2019年9月17日、エレコムはWi-fi 6(IEEE802.11ax Draft)に準拠したギガビットルーター「WRC-X3000GS」を発表しました。発売は9月下旬となっており、Amazonではすでに予約受付中、発売(発送?)は9月28日とされています。
スペック
メーカー | ELECOM |
モデル名 | WRC-X3000GS |
発売日 | 2019/09 |
価格 | 24,170円(税別) |
実売価格 | 20,000円前後 |
有線規格 | IEEE802.3ab(1000BASE-T) IEEE802.3u(100BASE-TX) IEEE802.3(10BASE-T) 準拠 |
有線コネクター | WAN : RJ-45型8極 × 1ポート LAN : RJ-45型8極 × 4ポー ※全ポートAuto MDI/MDI-X、Auto-Negotiation対応 |
有線伝送速度(WAN) | 1000Mbps/100Mbps/10Mbps |
有線伝送速度(LAN) | 1000Mbps/100Mbps/10Mbps |
有線設定(WAN) | 自動判定 / DHCP / 固定IPアドレス / PPPoE(1セッション) |
有線設定(LAN) | DHCPサーバー / 固定IPアドレス |
ハードウェアNAT | 対応 |
無線規格 | IEEE 802.11ax(Draft) IEEE 802.11ac IEEE802.11n IEEE 802.11a / b / g ※IEEE802.11ax規格Draft3.0で承認されている必須機能すべてに対応している訳ではありません |
無線伝送方式 | IEEE802.11ax : MIMO-OFDMA IEEE802.11ac : MIMO-OFDM IEEE802.11n : MIMO-OFDM IEEE802.11g : OFDM IEEE802.11b : DS-SS IEEE802.11a : OFDM |
無線伝送速度(理論値) | IEEE802.11ax(Draft) : 5GHz帯 最大2402Mbps 2.4GHz帯 最大574Mbps IEEE802.11ac : 最大1733Mbps IEEE802.11n : 最大400Mbps IEEE802.11g : 最大54Mbps IEEE802.11b : 最大11Mbps IEEE802.11a : 最大54Mbps |
周波数帯域 | 2.4GHz帯 : 2,400~2,484MHz 5.2GHz帯(W52) : 5,150~5,250MHz 5.3GHz帯(W53) : 5,250~5,350MHz 5.6GHz帯(W56) : 5,470~5,725MHz |
チャンネル | 2.4GHz帯 : 1~13ch 5GHz帯(W52/W53/W56) : 36/40/44/48/52/56/60/64/100/104/108/112/116/120/124/128/132/136/140ch |
無線セキュリティ | WPA2-PSK(AES) / WPA-PSK(TKIP) / WEP(64bit/128bit) |
こどもネットタイマー | こどもネットタイマー3対応 |
ビームフォーミング機能 | ビームフォーミングZ対応 |
MU-MIMO機能 | 非対応 |
マルチSSID | 対応(2.4GHz:最大3個/5GHz:最大2個、最大計5個まで) |
セパレーター機能 | プライバシーセパレーター SSIDセパレーター対応(「友だちWi-Fi」に対してのみ機能) |
その他無線機能 | SSIDステルス設定 / 自動チャンネル設定 |
設定方式 | WPS対応 |
アクセス方式 | インフラストラクチャー |
接続台数 | 推奨 36台 |
搭載モード | ルーターモード / アクセスポイントモード |
アンテナ(本数) | 内蔵アンテナ 4本 (2.4GHz帯 : 送受信 2本 / 5GHz帯 : 送受信 2本) |
対応プロトコル | TCP/IP(IPv6/IPv4) |
対応IPv6 IPoEサービス | v6プラス / IPv6オプション / transix |
USBポート | なし |
自動FW更新 | 対応 |
付帯サービス | なし |
対応OS(Windows) | Windows 10S / 10 / 8.1 / 7(SP1以降) |
対応OS(Mac) | macOS 10.12以降 OS X 10.8以降 |
対応OS(iOS) | iOS 10.0以降 |
対応OS(Android) | Android 4.4以降 |
セットアップツール対応OS | ブラウザーベースのため、OS依存なし |
対応機器(無線LAN) | iPhoneシリーズ、 iPadシリーズ、 Android端末 各種ゲーム機(3DS/DSシリーズ、PSPシリーズ、PS Vitaシリーズ、PS3/4、Wii/Wii U、Nintendo Switch、Xbox360) 各種無線LAN搭載機器 |
その他機能 | UPnP対応 IPv6パススルー対応 アクセスコントロール対応 VPNパススルー対応 DMZ対応 |
入力電圧 | AC100~240V±10% 50/60Hz |
消費電力 | 16.4W(最大) |
電源コネクター | DCジャック |
外形寸法(幅×奥行き×高さ) | (W)約140.0×(D)約40.0×(H)約207.0mm (突起部、スタンド部除く) |
質量 | 約600g(本体のみ) |
筐体材質(カラー) | プラスチック(ブラック) |
動作環境 | 温度 : 0℃~40℃、湿度 : 10%~85%(ただし結露なきこと) |
各種取得規格 | VCCI Class B / TELEC / JATE / PSE |
保証期間 | 1年間 |
付属品 | 専用ACアダプター 1個 LANケーブル(約1m) 1本 各種マニュアル かんたんセットアップシート 1枚、 |
Wi-fi 6(802.11ax)について
