 | CoffeeLake | |
ベース周波数 | 3.3 GHz | |
バースト周波数 | 4.5 GHz | |
グラフィックチップ | NVIDIA Quadro P5000 16GB GDDR5 | NVIDIA Quadro P3000 6GB GDDR5 |
コア/スレッド数 | 6C/12T | |
TDP | 80W | |
チップセット | ||
メモリインターフェイス | SO-DIMM DDR4-2666 | |
メモリスロット | 2 | |
メモリ最大 | 64GB | |
ECC対応 | ○ | |
ストレージ | × | |
SATAポート数 | 1 | |
M.2 | 22110 x 1(NVMe/SATA) 2280 x 1(Optane Memory) | |
mSATA | × | |
USB2.0(内部) | × | |
USB2.0(外部) | × | |
USB3.0(内部) | × | |
USB3.0(外部) | Front x 1 Rear x 4 | |
USB type-C | Front x 1(Gen2) Rear x 1(TB3) | |
SDカード | SDXC | |
LAN | 1Gb x 1 2.5Gb x 1(Killer E3000) | |
Wi-fi | 802.11ax Killer AX1650 | |
Bluetooth | 5.0 | |
D-Sub | × | |
DVI | × | |
HDMI | Rear x 4(2.0b) | |
4K対応 | 4K/60Hz | |
DisplayPort | × | |
シリアルポート | × | |
S/PDIF | × | |
オーディオジャック | Front x 2(in/out) | |
サウンドチップ | × | |
光学ドライブ | × | |
PCI-Eスロット | × | |
eSATA | × | |
赤外線 | × | |
Optaneメモリ対応 | ○ | |
最大消費電力 | ||
電源 | 330W / 19.5V | |
ノイズレベル | ||
VESA | ||
付属品 | スタートガイド ユーザーマニュアル サポートDVD | |
その他 |
特徴
ZOTACは国内ではグラフィックボードメーカーとしての知名度が高いのですが、PCの開発・販売もしており、がじぇっとりっぷでも何度か取り上げています。
ZOTACのPCはいくつかのサイズ別となっており、一番小さいのはクレジットカードサイズから、大きい物はリュック型というものもあります。
今回紹介する「ZBOX QX」シリーズは大型の部類となります。
「ZBOX QX」シリーズは特徴が多いというか、新しい要素がいろいろと詰まっています。
CPUは”Xeon E-2136″で、アーキテクチャはCoffeeLakeとなります。
6コア12スレッドでTDPは80W、内蔵GPUを搭載しないモデルとなります。
後継アーキテクチャの“Coffee Lake Refresh”では8コア16スレッドのハイエンドモデルがラインナップされるとの話でスペックもほぼほぼリークされてしまっていますが、記事執筆時点で正式発表はされていません。
グラフィックカードは、Quadro P5000(16GB)かQuadro P3000(6GB)の二種類があります。
なんというか、メモリに差がありすぎる気が…
一般的なグラフィックボードだと筐体内に収まらないのでおそらくはMXMカードタイプと思われます。
MXMカードとはこんな感じのやつです。カード自体にバックプレート付きのヒートシンクが取り付けられるようになっています。
MXMタイプのP5000とP3000を比較した表が以下となります。
P5000 | P3000 | |
GPU | GP104 | GP104 |
アーキテクチャ | Pascal | Pascal |
メモリー | 16GB GDDR5 | 6GB GDDR5 |
メモリー動作周波数 | 1502 MHz | 1753 MHz |
メモリーインターフェース | 256 bit | 192 bit |
メモリー帯域幅 | 192.3 GB/s | 168.3 GB/s |
CUDAコア数 | 2048 | 1280 |
動作周波数 | 1278 MHz | 1088 MHz |
最大周波数 | 1582 MHz | 1215 MHz |
単精度小数点演算 | 6.48 TFLOPS | 3.11 TFLOPS |
倍精度小数点演算 | 202.5 GFLOPS | 97.2 GFLOPS |
ピクセルレート | 101.2 GPixel/s | 58.32 GPixel/s |
テクスチャレート | 202.5 GTexel/s | 97.2 Gtexel/s |
消費電力 | 100W | 75W |
おおよそ2倍強の性能差と見ればよさそうです。
「ZBOX QX」は筐体のサイズが225mm x 203mm x 128mmで、容量はおおよそ5.85Lとなります。
その中にメモリが2スロット、2.5インチストレージとM.2 SSD、Optane Memoryスロットがあり、前述のグラフィックカードも収まっています。
Intel NUC(2.5インチスペースあり、115mm x 111mm x 51mmで0.65L)に比べると容量では9倍くらいになりますが、TDP80WのCPUとTDP100WのGPUを搭載して、このサイズで冷却までまかなっていることを考えると、十分コンパクトだと言えます。
正面はUSB Type-A/Type-Cがひとつづつとマイク/ヘッドホン端子、SDカードスロットとなっています。
SDカードスロットが正面にあるのは使いやすそうです(他メーカーだとサイドだったりするので)。
背面はUSB Type-Aが4ポート並び、LANポートに挟まれるようにThunderbolt3端子があります。
LANポートは片方が2.5GBASE-Tとなっており、2.5Gbpsでの通信が可能です。
なんで10GbEや5GbEにしなかったのかは謎ですが、1000Base-Tよりかは早くなります(要対応ルーター)。
一番左にはWi-fiアンテナ端子があります。
これも新要素の一つで、「ZBOX QX」はなんと802.11ax(Wi-fi 6)に対応しています。
肝心の転送速度が書かれていないわけですが、802.11axは1ストリームあたり600Mbps(80MHzの場合)なので、最低でも600Mbpsということになります(アンテナが2つあれば1200Mbpsだったのですが…)。
右端にはHDMIが4ポート並んでおり、4画面表示が可能になっています。1ポートくらいDisplaPortでも良かった気がしますが、揃えたかったんでしょうね。
「Quadro P3000/P5000」はともにHDMI2.0bをサポートしており、4K/60Hz表示ができます。
インターフェース上部の空気穴からはヒートシンクらしきものが見えており、内部容積のかなりの部分が冷却に割かれていることが分かります。
サイドや天板には背面同様、ハニカム模様の空気穴が開いています。
パッケージにはDVDやスタートガイド、マニュアルなどが含まれます。
電源は330Wなので、ACアダプタもかなり大きいですね。
まとめ
「ZBOX QX」シリーズにはSKUのラインナップにJ(日本向け)があるので、日本でも発売されることが予想されます。
とはいっても記事執筆時点ではグローバル向けの発売時期も価格も未公表なので、それなりに先になるんじゃないかなぁと。
価格については「Quadro P5000」単体でも20万円オーバーなので、トータルだと結構な額になりそうです。
この先、“Coffee Lake Refresh”へのマイナーチェンジがあったり、「Quadro P5200(小数点演算でP5000の1.4倍の性能)」版などが発表されたりする可能性もあるので、購入の検討は慎重になったほうがいいかもしれません。
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