ゲーミングよりクリエイター向けでは? GIGABYTE「AERO 15 OLED」は15.6インチで有機ELな狭額縁4Kノート

PC

2019年7月6日、台湾GIGABYTEは15.6インチAMOLED(アクティブマトリックス式有機EL)の4Kパネルを採用した高性能スリムノート PC 「AERO 15 OLED」シリーズ2製品を発売いたしました。

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スペック

メーカーGIGABYTE
名称AERO 15 OLED XAAERO 15 OLED SA
発売日2019/07
定価289,980円199,800円
実売価格289,800円199,800円
価格条件
CPUCore i7-9750HK
グラフィックGeForce RTX 2070 Max-Q(8GB)GeForce GTX 1660 Ti(6GB)
チップセットHM370
メモリ16GB8GB
メモリ規格DDR4-2666
メモリ増設最大64GB
2.5inch
M.2512GB(NVMe)256GB(NVMe)
画面15.6インチ
解像度3820×2160
ベゼル幅3mm
表面ノングレア
タッチ対応×
光学ドライブ
USB2.0
USB3.03(Gen1)
USB3 Type-C1(TB3)
1(3.1)
USB PD×
HDMI2.0
DisplayPort1.4(Type-C)
LANポート1GbE
Killer E2600
wi-fi802.11ax(2×2)
Killer AX1650
Bluetooth5.0
office
カードリーダーSDXC
WebカメラHD
赤外線カメラ
NFC
指紋センサー
Windows Hello
オーディオジャック
マイク
スピーカー2W+2W
スピーカー位置
サウンドNahimic 3
キーピッチ
キーストローク
キーボードバックライトRGB
バッテリー94.24WHr
稼働時間
ACアダプタ230W
充電時間
急速充電
356mm
奥行き250mm
高さ20mm
重量2kg
開口角度
カラー
その他特徴有機ELディスプレイ
M.2 x 2

特徴

「AERO 15 OLED」シリーズ最大の特徴は、モデル名にもあるように、有機ELディスプレイを採用しているところでしょう。

「AERO 15 OLED」に採用されているパネルはSamsung製15.6インチ4K AMOLEDパネルで、リリース文から引用すると「応答速度1ms、コントラスト比は100,000:1で、DCI-P3色域カバー率100%、HDR400対応、X-Rite PANTONE認証取得の色再現性にすぐれ、NVIDIAのクリエイター向けプラットフォームとなるRTX Studioにも準拠しています。」とのことです。

応答速度の良さはゲーミングに向いていますが、コントラストや色再現性の点ではクリエイター向けとも言えます。

CPUはIntel第9世代 Core i7-9750HKで共通です。

GPUは「XA」がGeForce RTX 2070 Max-Q(8GB)、「SA」がGeForce GTX 1660 Ti(6GB)となっています。

「AERO 15 OLED」シリーズには他にGeForce RTX 2080 Max-Q(8GB)の「YA」、GeForce RTX 2060(6GB)の「WA」がありますが、こちらは国内発売はされていません。

おそらくは「XA」が30万円弱、「SA」が20万円弱と価格帯でも違いが分かりやすく、住み分けしやすかったからじゃないからかなぁと思っています。

「XA」と「SA」の違いはGPU以外はメモリとストレージで、「XA」は16GB/512GB、「SA」は8GB/256GBとなっています。
メモリはSO-DIMM DDR4-2666が2スロットで、最大64GBまで増設が可能です。
32GBメモリとか売っているのかなと調べたら、普通にAmazonで売っていてびっくりしました。しかも1枚3万円しないんですね…


Samsung 32GB DDR4-2666

GPU、メモリ、ストレージ以外は共通の仕様となっています。

インターフェースです。

左側はHDMI2.0、DP1.4兼USB3.1(Type-C)、USB3.1(Gen1) Type-A、オーディオジャック、LANポートとなっています。
右側はUSB3.1(Gen1) Type-A x2、Thunderbolt3、SDカード、電源となっています。電源は230Wです。

ゲーミングノートはインターフェースをケチってTB3がなかったり(というより、内部のPCIeレーンをGPUに振っているものと思われる)、一部のUSBポートがUSB2.0なんてのも多い中で、全ポートUSB3.0かつTB3まであるのは結構重要じゃないかなと思います。