「WRC-X3000GS」はWi-fi 6(802.11ax)のDraft3.0に準拠しています(一部機能は未対応)。
このDraftというのは標準化完了前の技術仕様案のことで、Draft3.0はほぼ最終版となります。
標準化が完了するのは2020年6月の予定で、それより以前に発売されるモデルは全てDraft準拠ということになります。
標準化完了以前ではありますが、2019年9月16日より認証プログラムが開始され、認証取得後は以下のロゴをつけることができます。
通信速度は1ストリームあたり600.4Mbps、さらに帯域を倍(80MHz→160MHz or 80+80MHz)にすることで速度も倍になります。
規格の上では160MHz、8ストリームで最大9607.8Mbpsとなりますが、現時点で対応機器は存在しません。
160MHzと80+80MHzの違いは連続する周波数帯域か、飛び飛びかの違いで、どちらに対応、あるいは両対応しているかは機種によって異なります。
ただ、802.11ac(Wi-fi 5)の頃から80+80MHzより160MHzの方が対応機種が多く、その傾向は802.11axでも続いているようです。
例えば現時点でノートPCに使える802.11ax対応Wi-fiカードIntel「AX200NGW」も160MHzの2ストリームとなっています。
他にKiller「AX 1650」もありますが、中のモジュールは「AX200NGW」なので仕様は同じです。
ちなみにiPhone11は80MHzの2ストリームなので、最大1200.8Mbpsです。
「WRC-X3000GS」はどうかというと、160MHzの2ストリームで、最大2401.6Mbps(2402Mbps)となります。
Wi-fi 6対応ルーターはNETGEAR「Nighthawk AX8」やASUS「RT-AX88U」がありますが、これらは160MHzの4ストリームに対応し、最大4804Mbpsまで速度が出る代わりに、4万円台と高価です。
さらに上位には802.11axを2系統持っていたり、2.5GbEや5GbEを備えたモデルもありますが、5万円超えと容易に手の出せない価格帯となってしまいます。
変わったものだとBuffaro「WXR-5950AX12R」は80MHzの8ストリームで最大4804Mbpsとしていたりします。
同じ最大2402MbpsのエントリークラスだとNETGEAR「Nighthawk AX4」くらいでしょうか。値段も2万円弱とぐっと手に取りやすくなります。
ここで現実的な話をすると、Wi-fiを最も活用するであろうノートPCやスマホは、前述の通り現時点では2ストリームまでとなっており、どう頑張っても最大2402Mbpsでしか接続できません。
将来を見据えると最大4804Mbpsのモデルもありかも知れませんが、使う機会といえば2台のルーター間の通信くらいでしょう。
クライアント機(ノート、スマホ)との間で実際に使えるようになる頃にはもっと安くなっているので、その時になって考えたほうが無難だと思います。
特徴
「WRC-X3000GS」が最初に発表されたのは2019年5月27日で、この時は基本スペックが公開され、今秋発売とだけされていました。
それから約4ヶ月たち、詳細なスペックや製品写真が登場しました。
正面と背面の画像です。
正面はシンプルにWPS、2.4GHz、5GHzの3つのLEDと電源LEDのみです。
背面はLAN4ポート+WANポートとなっています。
残念ながらUSBはありません。
正面にIntelロゴがあるように、チップセットに「Intel Home Wi-Fi Chipset WAV600 Series」を採用しています。
このチップは「Wi-fi 6 認証」を取得済みですが、現時点では製品サイトにもロゴの記載はありません。
アンテナは外だしではなく内蔵となっているため、外観がすっきりしています。
ELECOMは2017年3月にテレビアンテナメーカーのDXアンテナを買収しており、アンテナのプロの監修のもとでアンテナ部を開発しています(というより、実質は共同開発)。
アンテナの内製化はコスト削減と期間削減につながっているようです。
アンテナを内蔵にすることで、ユーザーによるアンテナ位置の調整が不要となりました。設置箇所に応じた最適化はできなくなりましたが、設置箇所を選ばずコンスタントに速度を出せるという点では、こういった選択肢はありでしょう。
「WRC-X3000GS」の通信速度は前述の通り最大2402Mbpsです。
802.11acでは最大1733Mbpsだったことを考えると、1.4倍となります。
あまり言及はされていませんが、「WRC-X3000GS」も802.11acは最大1733Mbpsの対応となっているので、ルーターだけ変えても既存の機器に対する速度にそう影響はありません(まぁ、1733Mbpsに対応する機器は少ないのですが)。
そのほか、国内メーカーらしく、こどもネットタイマー機能だとか、らくらく引っ越し機能などもついています。
まとめ
「WRC-X3000GS」は前述の通り、Amazonで予約注文が可能となっています(Amazonモデルは末尾に”A”が付いた「WRC-X3000GSA」となります)。
価格は19,224円で2万円切り、記事執筆現在は5%オフクーポンが出ているので、18,262円となります。
がじぇっりっぷが調べた範囲では802.11ax対応ルーターとして最安値ですね。
USBポートを使って簡易NASをしたい場合は次点のNETGEAR「Nighthawk AX4」(記事執筆時点で19,998円)が候補になるでしょうか。
しかし、ハイエンドモデルから登場しがちの新規格ルーターで、ボリュームゾーンのモデルから出してくるのは面白いですね。
関連リンク
Wi-Fi 6(11ax) 2402+574Mbps Wi-Fi ギガビットルーター WRC-X3000GS – ELECOM
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