2020年2月10日、NVIDIAは「GeForce MX350」「GeForce MX330」をサイレントローンチしました。
「GeForce MX」シリーズは2017年11月の「MX150/MX130/MX110」、2019年2月の「MX250/MX230」と来たので、第3世代に当たります。
いずれも大きな発表をせず製品情報に追加するだけのサイレントローンチでした。
また、「GeForce MX350」は25W版と15W版が存在することも判明しています。
スペック
※これまでの「MX」シリーズも併記しています。
GPUコア | アーキテクチャ | メモリー | SP数 | 動作周波数 | 最大周波数 | 消費電力 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
MX350(25W) | GP107 | Pascal | GDDR5 | 640 | 1354MHz | 1468MHz | 25W |
MX350(15W) | GP107 | Pascal | GDDR5 | 640 | 746MHz | 937MHz | 15W |
MX330 | GP108 | Pascal | GDDR5 | 384 | 1531MHz | 1594MHz | 25W |
MX310 | GP108 | Pascal | GDDR5 | 256 | 1341MHz | 1379MHz | 25W |
MX250(25W) | GP108 | Pascal | GDDR5 | 384 | 1518MHz | 1582MHz | 25W |
MX250(15W) | GP108 | Pascal | GDDR5 | 384 | 937MHz | 1038MHz | 10.5W |
MX230 | GP108 | Pascal | GDDR5 | 256 | 1518MHz | 1531MHz | 25W |
MX150(25W) | GP108 | Pascal | GDDR5 | 384 | 1468MHz | 1531MHz | 25W |
MX150(10W) | GP108 | Pascal | GDDR5 | 384 | 937MHz | 1038MHz | 10W |
MX130 | GM108 | Maxwell | GDDR5 | 384 | 1122MHz | 1242MHz | 25W |
MX110 | GM108 | Maxwell | DDR3 | 256 | 963MHz | 993MHz | 10W |
特徴
「MX350/MX330」は同じPascal世代となりますが、GPUコアは「MX350」がGP107、「MX330」がGP108となっています。
このGPUコアについて、Pascal世代はGP100、GP104、GP106、GP102、GP107、GP108という順で登場しましたが、GP107はGeForce GTX 1050 Ti/GTX 1050向け、GP108はGeForce GT 1030向けとなり、後のほうが高性能というわけではありません。
言い方を変えると、これまでGP108の範囲で収まっていた「MX」シリーズが、「MX350」では一つ上のクラスになったということです。
また、前世代までから変更された点として、「MX350」のTDPのバリエーションが25Wと15Wになっています(「MX150/MX250」は25Wと10W)。
「MX150/MX250」では主に13.3インチノートがTDP10Wの対象だったわけですが、これからは13.3インチでも5W分の性能アップとなります(その分冷却設計が大変そうですが)。
性能は?
「MX350/MX330」は公開されたばかりのため、3D Mark公式に登録されたスコアがまだ存在せず、リークされた情報のみとなっています。
リーク情報を含めて歴代「MX」シリーズおよびモバイル系GPUと比較したのが以下のグラフとなります。
「MX350」のスコアは、初代の「MX150」と比べると約1000ポイント、率にすると30%の性能向上となっています。
2015年3月に登場してからモバイル向けGPUとして人気の高かった「GeForce GTX 960M」よりもスコアが高くなっています。
「GeForce GTX 960M」は当時のミドルクラスで、軽量〜中量級ゲームがステレスなくプレイでき、かつコスパに優れていると評判でした。
ただし、ミドルクラスGPUということでTDPは75W、システム全体の消費電力は最大130Wにもなっていました。
それが今ではちょい足しGPUで同じ性能をまかなえ、構成によっては半分の65Wアダプタで済むのですから、隔世の感があります。
まとめ
これまで「GeForce MX」シリーズは、CPU内蔵GPUと「GeForce GTX」シリーズの間を埋める、モバイルノート向けの”ちょい足しGPU”的な扱いでしたが、その性能もついにかつてのミドルクラスを超えるまでになりました。
立ち位置的には今後も変わらないとは思いますが、薄型モバイルノートでも軽量〜中量級ゲームをプレイできるだけの性能を持つというのは、結構大きいんじゃないかと思います。
関連リンク
GeForce® MX350:NVIDIA
GeForce® MX330:NVIDIA
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