なお、ゲーミングノートとしては薄型な厚さ20mmではありますが、バッテリーは94WHrとなかなか大型のものを搭載しています。

インターフェースのヒンジよりの部分は吸気口ですが、底面も半分くらいが吸気口となっています。
左右のファンがしっかり見えていますね。

背面は全体が排気口となっています。
これだけガッツリと吸気/排気ができるのなら、熱については心配しなくても良さそうです。

ディスプレイの上部が狭ベゼルとなっている都合上、カメラは”鼻の穴がバッチリ映る”ヒンジ部組み込みタイプとなっています。見るからに分かりやすい”蓋”も付いています。
赤外線カメラの類は見当たらないので、顔認証には使えないようです。

キーボードはテンキー付きとなっています。
タッチパッドの左上に指紋リーダーがついており、指紋認証によるWindows Helloに対応しています。

まとめ

15.6インチ狭額縁で4K有機ELな「AERO 15 OLED」は、GeForce RTX 2070 Max-Q(8GB)の「XA」で税抜き30万円弱、GeForce GTX 1660 Ti(6GB)の「SA」が税抜き20万円弱と、贅沢な仕様の割にはかなり安いんじゃないかと思います。

同様の4K有機ELを採用したノートにはDELL「ALIENWARE m15」がありますが、こちらは記事執筆時点ではGPU無料アップグレードキャンペーンを行っているため、Core i7-8750H/GeForce RTX 2060(6GB)/8GB MEM/1TB SSHDの構成で税別219,380円となっています。
Core i7-9750H搭載モデルだと、GeForce RTX 2060(6GB)/16GB MEM/256GB M.2 SSDの構成が最安で、税別262,980円となりました。

ゲーム用に限らず、デザイン・クリエイター用途として有機ELは悪くない選択だと思うので、一つ上の環境を考えている方にはいいかも知れません。

関連リンク

AERO 15 OLED (Intel 9th Gen) – GIGABYTE
ニュースリリース – GIGABYTE

おまけ:有機ELあれこれ

最近ニュースで話題になっているのでご存じの方も多いとは思いますが、2019年7月4日、韓国向け半導体材料の輸出が厳格化されました。
対象3種類の内、フッ化ポリイミドは有機ELの製造に必要なもののため、韓国の有機EL産業は危機に陥っていると伝えられています。
また、これとは別に青色発光素材は日本が独占状態なため、こちらも懸念材料とされています。

有機ELは世界シェアの9割を韓国が握っています。
もうちょっと細かく言うと、モバイル向け中小型はSamsungが90%以上、大型テレビ向けはLGが95%以上です。「AERO 15 OLED」のディスプレイもSumsung製です。
残りの1割は中国BOE(「Huawei Mate 20 Pro」に採用されたと言われています)や中国Visionox、SHARPなどです。

そのため、輸出規制の強化は韓国には大打撃ですが、一方で国内の有機ELメーカーには有利に働きそうに感じます。が、肝心の国内有機ELメーカーが振るっていません。

SHARPは自社製スマートフォン「AQUOS zero」に自社製有機ELを採用しましたが、今のところ後続が出ていません。
折り曲げ可能な有機ELやIGZO有機ELなども発表していますが、いずれも小型ディスプレイで、商品化は未定だったり、2021年度以降の予定だったりします。

2012年に国手動で設立したJDI(ジャパンディスプレイ)は、2019年夏より有機ELの量産を開始する(Apple Watch向けと噂されています)とアナウンスされましたが、5年に渡る赤字な上に経営再建がうまくいっていません。

もう一社、JOLEDというJDIの関連会社で有機EL専門のメーカーもあります。こちらは現在主流の蒸着方式ではなく、格段にコストの下がる印刷方式を採用していますが、2017年より月産2000枚ベースで少量生産をスタート、本格的な量産開始は2020年になる予定です。

このように、せっかくのチャンスなのに国内の準備が整っていないというのが実情です。
ある意味政府による後押しとも言える状況なのに、もったいないことですね。

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