2019年10月23日、クラウドファンディングのINDIEGOGOに、デザイン性と機能性を兼ね備えた電動自転車「FlowDot」が登場しました。
ファンディングページ:INDIEGOGO
スペック
製品名 | FlowDot | FlowDot Pro |
価格 | 599ドル | 799ドル |
定格電圧 | 36V | |
バッテリー | 7.5A(270WHr) MYATU製 | 7.2A(260WHr) Panasonic製 |
サイズ | 1580×840-1100×1100-1160mm | |
タイヤ | 20インチ スポークホイール | 20インチ アルミホイール |
モーター | 250W | 250W BAFANG |
車両重量 | 19kg | 22kg |
フレーム | マグネシウム合金(AM60b) | |
防水等級 | 防水防塵(等級不明) | |
走行距離 | 60km | |
アシスト上限 | 25km/h | |
充電時間 | 2〜3時間 | |
サムスロットル | 無 | 有 |
補助システム | 6段階 | |
変速 | 7速 | |
ブレーキ | ディスクブレーキ | |
ショック | リアサスペンション | |
ディスプレイ | LCD液晶 | |
ライト | 有り |
特徴
自転車文化の中国ではいまや電動自転車だらけになっているそうで、保有台数は2.5億台超、メーカーも700社以上だそう(2000社以上あったものが規制で廃業が相次いだのだとか)。
そしてすでに中国国内市場は飽和状態になっているのに加え、シェアサイクルの台頭で個人購入が落ち込み、年間生産台数は2013年の3600万台をピークに2017年で3300万台ほどに落ち込んでいます。
そのシェアサイクルも、時々報道されるように放置が問題となっていて、メーカーの路線が輸出にシフトしつつあるというのが、最近の中国電気自動車状況です。
海外向け(日本より欧米、東南アジアが中心です)を意識すると、実用性だけでなくデザイン性を備えたものが必要となってくるわけです。
「FlowDot」は中国の電動自転車メーカーMYATUの新ブランド兼製品名です。
MYATUの過去の製品を見てみると、バリエーションに飛んでいるといえば聞こえがいいですが、デザインが微妙というか、迷走している感があります。
そこでデザイン性・ファッション性に優れた新ブランドとして立ち上げられたのが製品名と同じ「FlowDot」です。
製品としての「FlowDot」は、確かにこれは目を引くデザインです。
接合はどうなっているんだって感じですが、ネジ穴などは反対側に集中しています(サイト内でもほとんど出てきません)。
「FlowDot」は、マグネシウム合金の無溶接フレームとなっています。
溶接部をなくしたことで、耐振動性能が向上したとのこと。
丸い部分の内側にはLEDが仕込んであって、暗所での視認性を高めています。
確かに、自転車のライトって前向きだから、横からは見えにくいですね。
タイヤが20インチなので、全体としては比較的コンパクトなサイズに収まっています。
なお、ハンドルは折りたたみができます。
その他の主な特徴です。
BAFANGモーターと6スポークホイールは「FlowDot Pro」の仕様となります。
あまり言及されていませんが、Proじゃないほうの「FlowDot」はタイヤのスポークが一般的な細いアルミのやつになっています。
わからないのがサスペンションとチェーンベルトです。
上の画像ではバネサスペンションとベルトドライブの内装変速となっていますが、
こちらの画像では油圧サスペンションに一般的な変速機となっています。
紹介動画なんかは全部こちらですね。
工場生産風景でも油圧サスペンション、一般的な変速機なので、こちらになるのでしょうか。
電動自転車としての性能は、モーターが250W、バッテリーは36V / 260〜270WHr、最高速度は25km/h、航続距離は60kmとなっています。
この数字は各国の規制に基づいた上限となっています。
地域 | 出力 | 最高速度 | フル電動 | 備考 |
中国 | 400W | 25km/h | OK | 改定前は250W、20km/h |
日本 | 250W | 24km/h | × | 段階的アシスト |
米国 | 750W | 32km/h | OK | 要ペダル |
EU(EPAC) | 250W | 25km/h | × | ペダル操作時のみ |
EU(L1e-A) | 1000W | 25km/h | OK | ヘルメット、保険、免許 |
EU(L1e-B) | 4000W | 45km/h | OK | ヘルメット、保険、免許 |
カナダ | 500W | 32km/h | OK | 3km/h以上でのみ |
オーストラリア | 250W | 規定なし | OK | 電動は補助的のみ |
「FlowDot」はこの中で(日本を除いて)最も厳しいEU仕様に合わせられています。サイト上にもフル電動可能とは書かれていません(が、動画上ではフル電動状態っぽいシーンが映っています)。
補足にも書いていますが中国では規制が緩和され、電気自転車基準の改訂版が2018年5月15日発布、2019年4月15日施行となっています。
簡単に抜粋すると、以下のような規制になりました。
改定前 | 改定後 | |
ペダル走行 | ペダル走行機能を有すること | |
走行モード | 電動(のみ)走行、或いは/及び、電動アシスト走行 | |
最高速度 | 20km/h | 25km/h |
完成車重量 | 40 kg以下 | 55 kg以下 |
モーター定格出力 | 250W以下 | 400W以下 |
バッテリー電圧 | 48V以下 |
改定前だと最高速度が引っかかっちゃいますね。
ほかにも騒音規制だとか、ベルの音量だとかいろいろありますが、細々とした要件は以下のリンク(pdf、中国語)に記載されています。
電動自転車安全技術規範:中国自転車協会
一方で、低速走行だと買ってもらえないので、「リミッター解除」モードが用意されるという不正も横行しているそうです。
まとめ
がじぇっとりっぷで電動自転車を紹介するのもかなり久しぶりになります。
クラウドファンディング系はチェックはしているのですが、紹介したくなるくらいにデザインのいい自転車はなかなか出てこないんですよね。
「FlowDot」はデザインが可愛い上に、「FlowDot」で599ドル(約6.5万円)、「FlowDot Pro」で799ドル(約8.7万円)と安価です。
この価格は工場直売価格だから実現できたとのこと。
日本の規制問題や、カゴや泥除けは付けられるのかなど、気になる部分はありますが、しばらくはウォッチリストに入れておきたいと思います。
なお、ファンディング終了は2019年11月22日となっています。
関連リンク
FlowDot: The Lightest Magnesium Alloy eBike Ever:INDIEGOGO
公式サイト:FlowDot
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